『アエネアス、決心は、堅そうだのう。その決心が崩れると言うことがないのか。また、その意志が命とともに、何者かによって絶たれるということもある。アエネアス、判ってるのか。建国の途につく以上、お前とお前の民族が生活を続けていく土地がなくなるのだぞ!いいな』
『それは、充分に承知しています。この土地に居ついて、領主との約束のもとに私ども民族の生活圏を構築していく、そのことについても十二分に考えました。ですが、民族として、国を興すことが使命であり、念願なのです』
『そうか、そこまで言うか。判った。俺は、お前たちを引き止めはしない。もうここには、お前たちが根を張る土地はない。いいな』
『判りました。そこでお願いがあるのですが、エノゼリアス殿、聞いていただけないでしょうか』
『何か知らんが言ってみろ。聞くか、聞かないかは事の次第だ』
『この地に残る者たち、3人の老いたる者、乳飲み子を持つ夫婦者ら合わせて、71人の者たちがこの地にとどまりたいと言っているのです。そのようなわけで、トリタスが宰領している生活圏に組み入れて、彼らをこの土地に住まわせてやってもらえないかとお願いしたいわけです。トリタスのほうでは、この件については、受け入れてもいいように言ってくれています。エノゼリアス殿、何卒、この件ご了承いただけないでしょうか』
アエネアスは、低頭して懇願した。
『それは、充分に承知しています。この土地に居ついて、領主との約束のもとに私ども民族の生活圏を構築していく、そのことについても十二分に考えました。ですが、民族として、国を興すことが使命であり、念願なのです』
『そうか、そこまで言うか。判った。俺は、お前たちを引き止めはしない。もうここには、お前たちが根を張る土地はない。いいな』
『判りました。そこでお願いがあるのですが、エノゼリアス殿、聞いていただけないでしょうか』
『何か知らんが言ってみろ。聞くか、聞かないかは事の次第だ』
『この地に残る者たち、3人の老いたる者、乳飲み子を持つ夫婦者ら合わせて、71人の者たちがこの地にとどまりたいと言っているのです。そのようなわけで、トリタスが宰領している生活圏に組み入れて、彼らをこの土地に住まわせてやってもらえないかとお願いしたいわけです。トリタスのほうでは、この件については、受け入れてもいいように言ってくれています。エノゼリアス殿、何卒、この件ご了承いただけないでしょうか』
アエネアスは、低頭して懇願した。
