ギアスは大声をあげ、呼ば張りながら、樹間のけもの道を北へとたどった。一方アエネアス隊のほうでもイリオネスが隊を停止させて、彼自身が南下の道をたどった。
双方とも樹間を抜けてくる声を聞いてはいない。ギアスは、左目の片隅を黒い大きな影が横切ったような気がした。
とっさに、彼は弓に矢をつがえて身構えた。それから黒い影の動いた方向を確かめた。
熊である。熊は、ギアスを じいっ~と見つめた。目に光を感じた。目と目が合った。熊との間合いは、7~8メートル、ギアスの肝は、ぐうっ~と冷えた。だが、動揺はしなかった。狙いを定めた。
矢はつるを放れた。熊がギアスに向かって動きを開始するのと、全く同時であった。矢は急所を外れて、当たった。一瞬ひるむ熊、揚げる咆哮はすさまじかった。ギアスは、剣を抜き放つや、熊に向かって突進した。
彼は、あれこれ考えなかった、そんな暇はない。ただ感じただけでの行動であった。狙いは、熊の急所に己の剣を突き刺すことのみに集中して、猛進、盲進であった。思い切り体重を剣にかけて熊に突っ込んだ。一瞬の衝撃を全身に感じて、剣から手を離して、右横の樹間に身を投げた。
双方とも樹間を抜けてくる声を聞いてはいない。ギアスは、左目の片隅を黒い大きな影が横切ったような気がした。
とっさに、彼は弓に矢をつがえて身構えた。それから黒い影の動いた方向を確かめた。
熊である。熊は、ギアスを じいっ~と見つめた。目に光を感じた。目と目が合った。熊との間合いは、7~8メートル、ギアスの肝は、ぐうっ~と冷えた。だが、動揺はしなかった。狙いを定めた。
矢はつるを放れた。熊がギアスに向かって動きを開始するのと、全く同時であった。矢は急所を外れて、当たった。一瞬ひるむ熊、揚げる咆哮はすさまじかった。ギアスは、剣を抜き放つや、熊に向かって突進した。
彼は、あれこれ考えなかった、そんな暇はない。ただ感じただけでの行動であった。狙いは、熊の急所に己の剣を突き刺すことのみに集中して、猛進、盲進であった。思い切り体重を剣にかけて熊に突っ込んだ。一瞬の衝撃を全身に感じて、剣から手を離して、右横の樹間に身を投げた。
