先行している戦闘艇上のオキテスが太陽を見あげる。昼食の頃合いを計る、漕ぎかたらの体調を察しる、彼は方針を決める。
『おう、ゴッカス、少々早いと思うが昼めしとする。艇を半数漕ぎで進めるのだ。そのようにして昼めしにする。昼食と飲料を一同に渡してくれ。あ~あ、それからだが、艇を後続のヘルメスの横につけてくれ。ギアスにこの指示を伝える』
『了解!戦闘艇をヘルメス艇に横づけろ!』
先行の戦闘艇がヘルメスの横に並ぶ、オキテスが艇上から大声でギアスに呼びかける。
『お~い、ギアス!漕ぎを半数漕ぎにして、昼めしにするのだ!解ったか?』
ギアスから手振りの O Kサインが返ってくる、それにうなずくオキテス、昼食の伝達を終えて二艇の航走体系を元の状態に戻す、二艇の船足が遅速する、航走しながら昼食を洋上で摂る、オキテスは時間的な計画を大きく狂わせることなく航海したい一心の処置をとったのである。
二艇の航走は風に恵まれない航海を続けてレテムノンを目指している。まさに力漕航走である。
マリアの港を出航して、イラクリオン、レテムノンの二港に寄港して、用件を済ませ、今日の終着予定としているスオダの浜まで120キロ余りを航海する。この距離を走破する。日足の長い季節であるものの、日没前の到着はできないと思いながらの航海である。彼らは懸命に漕ぎに徹して波を割り続けていた。
レテムノンの港に着港したのは今様時間にして午後の3時過ぎである。
テムノス浜頭がイリオネスに声をかける。
『おう、イリオネス殿、考えていたより速い到着だ。一同力合わせての力漕でしたな。一同に心から礼を言います。ありがとう』
テムノス浜頭は礼を述べて、話を続ける。
『ところで例の件だが、うちの船も帰ってきている、いいタイミングです。急いで作業にかかります』
『はい、解りました。やりましょう』
イリオネスの指示がギアスにとぶ、ヘルメス艇をテムノス浜頭方の艇に横づける、荷おろし、積載物の積み替え作業を手早く終える。
それらの作業を終えて、ギアスが乗って帰るテムノス方の新艇を点検する。漕ぎかた一同が櫂座に就く、その間にテムノス浜頭とイリオネスが打ち合わせを終える。
『イリオネス殿、休んでくれとも言えない。言えることといえば、あなた方の道中の無事か。安全航海、無事で航海を終えてほしい。その一事だ。航海でのことだが、一同の操船を見てのことだ、漕ぎかたらの操船の練度が極めていい線をいっている。道中の無事を心底から祈る』
『ありがとうございます。礼を言います。7日後には、改造を終えてこちらへ届けます』
『おう、了解!よろしく頼む。ありがとう。待っている』
テムノス浜頭が手を差し出す、イリオネスが握る。
双方が『では!』と短く声を交わし、握手を解く。
イリオネスの一行は、レテムノンの港をあとにした。
『おう、ゴッカス、少々早いと思うが昼めしとする。艇を半数漕ぎで進めるのだ。そのようにして昼めしにする。昼食と飲料を一同に渡してくれ。あ~あ、それからだが、艇を後続のヘルメスの横につけてくれ。ギアスにこの指示を伝える』
『了解!戦闘艇をヘルメス艇に横づけろ!』
先行の戦闘艇がヘルメスの横に並ぶ、オキテスが艇上から大声でギアスに呼びかける。
『お~い、ギアス!漕ぎを半数漕ぎにして、昼めしにするのだ!解ったか?』
ギアスから手振りの O Kサインが返ってくる、それにうなずくオキテス、昼食の伝達を終えて二艇の航走体系を元の状態に戻す、二艇の船足が遅速する、航走しながら昼食を洋上で摂る、オキテスは時間的な計画を大きく狂わせることなく航海したい一心の処置をとったのである。
二艇の航走は風に恵まれない航海を続けてレテムノンを目指している。まさに力漕航走である。
マリアの港を出航して、イラクリオン、レテムノンの二港に寄港して、用件を済ませ、今日の終着予定としているスオダの浜まで120キロ余りを航海する。この距離を走破する。日足の長い季節であるものの、日没前の到着はできないと思いながらの航海である。彼らは懸命に漕ぎに徹して波を割り続けていた。
レテムノンの港に着港したのは今様時間にして午後の3時過ぎである。
テムノス浜頭がイリオネスに声をかける。
『おう、イリオネス殿、考えていたより速い到着だ。一同力合わせての力漕でしたな。一同に心から礼を言います。ありがとう』
テムノス浜頭は礼を述べて、話を続ける。
『ところで例の件だが、うちの船も帰ってきている、いいタイミングです。急いで作業にかかります』
『はい、解りました。やりましょう』
イリオネスの指示がギアスにとぶ、ヘルメス艇をテムノス浜頭方の艇に横づける、荷おろし、積載物の積み替え作業を手早く終える。
それらの作業を終えて、ギアスが乗って帰るテムノス方の新艇を点検する。漕ぎかた一同が櫂座に就く、その間にテムノス浜頭とイリオネスが打ち合わせを終える。
『イリオネス殿、休んでくれとも言えない。言えることといえば、あなた方の道中の無事か。安全航海、無事で航海を終えてほしい。その一事だ。航海でのことだが、一同の操船を見てのことだ、漕ぎかたらの操船の練度が極めていい線をいっている。道中の無事を心底から祈る』
『ありがとうございます。礼を言います。7日後には、改造を終えてこちらへ届けます』
『おう、了解!よろしく頼む。ありがとう。待っている』
テムノス浜頭が手を差し出す、イリオネスが握る。
双方が『では!』と短く声を交わし、握手を解く。
イリオネスの一行は、レテムノンの港をあとにした。