冬深し土蔵の扉半開き あきオジ

塩山の民家

ところどころ
人が住んでいるかどうかわからない家があります。
どきっとするわびしさがあります。

経験したことのない不気味さが
あります。
家は人が暮らしているから家なのですね。

信玄の寺に銀杏が降り続け あきオジ

塩山恵林寺の山門

心頭滅却すれば火自ずから涼し

こんな内容が山門に飾ってあったのですが
負け惜しみの美学なのでしょうね。

にぎり飯つかみて舵とる屋形船 あきオジ

隅田川の観光船が遠くに見えます。

それは
楽しみをなくした老人のようにも見えます。
ありそうでなく
それでいてわびしさだけはいっぱい
そんなものかもしれませんね。

でも、出港する釣り船には活気があります。

傘おきて息災祈る芸妓かな あきオジ

浅草は賑わっていますね。
最近は地方の人と
外国人が溢れています。

そういえば
鎌倉も奇妙な雰囲気が漂っていますね。
浅草と同じですね。

門前町という雰囲気とはこんなものか
それではいけないのか
よく分かりませんが

信仰の場所という意味は
棚上げされていますね。

このアメリカ人
線香の煙を送りこんでいますが
どんなつもりなのでしょうかね。

まあ、それはそれ
楽しめばいいか！

師走風旗をゆらして消えてゆき あきオジ

浅草仲店もすっかり正月の準備です。
そして、一年が過ぎ
成長する人もいれば
衰えていく人もいる。

でも、年寄りであることは人生を楽しむ特権のような気がします。
積極的でないとしても
深い人生を楽しめることができますね。

そんなことを思う毎日です。