あきオジの風景

写真、そして、俳句(もどき)
毎日更新しています。

追つかけて追ひ付いた風の中  放哉

2009-09-02 06:55:50 | 日記
川越の商家

蔵の豪壮な雰囲気と
商っているもののちぐはぐさが面白い。
京都などと違うところですね。

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追つかけて追ひ付いた風の中  放哉

こんな一瞬を切り取った句にいいものがありますね。
評価は知りませんが、私は好きですね。

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今日の啄木

かなしきは
飽くなき利己の一念を
持てあましたる男にありけり

思い込みの深さ
そして、繊細さが青春なのですね。
この青臭さと、屈折が当時の青春だったのですね。
でも、今の時代となると
すっかり色あせて
「なにこれ?」という感じですね。
それはそれ
時代を象徴しているのですね。

かつて盛岡に住んでいたことがありました。
盛岡は寒いけれど気持ちのよいところでした。
その市街地に啄木の新婚時代に過ごした家がありました。

また、盛岡から離れた場所に「好摩」の駅がありました。
渋民村の最寄駅です。ここから東京へ向かったと思いましたね。
何もない駅で周囲は森そして、その向こうは山でした。
もちろん出かけました。あの雪が残った春の風景は、懐かしいですね。

人はかすかにしか人の生活の匂いが残らない場所が好きなのですね。

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今日の方代さん

地下鉄の口に吸われてゆくかげにわれ踏み入れて消息をたつ

伝統の学問と云うを身につけて生きる時間をちぢめているよ

啄木と並べると青春時代の屈折が見えますね。年をとると「鈍感になる」それって「老人」と同義語ですね。方代さんも亡くなりました。また、新しい作家を探さなければなりませんね。過去の作家は評価も固まり、表現形式も安定しているのでかえって面白くない。だからこそ、新しいものを。俵 万智さんも、このまま作家活動をすれば、新しいスタイルを生みだすでしょう。それが素人の感想なのですね。

奪われ、失われないと現実は誕生しないのです。

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今日の蕪村

朝がおほや一輪深き淵のいろ

解説や感想など必要としない感覚的な句ですね。このような単純明快で感覚的な蕪村の句が好きですね。ちょっと季節外れですがいいですね。