『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1201

2018-01-15 08:29:20 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 一行五人は集散所の詰め所の戸口に立つ、彼らはダントス所長とリドラス担当長と目を合わせる。
 イリオネスがダントス所長に声をかける。
 『ダントス所長、本日は大変世話になりました。私らは明朝、帰途に就きます。戦闘艇の価格の件ですが、キドニアの集散所と話し合い、検討いたします。予定といたしましては、8月15日までには決定の上、キドニアの集散所を通じて当マリアの集散所に連絡いたします。価格の決定は早まることがあっても遅れることはありません。何卒よろしく願います。ありがとうございました』
 イリオネスは、リドラス担当長にも挨拶を終える。
 挨拶をエドモン浜頭にかわる。
 『ダントス所長にリドラス担当長、本日はいろいろとやりました。事は必ずいい成果となります。クランドス浜頭らの風情で解ります。私、そして、テムノス浜頭もそのように感じています。テムノス浜頭と私ですがイリオネス殿の船で明朝帰ります。船に関する用件がありましたら、いつものように駅伝で連絡ください。船に関しての用件を引き受けます。今日はありがとうございました』
 『エドモン浜頭、今日は大変に世話をかけました。ありがとうございました。エドモン浜頭、テムノス浜頭、両浜頭の引き立てで船に関する業務を進展させることができます。今後ともよろしく頼みます。ありがとうございました』
 『解りました。力を貸します』
 『テムノス浜頭、ありがとうございました。今後ともよろしく願います』
 『解りました』
 スダヌス浜頭も丁寧に挨拶をする。
 挨拶を終えた五人は集散所の詰め所を辞して出口で別れる。エドモン浜頭にテムノス浜頭が連れだって行く、イリオネスとオキテスは係留岸壁へと向かう。スダヌスはどちらにしようかと迷ったあげくイリオネスらに同行する。
 係留岸壁における試乗サービスは、最終回の試乗に出ようとしている、イリオネスとスダヌスは戦闘艇に乗る、オキテスはヘルメス艇に乗る。
 二艇はそれぞれの航路で沖へ出ていく、タイミングを見計らって、帆走に移る。
 艇上に歓声があがる、艇の壮快な走りに感動している。彼らは、頭からかぶるしぶきに濡れるがままに艇の走りに身をゆだねている。
 艇が帆走を終えて岸壁へと転進する。ギアスとゴッカスは、試乗の終了を艇上の客に伝えて試乗会を終えた。二人は試乗会の終了をイリオネスに報告する。
 『おう、ご苦労であった。何か変わったことでもあったか?』
 『はい、ありました。第一回目に試乗された方の中に船の引き合いをされる方がいました。それについては、集散所の船の取り扱い担当に話をしてほしい旨を伝えました。ヘルメス艇では一人、戦闘艇では二人です』
 『ほう、そうか。それは重畳!いい話だ。何よりうれしい話だ。ご苦労であった』