『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  752

2016-04-05 05:21:32 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 ハニタスがオロンテスに声をかけてくる。
 『いやあ~、オロンテス殿、木札のことですが、すごく大量でしたな。びっくりしました、驚きました。今日いただいた分と先日分を合算して、明後日、銀貨をお渡しいたします。それでよろしいですね』
 『結構です。よろしく願います。銀貨の受け取りが、明後日ですね、解りました』
 『トミタス、今日の木札の受領証、オロンテス殿に渡してあるな?』
 『はい、お渡ししてあります』
 木札引き渡しの件は終わっている。その件についてのハニタスのクロージングであった。
 
 オキテスとオロンテスは、価格決めの話し合いの結果を持ってニューキドニアの浜に帰った。
 『おう、オロンテス、パリヌルスが浜にいるではないか。丁度いい具合だ。打ち合わせを終えてから軍団長の宿舎の方へ行こう』
 『判った。そうしよう』
 『おう、パリヌルス、今帰ったぞ。今日は、はなはだ、ご苦労であった。用件を済ませたあと、一行に集散所を見学させたのか。彼ら、喜んだろう』
 『あ~あ、彼らにとって、初めての集散所だもんな、その答えは然りだ』
 『ところでだな、向こう三日間のスケジュールだが、びっしりだ!三日後には、新艇価格決めの最終打ち合わせ、明後日は、木札交換の銀貨の受け取り、これはオロンテスの役務だが。そのようなわけだ。そこで明日は、当方の新艇価格決めを統領以下五人でやらねばならん。お前の意向はどうだ?』
 『いいだろう、その段取りでいい。オロンテスの都合は?』
 『オロンテスは、そのつもりでいる』と言って、二人はオロンテスの方に顔を向けた。目を合わせる、オロンテスはうなずいている。
 『これらのこと、軍団長と話してくる。オロンテス行こう』
 オロンテスがパリヌルスに話しかける。
 『おう、パリヌルス、今日は、ご苦労を掛けた。集散所とはすべてうまくいった。安堵してくれ』
 言い終えたオロンテスは、オキテスとともに踵を返して軍団長の宿舎へと向かった。
 『軍団長!ただいま帰りました』
 『おう、ご苦労!中へ入ってくれ』
 『オロンテス、お前の用件を先に済ませてくれ』
 木札の件、交換銀貨の受け取りが明後日であることを報告して、木札の受領証である木板を渡し、今日の結果報告を終えた。続いてオキテスが価格決めの話し合い結果を報告し、イリオネスと彼ら二人は、明日、当方の価格決めの話し合いを開催を要請した。
 『このこと、パリヌルスも知っていることだな、いいだろう。俺の都合もある。昼めしのちょっと前頃から話し合いをやろう。統領には俺から伝える。明日、会議開催、承知!』
 明日の会議開催を決めた二人は、軍団長の宿舎をあとにした。