この時代、魚を煮るという調理方法が、このエノスの浜にはないらしい。浜小屋の中では、でっかい魚が火にあぶられていた。塩は、生活の知恵で雑ではあったが海水から製塩したものと交易によって求めた岩塩があった。
トリタスと二人の浜衆、アエネアスとイリオネスら五人は焼き魚に舌鼓を打った。
『トリタス、これはうまいっ!うまい魚だ。このようにうまい魚は俺は初めて口にする、イリオネス、お前はどうだ』
『私も初めてです』
『魚には、まだ、名前はありません。だが、私たちは、食べて知っています。この魚は、どんな魚よりうまいのです』
食は、人の心をなごませ、間にあるわだかまりを消し去る。五人は、ただひたすらに賞味に懸命であった。
『うまい、うまい!』 の連発で交わす言葉はなかった。
『統領、私に何か、お話でも、、、』
『トリタス、お前に改めて礼を言いたかった。それにと言ってなんだが、ひとつ頼みがある。聞いてくれ。この付近の山と原野を歩いてみたい。その案内を頼みたい。いいかな』
トリタスと二人の浜衆、アエネアスとイリオネスら五人は焼き魚に舌鼓を打った。
『トリタス、これはうまいっ!うまい魚だ。このようにうまい魚は俺は初めて口にする、イリオネス、お前はどうだ』
『私も初めてです』
『魚には、まだ、名前はありません。だが、私たちは、食べて知っています。この魚は、どんな魚よりうまいのです』
食は、人の心をなごませ、間にあるわだかまりを消し去る。五人は、ただひたすらに賞味に懸命であった。
『うまい、うまい!』 の連発で交わす言葉はなかった。
『統領、私に何か、お話でも、、、』
『トリタス、お前に改めて礼を言いたかった。それにと言ってなんだが、ひとつ頼みがある。聞いてくれ。この付近の山と原野を歩いてみたい。その案内を頼みたい。いいかな』