5月3日付け議員だよりの記事を書きました。5月3日、憲法記念日が発行日となるため、憲法がテーマ。4月に行われた講演会などをベースにまとめました。
この記事は、最初、ブログで紹介した講演内容を、次に活動日誌の記事用に要約し、次に議員だより用に市政との関連で考察的な内容を含めてまとめたもの。同じテーマを3度活用する、「一粒で3度おいしい」的な内容です。
何度も同じようなものをアップしますが、ご容赦ください。
非核平和都市宣言にふさわしく
戦争の悲惨さと平和の尊さを広げる年に
憲法記念日に考える
フォークソンググループ「雑魚塾」が、ミニコンサートで曲を紹介しました。「憲法ができてから67年間、今度の5月3日で68年間になる戦争をしない日々が、これから100年も200年も続いてほしいという願いをこめた『平和の暦』を歌います」。フォーク歌手・故笠木透さんの曲です。歌われたのは4月19日に開かれた作家・翻訳家の池田香代子さんの講演会オープニングでした。集団的自衛権行使の法整備に安倍政権が突っ走ろうとするこの時期、市内で相次いで開かれた憲法に関する講演会をレポートし、本市の役割を考えてみます。
この4月、憲法に関する講演会は2つ開かれました。
4月11日は、浜通医療生協まちづくり委員会の主催で、本職が弁護士の飯田美弥子さん、高座名・八法亭みややっこさんの憲法噺。堅苦しいイメージの憲法を、落語という笑いに包んで、興味深く、堅苦しくなく語りました。
「歴史に学び、未来を志向する日本国憲法」という噺。みややっこさんは、「日本国憲法の一番大事なところは九条じゃないんです」と意外なことをいい出しました。
「日本国憲法の中心的な理念は第十三条『全て国民は、個人として尊重される』、すなわち『好きなように生きる』ことを国民に保障しているところにあるんです」。自由と民主(国民主権)の保障に加え、平和主義がなければ国民は幸せではないと気づいた。ここが日本国憲法の先駆性です――こう指摘します。
その先駆的な憲法を変えようと安倍首相は改憲に突き進もうとしています。自民党の憲法草案には「公益及び公の秩序」という言葉があり、その範囲内で国民に権利を認め、義務を課すという内容になっています。
「公益及び公の秩序」を「安倍様の好み」と置き換えると分かりやすいと笑いを誘ったみややっこさんは、「海外に輸出をするなら憲法九条の平和主義。いわきからその声を上げていきましょう」と、噺に落ちをつけました。
もう一つが池田さんの「世界がもし100人の村だったら/平和・いのち・暮らし」と題した講演です。勿来九条の会が呼びかけた実行委員会の主催です。用意した草稿の半分しか話せなかった、と反省しきりの池田さんでしたが、ならではのエピソードが満載でした。
先日亡くなられた愛川欣也さんは、「11PM」でも「出没!アド街ック天国」でも出演している時に、いつも日本国憲法の冊子を胸に忍ばせていたと紹介します。
そして、「トラック野郎で共演した菅原文太さんも亡くなる直前まで平和を訴えていました。二人の志を引き継いでいかなければならないと思います」と語った池田さんは、こう話しました。
「対決軸は野党対与党でしょうか。それぞれの政党に、憲法を絶対変えちゃいけないという人もいます。自衛隊の元幕僚長が憲法を変えちゃいけないと言っています」
与党か野党か、保守か革新か、対決軸はそこにはない。戦争をしないと決めた憲法をこれからも続けたいと思っているかいないか、その一点が対決軸で、幅広い共同が可能だ――池田さんはこのことを強く訴えたわけです。
幅広い共同の展望は広がっています。
5月3日の憲法記念日に、いわき九条の会が立正佼成会外務部長の根本昌廣さんを招いて「戦争と平和―宗教人の立場から/集団的自衛権とのかかわりで」という講演会を、市文化センター大ホール(午後1時30分開演)で開きます。憲法と平和の問題では、思想・信条をこえて幅広く力を合わせることができると、講演会開催が教えているように思います。
いわき市議会2月定例会の代表質問で、清水敏男市長は過去の戦争と憲法の認識をこう答えました。
「多くの尊い命を奪った戦争は、戦争の悲惨さ、平和の尊さを教えてくれています。この教訓を忘れることなく、後世に伝えていくことが私たちの責務と認識しています」
「憲法のもとですべての国民が個人として尊重され、自由及び幸福を追求してきた結果として、日本は戦後の復興を成し遂げることができました。憲法は、国民の権利を守るために存在するもの」
共有できる認識です。
安倍首相が、事実上の改憲である集団的自衛権行使に道を開こうとし、明文改憲にも足を踏みだそうとしている中で、こうした歴史と憲法への認識を幅広く市民で共有していくことが大切になっています。
戦後70年を迎える本年度はいわき市にとって、非核平和都市宣言(※1)から30周年の節目の年です。原爆被爆体験者の講話など記念行事も開かれます。一つ一つの取り組みを市民の参加で成功させながら、宣言の趣旨に沿って、戦争の悲惨さと平和の尊さ、平和的に世界に働きかける大切さを広げていくことが求められます。憲法記念日にあたって、あらためてその思いを強くしました。
(※1)
いわき市非核平和都市宣言
青い空 碧い海 緑の大地
そして豊かな明るい暮らしは
わたくしたちいわき市民のみならず
平和を愛するすべての人々の共通の願いである
しかし 地球上では
ますます多くの核兵器が貯えられ
世界の平和に深刻な脅威を与えている
一刻も早く核兵器をなくさなければならない
このかけがえのない美しい地球と
世界で唯一の核被爆国という痛みの中から
世界中に核兵器の廃絶を強く訴える
「核兵器はつまらないからよせ」と
そして平和な社会をはぐくみ築いていくため
いわき市は 永遠に「非核平和都市」であることを
ここに宣言する
非核平和都市宣言の提案理由
議案第62号非核平和都市宣言について申し上げます。
恒久平和は、日本国憲法の理念であり平和を確保することは日本国民がひとしく願うところであります。
特に、我が国は世界唯一の核被爆国でありその惨禍はいまなお生々しく記憶に残っております。
真の恒久平和を実現するには非核三原則を堅持するだけでなく、平和秩序が脅かされるすべての行為を排除する高い理念が求められており、この理念を全世界に普及することが重要なことであります。
今議会に多くの市民の皆様の署名を背景に、いわき市非核平和都市宣言について請願書が提出され、ただいま満場一致をもちまして採択されましたが、市民の平和への意向も大変高まりつつあります。
このような市民意向を十分にそんたくしていわき市は非核三原則が完全に実施され世界の平和が実現されますことを念願し、非核平和都市を宣言しようとするものであります。
この記事は、最初、ブログで紹介した講演内容を、次に活動日誌の記事用に要約し、次に議員だより用に市政との関連で考察的な内容を含めてまとめたもの。同じテーマを3度活用する、「一粒で3度おいしい」的な内容です。
何度も同じようなものをアップしますが、ご容赦ください。
非核平和都市宣言にふさわしく
戦争の悲惨さと平和の尊さを広げる年に
憲法記念日に考える
フォークソンググループ「雑魚塾」が、ミニコンサートで曲を紹介しました。「憲法ができてから67年間、今度の5月3日で68年間になる戦争をしない日々が、これから100年も200年も続いてほしいという願いをこめた『平和の暦』を歌います」。フォーク歌手・故笠木透さんの曲です。歌われたのは4月19日に開かれた作家・翻訳家の池田香代子さんの講演会オープニングでした。集団的自衛権行使の法整備に安倍政権が突っ走ろうとするこの時期、市内で相次いで開かれた憲法に関する講演会をレポートし、本市の役割を考えてみます。
伊藤浩之
この4月、憲法に関する講演会は2つ開かれました。
4月11日は、浜通医療生協まちづくり委員会の主催で、本職が弁護士の飯田美弥子さん、高座名・八法亭みややっこさんの憲法噺。堅苦しいイメージの憲法を、落語という笑いに包んで、興味深く、堅苦しくなく語りました。
「歴史に学び、未来を志向する日本国憲法」という噺。みややっこさんは、「日本国憲法の一番大事なところは九条じゃないんです」と意外なことをいい出しました。
「日本国憲法の中心的な理念は第十三条『全て国民は、個人として尊重される』、すなわち『好きなように生きる』ことを国民に保障しているところにあるんです」。自由と民主(国民主権)の保障に加え、平和主義がなければ国民は幸せではないと気づいた。ここが日本国憲法の先駆性です――こう指摘します。
その先駆的な憲法を変えようと安倍首相は改憲に突き進もうとしています。自民党の憲法草案には「公益及び公の秩序」という言葉があり、その範囲内で国民に権利を認め、義務を課すという内容になっています。
「公益及び公の秩序」を「安倍様の好み」と置き換えると分かりやすいと笑いを誘ったみややっこさんは、「海外に輸出をするなら憲法九条の平和主義。いわきからその声を上げていきましょう」と、噺に落ちをつけました。
もう一つが池田さんの「世界がもし100人の村だったら/平和・いのち・暮らし」と題した講演です。勿来九条の会が呼びかけた実行委員会の主催です。用意した草稿の半分しか話せなかった、と反省しきりの池田さんでしたが、ならではのエピソードが満載でした。
先日亡くなられた愛川欣也さんは、「11PM」でも「出没!アド街ック天国」でも出演している時に、いつも日本国憲法の冊子を胸に忍ばせていたと紹介します。
そして、「トラック野郎で共演した菅原文太さんも亡くなる直前まで平和を訴えていました。二人の志を引き継いでいかなければならないと思います」と語った池田さんは、こう話しました。
「対決軸は野党対与党でしょうか。それぞれの政党に、憲法を絶対変えちゃいけないという人もいます。自衛隊の元幕僚長が憲法を変えちゃいけないと言っています」
与党か野党か、保守か革新か、対決軸はそこにはない。戦争をしないと決めた憲法をこれからも続けたいと思っているかいないか、その一点が対決軸で、幅広い共同が可能だ――池田さんはこのことを強く訴えたわけです。
幅広い共同の展望は広がっています。
5月3日の憲法記念日に、いわき九条の会が立正佼成会外務部長の根本昌廣さんを招いて「戦争と平和―宗教人の立場から/集団的自衛権とのかかわりで」という講演会を、市文化センター大ホール(午後1時30分開演)で開きます。憲法と平和の問題では、思想・信条をこえて幅広く力を合わせることができると、講演会開催が教えているように思います。
いわき市議会2月定例会の代表質問で、清水敏男市長は過去の戦争と憲法の認識をこう答えました。
「多くの尊い命を奪った戦争は、戦争の悲惨さ、平和の尊さを教えてくれています。この教訓を忘れることなく、後世に伝えていくことが私たちの責務と認識しています」
「憲法のもとですべての国民が個人として尊重され、自由及び幸福を追求してきた結果として、日本は戦後の復興を成し遂げることができました。憲法は、国民の権利を守るために存在するもの」
共有できる認識です。
安倍首相が、事実上の改憲である集団的自衛権行使に道を開こうとし、明文改憲にも足を踏みだそうとしている中で、こうした歴史と憲法への認識を幅広く市民で共有していくことが大切になっています。
戦後70年を迎える本年度はいわき市にとって、非核平和都市宣言(※1)から30周年の節目の年です。原爆被爆体験者の講話など記念行事も開かれます。一つ一つの取り組みを市民の参加で成功させながら、宣言の趣旨に沿って、戦争の悲惨さと平和の尊さ、平和的に世界に働きかける大切さを広げていくことが求められます。憲法記念日にあたって、あらためてその思いを強くしました。
(※1)
いわき市非核平和都市宣言
青い空 碧い海 緑の大地
そして豊かな明るい暮らしは
わたくしたちいわき市民のみならず
平和を愛するすべての人々の共通の願いである
しかし 地球上では
ますます多くの核兵器が貯えられ
世界の平和に深刻な脅威を与えている
一刻も早く核兵器をなくさなければならない
このかけがえのない美しい地球と
世界で唯一の核被爆国という痛みの中から
世界中に核兵器の廃絶を強く訴える
「核兵器はつまらないからよせ」と
そして平和な社会をはぐくみ築いていくため
いわき市は 永遠に「非核平和都市」であることを
ここに宣言する
昭和61年3月31日制定
非核平和都市宣言の提案理由
1986(昭和61)年3月定例会
田畑金光市長
田畑金光市長
議案第62号非核平和都市宣言について申し上げます。
恒久平和は、日本国憲法の理念であり平和を確保することは日本国民がひとしく願うところであります。
特に、我が国は世界唯一の核被爆国でありその惨禍はいまなお生々しく記憶に残っております。
真の恒久平和を実現するには非核三原則を堅持するだけでなく、平和秩序が脅かされるすべての行為を排除する高い理念が求められており、この理念を全世界に普及することが重要なことであります。
今議会に多くの市民の皆様の署名を背景に、いわき市非核平和都市宣言について請願書が提出され、ただいま満場一致をもちまして採択されましたが、市民の平和への意向も大変高まりつつあります。
このような市民意向を十分にそんたくしていわき市は非核三原則が完全に実施され世界の平和が実現されますことを念願し、非核平和都市を宣言しようとするものであります。
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