『おおっ!そうか。あいつ、それは喜ぶ。蜂蜜入りのパンか、セレストス、ありがとう』
アヱネアスが礼を言う、代わって、イリオネスが声をかける。
『ここへ来たのは、セレストス、特別の頼みだ』
『何用でしょう?』
『ある用向きで、統領と俺が明後日から出入り5日の予定で旅に出る。総員17人5日分のパンを焼いてほしい。出航は、こちらで朝めしを済ませたあとだ。それに間に合わせてくれればいい。ということだ』
『判りました。このことオロンテス隊長は、知っているでしょうか?』
『それは知っていないと思う、まだ、彼には話していない。これを知っているのは、二、三の者とお前だけだ』
『オロンテス隊長に伝えてよろしいですね』
『あ~あ、いいとも。気を使わないでもいい。明日には、皆に伝えることだ』
『判りました』
用件を伝え終えたイリオネスは、アヱネアスに声をかけた。
『統領、行きましょう。用件は終えました』
二人は撃剣訓練の場へと足を向けた。木剣の打ち合う音が聞こえてくる。
『おう、者どもやっておるな』
気合の掛け声も聞こえてくる。
『誰がコーチしているのだ?』
『はい、リナウスです』
二人は、林を抜けて場を見渡せるところに立った。イリオネスとリナウスの目があった。リナウスが駆け寄ってくる。
『あっ!統領もご一緒ですか。軍団長、見てやってください。木剣、木槍にしてから、怪我が少なくなって、訓練に励むようになりました。そして防具を使うようになって、一段と訓練に身を入れてやるようになりました。パリヌルス、オキテス両隊長の配慮があったればこそです』
『そうか、それはよかった。イリオネス、やるか』
『え~え、やりましょう。リナウス、木剣と防具を頼む』
『判りました。いま、お持ちします』
リナウスが二人分の木剣と防具を持ってきた。
二人が防具を身に着ける。
『おう、これはなかなか具合がよさそうだな』
『統領は、初めてですね。私は何度か身に着けてやっていますが』
『こいつ、俺に内緒で腕を磨いておるな。俺に打ち込むとき手加減せずともいいからな。イリオネス、覚悟してかかって来い!』
二人は、場に立つ、木剣の切っ先を合わせると、とび下がって間合いをとった。息を整え、ジリッと間合いをつめた。
アヱネアスが礼を言う、代わって、イリオネスが声をかける。
『ここへ来たのは、セレストス、特別の頼みだ』
『何用でしょう?』
『ある用向きで、統領と俺が明後日から出入り5日の予定で旅に出る。総員17人5日分のパンを焼いてほしい。出航は、こちらで朝めしを済ませたあとだ。それに間に合わせてくれればいい。ということだ』
『判りました。このことオロンテス隊長は、知っているでしょうか?』
『それは知っていないと思う、まだ、彼には話していない。これを知っているのは、二、三の者とお前だけだ』
『オロンテス隊長に伝えてよろしいですね』
『あ~あ、いいとも。気を使わないでもいい。明日には、皆に伝えることだ』
『判りました』
用件を伝え終えたイリオネスは、アヱネアスに声をかけた。
『統領、行きましょう。用件は終えました』
二人は撃剣訓練の場へと足を向けた。木剣の打ち合う音が聞こえてくる。
『おう、者どもやっておるな』
気合の掛け声も聞こえてくる。
『誰がコーチしているのだ?』
『はい、リナウスです』
二人は、林を抜けて場を見渡せるところに立った。イリオネスとリナウスの目があった。リナウスが駆け寄ってくる。
『あっ!統領もご一緒ですか。軍団長、見てやってください。木剣、木槍にしてから、怪我が少なくなって、訓練に励むようになりました。そして防具を使うようになって、一段と訓練に身を入れてやるようになりました。パリヌルス、オキテス両隊長の配慮があったればこそです』
『そうか、それはよかった。イリオネス、やるか』
『え~え、やりましょう。リナウス、木剣と防具を頼む』
『判りました。いま、お持ちします』
リナウスが二人分の木剣と防具を持ってきた。
二人が防具を身に着ける。
『おう、これはなかなか具合がよさそうだな』
『統領は、初めてですね。私は何度か身に着けてやっていますが』
『こいつ、俺に内緒で腕を磨いておるな。俺に打ち込むとき手加減せずともいいからな。イリオネス、覚悟してかかって来い!』
二人は、場に立つ、木剣の切っ先を合わせると、とび下がって間合いをとった。息を整え、ジリッと間合いをつめた。
