アヱネアスとイリオネスの二人は、小半刻、木剣を打ち合った。打ち合いの場を囲むように人垣ができていた。二人の打ち合いが終わる、適度の間合い、軽く頭を下げる、ごく自然な成り行きで拍手が沸いた。
二人が顔を合わせる、額から汗が流れ落ちる、手で拭い、拍手の起きた人垣を見渡した。
『なあ~、イリオネス、この木剣と防具だが、なかなかだ!手加減せずに対手に打ち込めるところがいい』
『道理で、あの打ち込みは手加減なしの打ち込みでしたか、こたえましたな』
『ちょっと、わるかったな、許せ』
『一瞬、息が止まりました』
『そうだったか、いい汗を流した。どうだ、汗を流しに浜へ行こう』
『そうしましょう』
二人は撃剣の装いを解いて、浜へと足を向けた。訓練の場の者たちが歓声で二人を見送る、二人は、手ををあげて応えながら坂道を下った。
イリオネスは、道すがら山行の人員構成について、アヱネアスに伝えた。
『統領、山行の船旅のメンバーですが、私たちのほうが14人です、スダヌス方が2人と考えています。クリテスを同道させます。ギアスたちが11名、統領と私とクリテス、スダヌスと他一人です。停泊地についてからの山行のメンバーですが、これは7名で構成します。統領の身辺警護には、私とギアス他1名が当たります』
『判った。それでいい』
『それから旅程ですが、これについては、あとから詳しく説明いたします』
『判った。宜しく頼む』
浜について渚に立ち、海を見渡した。
『水ぬるむ春か。水が肌になじみやすい』
『そうですね』
二人は、のたりとした春の海に身を浸して風情を感じながら汗を流した。
『統領どうですか、小島に行ってみませんか?』
『おうおう、行こう』
二つ返事である。イリオネスは、用船ニケの担当の者たちに言いつけて小島へと向かった。
この時間の小島は多忙の時間帯である。島に着いた二人は、今日の漁で捕獲した魚を船からおろし、選別作業の場へと足を向けた。
アレテスが陣頭に立って指揮、差配している。アレテスが場の者たちに声をかける。
『おう、今日も期待どうりの漁ができたな』と顔をほこらばせる、場の者たちも笑みをこぼす。
アレテスが場を見ている二人に気づいた。
『おう、アレテス、忙しそうだな』
『あ~っ!統領も一緒に』
『そうだ。今日の漁は、どうであった?』
『ここのところ、漁は上々の日が続いています』
『おう、アレテス!』統領が声をかけた。
『統領!ようこそ』
二人の声がけが同時であった。
二人が顔を合わせる、額から汗が流れ落ちる、手で拭い、拍手の起きた人垣を見渡した。
『なあ~、イリオネス、この木剣と防具だが、なかなかだ!手加減せずに対手に打ち込めるところがいい』
『道理で、あの打ち込みは手加減なしの打ち込みでしたか、こたえましたな』
『ちょっと、わるかったな、許せ』
『一瞬、息が止まりました』
『そうだったか、いい汗を流した。どうだ、汗を流しに浜へ行こう』
『そうしましょう』
二人は撃剣の装いを解いて、浜へと足を向けた。訓練の場の者たちが歓声で二人を見送る、二人は、手ををあげて応えながら坂道を下った。
イリオネスは、道すがら山行の人員構成について、アヱネアスに伝えた。
『統領、山行の船旅のメンバーですが、私たちのほうが14人です、スダヌス方が2人と考えています。クリテスを同道させます。ギアスたちが11名、統領と私とクリテス、スダヌスと他一人です。停泊地についてからの山行のメンバーですが、これは7名で構成します。統領の身辺警護には、私とギアス他1名が当たります』
『判った。それでいい』
『それから旅程ですが、これについては、あとから詳しく説明いたします』
『判った。宜しく頼む』
浜について渚に立ち、海を見渡した。
『水ぬるむ春か。水が肌になじみやすい』
『そうですね』
二人は、のたりとした春の海に身を浸して風情を感じながら汗を流した。
『統領どうですか、小島に行ってみませんか?』
『おうおう、行こう』
二つ返事である。イリオネスは、用船ニケの担当の者たちに言いつけて小島へと向かった。
この時間の小島は多忙の時間帯である。島に着いた二人は、今日の漁で捕獲した魚を船からおろし、選別作業の場へと足を向けた。
アレテスが陣頭に立って指揮、差配している。アレテスが場の者たちに声をかける。
『おう、今日も期待どうりの漁ができたな』と顔をほこらばせる、場の者たちも笑みをこぼす。
アレテスが場を見ている二人に気づいた。
『おう、アレテス、忙しそうだな』
『あ~っ!統領も一緒に』
『そうだ。今日の漁は、どうであった?』
『ここのところ、漁は上々の日が続いています』
『おう、アレテス!』統領が声をかけた。
『統領!ようこそ』
二人の声がけが同時であった。