『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  477

2015-03-03 07:04:57 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 イリオネスは、パリヌルスら三人に話しかけた。
 『おう、お前ら、このまま、この場所で話し合え、俺は統領の宿舎へ行く。イデー山行きの事について話し合う。木板と木炭はそこにある、自由に使っていい』
 イリオネスは、アヱネアスとともに場を離れていった。
 オキテスが二人に話しかけることから打ち合わせが始まった。三人の新艇建造に立ち向かう心意気には力みはなく、ごくごく自然体であることを感じさせた。
 『まず、ガリダとの交渉役から決めよう』
 『いいだろう。して、お前の思いは?』
 『俺が交渉役の責任担当を引き受ける。そしてドックス、ソリタン、もう二人、この任に当たる者をと考えている。それは俺に決めさせてくれ』
 『了解、それでいい。次は組織の編成計画だ。どんな組織組みで業務を遂行していくかが決め手になる。ラフに考えて構図を描いてみよう』
 『それができたら頭になるものを決める。任命、打ち合わせは明後日ということにする。それでいいか。俺の明日は、アサイチにガリダの許へ使いのモノを出発させる』
 『それでいい!』
 彼ら三人は、考えをすり合わせ、意向と当面の行動を決めた。次に組織編成の概略をまとめ、班長役、副長役、そして、ラインとスタッフの在り方について話をまとめた。
 班編成計画をまとめて工程表も作成した。
 パリヌルスが話しかける。
 『明日は、ドックスと二人で工程表に基づいて業務起ち上げの初期の段取りをする。オキテス、お前はガリダとの予備交渉の手を打つ。明後日の昼めしのあとには、班長、副長も参加させて話し合いをやり、統領、軍団長に一同を引き合わせる。それでどうだ、いいかな』
 『おう、それはいい。いい起ちあがりだな』
 『『最良の品質の新艇を造る』これに向かって力を注ぎ、最善を尽くしていく!これが我らの心意気といったところだ』
 二人は、『おうっ!』と答えた。
 『ところでだ。オキテス、班長と副長を決めるについて、お前の意向を聞いておきたい。俺はこのように考えている。班長1名、副長2名、組織は最良の技術集団だ。班を取り締まっていく三人だ。一つの班は60人に近い人員だ。これの統率を任せる力量のある者1名、2名の副長は、艇の建造に明るい者というのはどうか。両人の意向を聞いて決めたい』
 『そうだな、お前の言うことに一理があるように思われる。明日、朝からこれについて話し合おう。ドックス、お前の配下で新艇建造に携わった者の中から、候補者を12~3人、これはというやつを選んでおいてくれ』
 『パリヌルス、班長副長決めは、明日、アサイチからやろう』
 『おう、了解。』
 三人は目を合わせてうなずいた。