『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY          第4章  船出  33

2011-12-22 14:09:46 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 日没には、まだ、少々間があるが、砦の者たちは夕めしを終えていた。
 広間には、イリオネスが顔を見せた。パリヌルスもオキテスも来た。アエネアスは、トリタスと肩を並べて現れた。トリタスは戸口に立って戸惑っているようであったが、アエネアスに促されて焚き火のまえに腰を下ろした。
 『あの~、イリオネス様、私ですが、座をはずしましょうか』
 『なんだ、それを気にしていたのか』
 イリオネスはアエネアスの目を見て了解を取った。
 『トリタス、座をはずす必要はないぞ。ここにいて、話を聞いて何か意見があったら話してくれていい』
 『それは、それは、では、ここにいさせていただきます』
 『お~お、それでいい』
 『イリオネス、顔は揃った始めていいぞ。ところでオロンテスは?』
 『はい。オロンテスは、向こうの打ち合わせが終わり次第こちらに来ます。では、パリヌルスから説明させます。パリヌルス始めてくれ』
 パリヌルスは、航海日程を書き込んだ木板をアエネアスに見せた。
 『ほお~っ、これは判りやすい』
 アエネアスはじいっと木板に見入った。