『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY          第4章  船出  31

2011-12-19 15:17:36 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスは、トリタスの逗留が決まり、広間の焚き火を囲み話し込んだ。
 
 アンテウスがリストと現品を照合しているところに、オロンテスが声をかけてきた。
 『アンテウス、どうだ。作業の方は終わったか』
 『あっ!オロンテス棟梁。いま、リストと現品を照合していますが、もう終わります』
 『おうっ、どれどれ。お前、大変だったな。これだけの量だ、仕分けが大変だったろう。明日から三日間忙しいぞ』
 『判りました。作業の段取りは、もう出来ているのですか』
 『いや、それはまだだ。セレストスとリュウクスを呼んでくれ』
 オロンテスは、木板に書き込まれた品目と量に目を通した。
 『棟梁、二人が来ました』
 『おう、お前ら、今日はご苦労であったな。今夜夕めしを終えたら、明日からの作業の段取りを打ち合わせる。いいな。三人は広間のほうへ来てくれ』
 『判りました』 三人は声をそろえて返事をした。
 オロンテスは、書き込まれている品目と量を入念に読み取った。
 『う~ん、なかなか大変な量だな』
 彼は、目論んでいる作業の段取りを思案した。

 イリオネスは、パリヌルスとオキテスに声をかけた。
 『おう、お前ら二人、何でそんなに力んでいるのだ。航海日程は出来上がったか』
 『出来ました。海も川のように、北から南に向けて流れていてくれたら、楽なのになあ~と、つくづく思いますよ』