hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

James McAvoy in Penelope

2011年12月29日 | 映画
 タイトルに名前が入ったのは(決して好きではない)山田孝之に続き2人目のマカヴォイが、あ~、なんてこと・・・・というくらい素敵な映画「ぺネロぺ」であります。
 絶対観ることないだろうなぁとなんとなく思っていたのですが、案外作品自体も良かったのでした。
 
 主人公は呪いをかけられ豚の鼻をもって生まれてきます。
 娘を不憫に思った母親は長年屋敷の中に幽閉します。
 唯一呪いをとく方法は結婚をすること、ただし両家の子息に限る、らしい。
 何人もの候補者が現れるものの、全員彼女の顔を見た途端逃げ出すします。
 
 そこへ色々と事情があって現れるのがマカヴォイ君なのでした。
 いや、マジックミラーの向こう側にいるはずの彼女を覗きこむその眼がね・・・・・・参りました。
 あっと、作品の良さも書きたいところなんですが、どう書いたらいいんだろう、主人公のぺネロぺの性格の強さと弱さの描き方が素晴らしいんですね。そこのところ結構難しいと思うんですよ。大抵の作品の場合は「やけになって」とか「ひどく悲しんで」と傷ついた主人公をとことん見せてから動きがあるという展開ですが、このぺネロぺはちょっと達観している様子で毅然とした態度で居続けながら新しい動きをするんです。あまり変化がないように映ってしまう危険は承知ながら、こういう運びにしていて、それが上手くいっているところがいいなぁって。

 作品中で重要なキーワードは「Blue Blood」。貴族の出、名門の出、という意味だそうです。どこまでの名門をそう呼ぶのかは定かではありませんが、悪玉役のサイモン・ウッズ君は見た目からアクセントからいかにもアッパークラスの子という感じ。イートン&オックスフォード出身ですってよ。あのようになるにはもちろん家庭と学校の両方が大事とはいえ、学校だけでも「それらしい所」にいけば、彼の10分の1でもいいし、フェイクでもいいので(!)「見るからに」という感じの品の良さが出るものだろうか。なんて、もうすぐ進学する息子を抱えている母親としては気になったのでした。しょーもない。
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