パリヌルスら三人は、脳漿を搾って思考作業と取り組んでいる。
『おう、ドックス、どんな具合だ。新艇建造の場は浜に5か所造るのだぞ。そこに配置する2人組だぞ。この業務に携わるすべての者たちが新艇建造に関する情報を共有して、作業をやっていくわけだ。そして、お前が彼らを取り締まっていく、そういうことだ。仕事が始まったら、副長及び建造に携わる者たちの人事権はお前にあるわけだ。適材適所の配置もだが、いいモノづくりは、人が身に宿している技倆にある。それを見極めるのはお前なのだ。一同の教育指導もそれに基づいてやってくれ。技倆とは、モノづくりの技術だけではない、モノづくりの心構えもそこにある。それを切り離さずに考えてやってくれ。我々が目指しているのは集団で保持する優れたモノづくりの技術であり、心構えなのだ。一人が新艇を造るのではなく、それに携わる集団が1艘の新艇を造るということなのだ。頼むぞ!』
パリヌルスは、言葉尻の『頼むぞ!』に力を込めて話し終えた。
『了解しました。新艇を造るということは、一人の船大工がハシケの1艘を造るということとは違うということですね』
ドックスが例をあげてパリヌルスの言うところを理解した。これを聞いたパリヌルスは、硬い表情で深くうなずいた。オキテスは傍らでじい~っとパリヌルスの言うことに耳を傾けていた。
オキテスが棚を背にしているパリヌルスに声をかけた。
『おう、パリヌルス、のどが渇いていないか。ドックス、お前はどうだ?』
『え~え、渇いています、何か呑みたい、そんな気持ちです』
『パリヌルス、お前のうしろの棚のその壺は何だ?ちょっと振ってみろ!次は、ふたをとって匂いだ、かいでみろ。何だ?』
『ぶどう酒みたいだ。ちょっと口にしてみる』
彼は、壺に口を当てて一口、喉に通した。
『旨い!ぶどう酒だ!呑むか』
『いいだろう、この際だ。マワシ呑みだ。お前からやれ』
パリヌルスは、二、三口呑んで、ドックスに、オキテスにと酒壺をまわして口にした。
『パリヌルス、やっている作業も進んだようだ。ドックスに五か所に造る建造の場の施設設計、工具類、木材以外の建造資材の事などについても考えをまとめてもらいたい』
『ドックス、その件はどのように考えている?』
『大体の腹案は出来ています。買い整えなければならない物も多々あります。そのあたりについての配慮はどのようにしたらいいかと思案しています』
『おう、それは大事なことだ。それについては、明日、オキテスと検討する。軍団長との打ち合わせも必要とするところもある。オキテス、どうだ。このことについて知恵のあるやつがいるか?』
『よし!それについては俺に任せろ。才覚のあるやつを探してくる。今日はここいらできりあげよう。こんな頃合いになった、ガリダの方へ出向いた二人の事が気になる。俺が行くべきであったと気にしている』
『そうか、判った。ドックス、いいな。木材以外の建造資材、設備、工具類の件よろしく頼む。それについてはキドニアの集散所に出向いて調査することを考える』
『判りました』
『オキテス、なんだかんだと考えなければならんことがある』
『そりゃそうだろう。5艇も同時建造に着手するのだ、それなりの考えと覚悟のいることだ。並みの努力で足るわけないだろうが』
『お前の言うとおりだ』
『おう、ドックス、どんな具合だ。新艇建造の場は浜に5か所造るのだぞ。そこに配置する2人組だぞ。この業務に携わるすべての者たちが新艇建造に関する情報を共有して、作業をやっていくわけだ。そして、お前が彼らを取り締まっていく、そういうことだ。仕事が始まったら、副長及び建造に携わる者たちの人事権はお前にあるわけだ。適材適所の配置もだが、いいモノづくりは、人が身に宿している技倆にある。それを見極めるのはお前なのだ。一同の教育指導もそれに基づいてやってくれ。技倆とは、モノづくりの技術だけではない、モノづくりの心構えもそこにある。それを切り離さずに考えてやってくれ。我々が目指しているのは集団で保持する優れたモノづくりの技術であり、心構えなのだ。一人が新艇を造るのではなく、それに携わる集団が1艘の新艇を造るということなのだ。頼むぞ!』
パリヌルスは、言葉尻の『頼むぞ!』に力を込めて話し終えた。
『了解しました。新艇を造るということは、一人の船大工がハシケの1艘を造るということとは違うということですね』
ドックスが例をあげてパリヌルスの言うところを理解した。これを聞いたパリヌルスは、硬い表情で深くうなずいた。オキテスは傍らでじい~っとパリヌルスの言うことに耳を傾けていた。
オキテスが棚を背にしているパリヌルスに声をかけた。
『おう、パリヌルス、のどが渇いていないか。ドックス、お前はどうだ?』
『え~え、渇いています、何か呑みたい、そんな気持ちです』
『パリヌルス、お前のうしろの棚のその壺は何だ?ちょっと振ってみろ!次は、ふたをとって匂いだ、かいでみろ。何だ?』
『ぶどう酒みたいだ。ちょっと口にしてみる』
彼は、壺に口を当てて一口、喉に通した。
『旨い!ぶどう酒だ!呑むか』
『いいだろう、この際だ。マワシ呑みだ。お前からやれ』
パリヌルスは、二、三口呑んで、ドックスに、オキテスにと酒壺をまわして口にした。
『パリヌルス、やっている作業も進んだようだ。ドックスに五か所に造る建造の場の施設設計、工具類、木材以外の建造資材の事などについても考えをまとめてもらいたい』
『ドックス、その件はどのように考えている?』
『大体の腹案は出来ています。買い整えなければならない物も多々あります。そのあたりについての配慮はどのようにしたらいいかと思案しています』
『おう、それは大事なことだ。それについては、明日、オキテスと検討する。軍団長との打ち合わせも必要とするところもある。オキテス、どうだ。このことについて知恵のあるやつがいるか?』
『よし!それについては俺に任せろ。才覚のあるやつを探してくる。今日はここいらできりあげよう。こんな頃合いになった、ガリダの方へ出向いた二人の事が気になる。俺が行くべきであったと気にしている』
『そうか、判った。ドックス、いいな。木材以外の建造資材、設備、工具類の件よろしく頼む。それについてはキドニアの集散所に出向いて調査することを考える』
『判りました』
『オキテス、なんだかんだと考えなければならんことがある』
『そりゃそうだろう。5艇も同時建造に着手するのだ、それなりの考えと覚悟のいることだ。並みの努力で足るわけないだろうが』
『お前の言うとおりだ』