日が替わる、日常が始まる、一族総員出動での日常である。アヱネアスもイリオネスも総員が仕事に精を出す風景がたまらなく好きであった。
『イリオネス、今日は会議をすると言っていたな。どこでやるのだ?』
『はい、今日の会議は、重要な案件に関する会議です。統領の宿舎でやろうと考えています』
『おう、いいだろう』
集散所における新艇の価格決めの会議を明日に控えて、アヱネアス以下五人が統領の宿舎の小部屋に顔をそろえた。
パリヌルス、オキテス、オロンテスの三人は、昨夜のうちに会議の事前打ち合わせをしておいた。会議の議題に対して、各自が考えをまとめておいてくれるようにオロンテスは依頼しておいた。
会議の進行はイリオネスが担当してスタートした。
『おう、諸君、毎日ご苦労!昨日だが、オロンテスから会議をもって打ち合わせたいと申し入れがあった』彼は場を見廻した。
『では、会議を開く。明日の事だが、集散所において第1回の新艇の価格決めの打ち合わせ会議が行われる。重要な案件であることは言うまでもない、いいな。当方からの出席は、オキテスとオロンテスである。この件について、我々として統一した考えをまとめて、ここにいる者、全員が共有しておく必要がある。考え方には、当然、軽重が存在する。新艇の価格を決めるにあたって、目標とそれに対応する条件を決めて、これを共有してこの件に当たる。言うなればだが、新艇の価格を決定する思考の原点を探り、条件を設定する。それを共有して、今後において発生する事態に当たるということだ。会議では、これについて話し合う』
イリオネスは一同の目を見つめた。
『オロンテス、これについて、お前が考えたことを話してくれ』
オロンテスは、思いつくままに列挙して書き付けた木版を提示して話し始めた。新艇の価格決め会議に出席する担当者の責務として意見を述べた。そのうえで、我々が共有すべき利益の原点は何であるかを決めたい旨を吐露した。
それを受けて、イリオネスが口を開いた。
『今のオロンテスの言ったことを決定して、新艇を売る!新艇が売れる!その状況状態を想像しイメージする。展開する場面に想起される事態に直面する。この場面では俺はこのようにする。この場合には、このように対処する。その場において、曲げることのない己の心構えを話してほしい。いいな』
ここまで話して、イリオネスは沈思した。息を継ぐ、再び口を開く。
『商談において、この件については、相手の言い分をここまでのめるが、全てをのめない。また、これには承諾するが、これは承諾できない。必ず、交渉の段階で意思決定の分水嶺を行ったり来たりする。その時に我々が共有している利益の原点を思い起こす、どう合致するかを考える。そして、意志を決めて商談の決着を目指す、ということだ。それくらいに大事な決定を促す、意思決定の原点なのだ。一同、真剣に考えて話し合おう、いいな』
『イリオネス、今日は会議をすると言っていたな。どこでやるのだ?』
『はい、今日の会議は、重要な案件に関する会議です。統領の宿舎でやろうと考えています』
『おう、いいだろう』
集散所における新艇の価格決めの会議を明日に控えて、アヱネアス以下五人が統領の宿舎の小部屋に顔をそろえた。
パリヌルス、オキテス、オロンテスの三人は、昨夜のうちに会議の事前打ち合わせをしておいた。会議の議題に対して、各自が考えをまとめておいてくれるようにオロンテスは依頼しておいた。
会議の進行はイリオネスが担当してスタートした。
『おう、諸君、毎日ご苦労!昨日だが、オロンテスから会議をもって打ち合わせたいと申し入れがあった』彼は場を見廻した。
『では、会議を開く。明日の事だが、集散所において第1回の新艇の価格決めの打ち合わせ会議が行われる。重要な案件であることは言うまでもない、いいな。当方からの出席は、オキテスとオロンテスである。この件について、我々として統一した考えをまとめて、ここにいる者、全員が共有しておく必要がある。考え方には、当然、軽重が存在する。新艇の価格を決めるにあたって、目標とそれに対応する条件を決めて、これを共有してこの件に当たる。言うなればだが、新艇の価格を決定する思考の原点を探り、条件を設定する。それを共有して、今後において発生する事態に当たるということだ。会議では、これについて話し合う』
イリオネスは一同の目を見つめた。
『オロンテス、これについて、お前が考えたことを話してくれ』
オロンテスは、思いつくままに列挙して書き付けた木版を提示して話し始めた。新艇の価格決め会議に出席する担当者の責務として意見を述べた。そのうえで、我々が共有すべき利益の原点は何であるかを決めたい旨を吐露した。
それを受けて、イリオネスが口を開いた。
『今のオロンテスの言ったことを決定して、新艇を売る!新艇が売れる!その状況状態を想像しイメージする。展開する場面に想起される事態に直面する。この場面では俺はこのようにする。この場合には、このように対処する。その場において、曲げることのない己の心構えを話してほしい。いいな』
ここまで話して、イリオネスは沈思した。息を継ぐ、再び口を開く。
『商談において、この件については、相手の言い分をここまでのめるが、全てをのめない。また、これには承諾するが、これは承諾できない。必ず、交渉の段階で意思決定の分水嶺を行ったり来たりする。その時に我々が共有している利益の原点を思い起こす、どう合致するかを考える。そして、意志を決めて商談の決着を目指す、ということだ。それくらいに大事な決定を促す、意思決定の原点なのだ。一同、真剣に考えて話し合おう、いいな』