あきオジの風景

写真、そして、俳句(もどき)
毎日更新しています。

とんぼの尾をつまみそこねた   放哉

2009-09-15 17:31:02 | 日記
巾着田の曼殊沙華を撮りに行ってきました。

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「うたをよむ あなたの隣人 山崎方代」(田澤拓也)

今日は公田さんの歌は入選していませんでした。アメリカの刑務所収監中の郷 隼人さんの歌もありませんでした。沼津の森田小夜子さんの歌が入選していました。ところで、「うたをよむ あなたの隣人 山崎方代」こんなタイトルで日曜歌壇(朝日新聞)にコラムが載っていました。ノンフィクション作家が「マクドナルドの無料コーヒー飲みながら方代さんの伝記読み継ぐ」というホームレス歌人の公田耕一さんの投稿歌を見つけて、その伝記を書いたのは私ですよ。ということを書いたものですが、公田さんもずいぶん有名になりましたね。数年前からこっそりファンだったのに、横取りされたよな気分があります。でも、山崎さんでちょっと盛り上がるのもいいかもしれませんね。

新聞紙に腰をおろして空っぽの頭の先を陽に干している

口ひとつきかずにいるといちにちがながいながい煙管のように

わたしの六十年の年月を撫でまわしたが何もなかった

あきらめは天辺の禿のみならず屋台の隅で飲んでいる

人間をかくのごとくかなしくてあとふりむけば物落ちている

これだけの歌が引用されていました。
確かに方代さんの歌は「ゆるい」という表現が当たっているような気もしますが、見当外れのような気もします。

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今日の牧水

一心に釜に炊き入る漁師の児あたりをこちらに曼珠沙華折れし

漁師町は絵にもなるし、歌にもなりますね。色合いもいいし、日曜画家の絵を楽しむような軽やかさもありますね。
曼殊沙花の写真を撮りに出かけました。そんなことでめずらしく、花と写真の組み合わせができました。それだけです。最近のあちこちのブログにアップしてありますがらご覧ください。

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今日の山頭火

月に吠える犬のこえいつまで

日が短くなり、なんとなく不安になる。犬が吠える。その声に敏感になる。そんな気分が感じられる句ですね。でも、山頭火の句には短く省略されたから効果的な句もあれば、歯切れのわすさと居心地の悪い句もあります。この句では「いつまで・・・」が違う感じですね。山頭火は「ほのめかしたり」「余韻を残してはいけない」そう思うのです。

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今日の放哉

つめたく咲き出でし花のその影

よちよりと下りて歩りく児よ大地芽ぐめる

放哉が児を取り上げた句はめずらしいのではないでしょうか。
これまであまり見たことがありません。
なじまないような気配もありし、ミスマッチ!と言いたい。
しどろもどろの放哉さん。
そんな気もしますが
それもそれ
それでいいのだ。