『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  756

2016-04-11 05:43:33 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『金勘定に関する我が方の対処方法について、この際、一同に伝えておく。金勘定に対する我が方の姿勢は、その取扱いを正しく認識して対処、実行していく。このたび集散所から受け取るドラクマ銀貨は、一旦、その全額を我が方の手に収納する、そののちに統領の認証を得て支払いとする。オロンテス、解るな。そのように手続して、支払い決済を行う。ガリダ方への決済の件だが、その件を銀貨受け取り時に集散所方に説明して承知してもらうこと。これは我が方の手続き上のこと故に銀貨受け取り時においての差引勘定は行わない。ガリダ方へ支払う、500ドラクマの銀貨は改めて、三日後に持参して集散所方へ支払いする。そのことを集散所方の担当者に話して了解してもらうことだ。オロンテス、そういうことだ』
 『解りました』
 『相手都合も考えられるが、我が方の都合で話をまとめること。このこと、しかと言い渡しておく』
 『了解いたしました』
 イリオネスの考えでは、集散所が我々をどのように見ているかをこのことを通じて考えたい。集散所方が、今の我々をどのように見ているのか、信用してくれているのか、いないのか。イリオネスの本意としては、この件をやり取りと雰囲気をもって知りたい、それが彼の本意であるのだが、彼自身、その場にいないことが念に残ることであった。この件をもっての信用度の状態把握である。
 オロンテスは、イリオネスの意向をくみ取っていた。
 昼が近くなっている、工房の者が彼ら五人の昼めしを整えて届ける、受け取るオロンテス、気づくイリオネス、
 『お~っ!もう、そんな頃合いか。一同どうだ、昼めしにするか?』
 イリオネスは、案件に取り組んでいる場の気合を変えたくはない。場の者たちにもその気がなさそうである。場の空気は、会議をリードしているイリオネスに伝えている。彼は一同と目を合わせて意を通じ合わせる。
 『いま、気合が乗っている。この議案を終えてから昼とする。話し合った案件は、オロンテスへの命令である。本会議の重要案件である新艇販売価格の決定に関する話し合いをする!いいな』
 彼は鋭い眼光を発して、一同と目を合わせた。