闘争を展開した浜をくまなく見て回った。作業をしている者たちをねぎらったり、注意をしたり、細かく指示もしたりした。
天空を焦がした荼毘の炎は、まだ、おとろえてはいない。その辺りだけが真昼のように明るい。浜一帯は暗闇のままである。
カイクスの両目が涙で潤んでいる。深手を負った兵士が息を引き取ったのである。兵士の右手がカイクスの右腕を力を込めてつかんでいた。息を引き取る間際につかんでいた手にグッと力がこもったと感じた瞬間、彼の手から力が抜けた。彼に深い闇が訪れた、再び輝く太陽を見ることがないのだ。カイクスの潤んでいた両目から涙が吹きあげた。カイクスは思いっきり彼を抱いた。はかなかった。感情がこみ上げる、涙が止まらなかった。暗闇の闘いの場における友との別れであった。あとの二人は、深手といえども致命の傷ではなかった。養生に時日はかかるだろうが生きる希望が見えていた。安堵した。
アレテスは、見回りを終えて、再度、隊長連を集めた。各自から事情を聞き取った。
『おう、カイクス、深手の彼はどうであった』
『彼は、息を引き取りました』
『そうか、それは無念だな。戦死者が四名となったか。あとの二人はどうだ?』
『あとの二人は、深手でありながら、致命傷はまぬかれました。養生に時日はかかると思いますが、大丈夫です』
『よし!判った。隊長の最終点検を受ける。ギアス、舟艇で迎えを頼む』
『判った』
パリヌルスは、船上から激しく干戈を交えた浜を眺めていた。ギアスの舟艇が近づいてくる。彼は船上から舟艇のギアスに声をかけた。
『おう、ギアス、どうした』
『浜が片付きました。迎えに来ました』
『おっ、そうか、判った。行こう。全員を休ませねばな、、、』
パリヌルスが舟艇に乗る、短く感想を口にした。
『ギアス、歩いていける距離なのに、お前が迎えに来てくれるとは。ありがとう』
『おう、皆、ありがとう』
漕いでくれた者たちに礼を言って、二人は浜にあがった。
天空を焦がした荼毘の炎は、まだ、おとろえてはいない。その辺りだけが真昼のように明るい。浜一帯は暗闇のままである。
カイクスの両目が涙で潤んでいる。深手を負った兵士が息を引き取ったのである。兵士の右手がカイクスの右腕を力を込めてつかんでいた。息を引き取る間際につかんでいた手にグッと力がこもったと感じた瞬間、彼の手から力が抜けた。彼に深い闇が訪れた、再び輝く太陽を見ることがないのだ。カイクスの潤んでいた両目から涙が吹きあげた。カイクスは思いっきり彼を抱いた。はかなかった。感情がこみ上げる、涙が止まらなかった。暗闇の闘いの場における友との別れであった。あとの二人は、深手といえども致命の傷ではなかった。養生に時日はかかるだろうが生きる希望が見えていた。安堵した。
アレテスは、見回りを終えて、再度、隊長連を集めた。各自から事情を聞き取った。
『おう、カイクス、深手の彼はどうであった』
『彼は、息を引き取りました』
『そうか、それは無念だな。戦死者が四名となったか。あとの二人はどうだ?』
『あとの二人は、深手でありながら、致命傷はまぬかれました。養生に時日はかかると思いますが、大丈夫です』
『よし!判った。隊長の最終点検を受ける。ギアス、舟艇で迎えを頼む』
『判った』
パリヌルスは、船上から激しく干戈を交えた浜を眺めていた。ギアスの舟艇が近づいてくる。彼は船上から舟艇のギアスに声をかけた。
『おう、ギアス、どうした』
『浜が片付きました。迎えに来ました』
『おっ、そうか、判った。行こう。全員を休ませねばな、、、』
パリヌルスが舟艇に乗る、短く感想を口にした。
『ギアス、歩いていける距離なのに、お前が迎えに来てくれるとは。ありがとう』
『おう、皆、ありがとう』
漕いでくれた者たちに礼を言って、二人は浜にあがった。