『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第2章  トラキアへ  161

2010-03-05 07:47:51 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 トロイ戦役で活躍したオデッセウスは、自国領のイタケ島の海賊の元締めでもあった。あのアガメムノンしかり、スパルタのメネラオスも、アキレスもトロイ戦役に参加した海に近い地点に位置している都市国家の領主の全てが、領国経営のために海賊業を是認していたのである。最もギリシアという国の平野の少ない土地事情によるところが大きい。
 今度は、トロイの事情である。トロイ人は陸上にいる海賊であった。彼らは、黒海に通ずるペレスポントス海峡の入り口に位置している都市国家城市であった。彼らは、武力を持って、この海峡を支配して、高い通行料を行き交う船から取り上げた。いや、海賊一歩手前の行為で巻き上げたといっていい。通行料を払わない船からは、その積荷を強奪した。トロイは繁栄した。しかし、トロイは、、この行為が災いして外部から強い怒りを買った。外部から襲撃されることも多数回に及んだ。多数回の壊滅的な襲撃にもかかわらず復興した。だがトロイは6世紀ごろに消滅して復興することはなかった。10年に及ぶトロイ戦役の一因でもあったのである。