昨日、一般質問を行い、2期目を迎えた清水敏男市長の政治姿勢や公約の問題などを質しました。質問時間は60分です。
この質問のうち磐城平城公園の櫓建設の問題のところの質問をとらえて、4面の記事にしていました。
記事では「市議」という表記で名前は入っていませんが、この質問者は私。見出しに紛糾とあるのは、まあ質問がストップすることもなかったので少し大袈裟な感じもしますが、記事では私がいいたかったことをずばりと書いてくれたという感じです。ただ、あくまで櫓を作るという立場ではないので、念のため。
福島民報もやはり磐城平城公園の櫓に関する質問を取り上げたていたので、今回の質問のメインの部分に感心を持ってくれたということには感謝をしたい。ちなみにサイドの記事にはイノシシ被害に関する質問にもふれてくれていました。
さて、私が議員だより用に書いた原稿は以下の通り。質問をして、次の日までに原稿にすることは正直つらいのですが、様々なご協力をいただいた部分もあり、無事に書き上げられてほっとしています。本当は一面に納めたいのですが、時間の関係もあり、そこまでまとめ上げることはできませんでした。
よろしければご覧ください。
いわき市議会11月定例会の一般質問は6日から9日まで行われ、日本共産党いわき市議団は年間質問時間の残りが90分のため、伊藤浩之、溝口民子両議員が登壇しました。このうち7日の2番手で登壇した伊藤議員は、9月10日投票の市長選挙で2期目の当選をした清水市長の政治姿勢や公約をめぐる発言の問題点を質しました。伊藤議員が質問を紹介します。
私が質問で取り上げたのは、①2期目に向かう市長の政治姿勢、②公約の磐城平城の櫓建設、③「75歳から市民バス利用券実施」報道、④イノシシ被害の対応の4点です。
磐城平城櫓建設は寄付というが・・
この質問の中で、市長が事実上答弁を拒否した場面が2度ありました。平地区に整備を述べた磐城平城の櫓(やぐら)建設にあてる費用の問題と、選挙前後に「いわき経済報」が記載し配布した、75歳以上のバス無料券を「市長が(中略)交付することになった」と書いた文章の確認を求めた場面でした。
櫓の建設は、市長選挙の中で清水市長が③つの夢プロジェクト」の一つとして掲げた「磐城平城の再興」の一環の公約です。
先の2月定例会に議決された本年度予算では、国の補助金を受けて「(仮称)磐城平城・城跡公園」の用地取得費用が議決されています。あくまで公園整備の予算です。その延長線上に、国の補助金の対象とならない櫓や塀の建設を建設しようというのです。
これにかかる予算は、三階櫓が4億円、八棟(やつむね)櫓が2億円と試算されています。
市長はこの費用を「城の再建は、賛同する市民や企業・団体から寄付を募り実現させたい」(福島民報=9月12日)としていました。
これに対し、「一般財源は使わないのか」と質したことに、「寄付を前提に考えていく」、「市民各界各層から意見をたまわりながら進めていく」と、言を左右にしながら明確な答弁をしなかったのです。
市長は、「磐城平城を教育に活用する」ともしていました。どのような活用をするのか質したことには、「遠足や校外学習の場」と都市建設部長が答弁しました。櫓の使用目的によっては建築物の構造が変わる可能性があり、その影響で建設費用が試算より膨らむ可能性もあります。
市長は前日の質問で、選挙中に市民の声を肌で感じたという主旨の発言をしていました。「櫓についてはどんな声があったのか」と質すと、「ぜひやるべきだというような意見、また、議員ご指摘のような意見も承っています」と答えました。
私が指摘したのは、「平の人でさえ、お城が必要だと思っている人はいないのではないか。今はハコモノの時代ではない。人の暮らしにこそ税金を使うべきではないか」という平住民の声です。
私は「市民のみなさんの声に静かに耳を傾け、櫓の再興という公約は撤回をすることが市民の声に応える道」と指摘しました。
オリンピックの観光客を驚かせたい発言は何だったのか・・
櫓の再興ではもう一つ、不正確な情報を市民に発信した問題も指摘しました。
7月に開かれた平地区のまちづくり懇談会で、「オリンピックが近づくと外国人観光客が増えるので、いわき駅のホームから見えた櫓を見て『オーワンダフル』と言わせたい」と、オリンピックまでに建設するかのような発言をしていたのです。
質問では補助事業となる磐城平城の公園部分は2021(平成33)年までに建設するとされたものの、櫓部分は明確な完成時期を示すことはできませんでした。オリンピックまでの建設は絶望的と考えていいでしょう。
「オリンピックまでの建設という発言が、選挙の投票動向に影響を与えたのではないか」という質問に市長は、「例えばの話」「有権者の皆さんがそれぞれに判断していただいた」と言を左右にするばかり、まともに答えることができませんでした。
前日の一般質問で、市長与党会派の議員から、市長の対立陣営が正しい情報を発信しなかったと批判した上、選挙では正しい情報発信をしなければならないという主旨の発言がありました。
ところが、市長自身が正しくない情報を発信していました。「選挙をやっているさなかの正しくない情報の発言で、選挙の投票動向に正しくない情報で影響を与えている。それを市長が率先してやっているということになったらば、これは許されるものではない」と強く注意を喚起しました。
バス無料券は決まっていない
もう一つのバス無料券の問題は、「いわき経済報・臨時特別号」9月1日付平成29年89号が、「75歳から市民バス利用券実施」と見出しを付け、「いわき市の清水敏男市長は早ければ来年度からバスやタクシーの利用券を高齢者向けに交付することになった」(ママ)と掲載された件です。
この文章を読んだ高齢者から、「良かったね」という声が多数聞かれました。
ところが、質問で明らかになったのは、バス利用券を「交付することになった」という実態は全くないということです。
質問では、「実施を決定したのはどの時期か」と問いました。
ところ市長の答弁は、「高齢者の健康長寿をサポートする取組の一例としてお示しさせていただいたものであり、その取材活動の中で、御指摘のような表現につながったものと受け止めております」という答弁で、「決定した時期」すなわり「交付することになった」という事実は全くないことを明らかにしました。
ところが妙なのは次の質問への答弁。「市長としては例示だったのだけれど、報道では決まったかのように報道されたということですね」と確認すると、「私の知るところではありません」と何度聞いても繰り替えすばかりです。
市長が取材に答えた内容と、「経済報」に記載された内容を確認するだけの質問に、重ねて「私には分かりません」と答えるばかりでした。
市長は単に例示しただけという。ところが「経済報」に記載された文章は、「交付することになった」と、すでに決定済みと報道した。この記載が選挙の投票動向に影響を与えたことは間違いありません。しかし、ここでも市長は「新聞の購読者が判断することだと思います」と、まともに答弁しませんでした。
事実誤認の報道撤回求めることも拒否
また、この正確ではない報道の「撤回あるいは訂正を求めるべきではないか」という質問には、「(無料券を)検討しているのは事実」と、明らかに誤った報道を放置する姿勢を示しました。
私は「正しくない情報で有権者に判断を迫るのは、有権者を愚弄するもの。市長はそういう政治姿勢にあると認識させていただく」と、この態度を批判しました。
日本共産党としては、高齢者や交通弱者の交通手段確保は必要で、無料券なども有効だと考えています。そこで、実現に向けた課題をただしました。
保健福祉部長は、「(高齢者の)必要な支援の方策や程度が異なることが課題であり、公共交通機関の利用が困難な中山間地に対する検討をすすめている」としました。
課題を解決して早期に実現することを求めました。
「大人の対応」と議会会派は解釈の違いと
市長の政治姿勢についても2点からただしました。
1期目の初臨時会で「一党一派に偏らず」とした基本姿勢を2期目は単に「公平公正」としたこと。
もう一つは「財界ふくしま」のインタビューで、1期目の一部自民党系会派の対応をとらえて「相手の方を応援した市議のみなさんも大人の対応をしてくれた」「1期4年間も本当に選挙直後を除いて大人の対応していただいた」とした問題です。
1点目について市長は、言葉を違えたことに「特別な理由はございません」と答えましたが、少なくとも、市民から別々に選出される市長と議会が車の両輪として市政を支えていこうというメッセージ性が薄まったことは間違いありません。
もう一つの「大人の対応」は大きな問題です。
「1期4年間も本当に選挙直後を除いて」には、この時期に大人の対応がされなかったという意味が含まれています。
では何が大人の対応でなかったのか。答弁では具体的な事実は示しませんでしたが、選挙直後、自民系会派の志帥会議員や共産党市議団も、市長選の選挙公約を問題視し追及していました。その後、志帥会は議案等には基本的に賛成する対応をとっています。
辞書で「大人」は、「子どもが駄々をこねたりせず、おとなしいさま」などの意味があり、「大人の対応ではない」は、駄々っ子のような対応などと解することができるぶじょく的な表現です。
市長を追及するあるいは提案する議案に反対するのは「大人の対応」ではなく、賛成するのは「大人の対応」だと考えているならば、市民の負託を受けた議員の活動、ひいては支持する市民を侮辱していることになります。
「(議案に)反対する会派は大人の対応ではないのか」の質問に、市長は「二元代表制の市議会の是々非々の立場で、私はそれでいいと思います」としました。
しかし、インタビューでの「大人の対応」という言葉の使用は妥当かの問いには、「解釈の違いがあると思いますので、ご理解いただきたいと思います」とするだけでした。
この質問のうち磐城平城公園の櫓建設の問題のところの質問をとらえて、4面の記事にしていました。
福島民友=2017/11/8
記事では「市議」という表記で名前は入っていませんが、この質問者は私。見出しに紛糾とあるのは、まあ質問がストップすることもなかったので少し大袈裟な感じもしますが、記事では私がいいたかったことをずばりと書いてくれたという感じです。ただ、あくまで櫓を作るという立場ではないので、念のため。
福島民報もやはり磐城平城公園の櫓に関する質問を取り上げたていたので、今回の質問のメインの部分に感心を持ってくれたということには感謝をしたい。ちなみにサイドの記事にはイノシシ被害に関する質問にもふれてくれていました。
福島民報=2017/11/8
さて、私が議員だより用に書いた原稿は以下の通り。質問をして、次の日までに原稿にすることは正直つらいのですが、様々なご協力をいただいた部分もあり、無事に書き上げられてほっとしています。本当は一面に納めたいのですが、時間の関係もあり、そこまでまとめ上げることはできませんでした。
よろしければご覧ください。
磐城平城の櫓は必要か
市長の公約を質しました・11月定例会一般質問
市長の公約を質しました・11月定例会一般質問
いわき市議会11月定例会の一般質問は6日から9日まで行われ、日本共産党いわき市議団は年間質問時間の残りが90分のため、伊藤浩之、溝口民子両議員が登壇しました。このうち7日の2番手で登壇した伊藤議員は、9月10日投票の市長選挙で2期目の当選をした清水市長の政治姿勢や公約をめぐる発言の問題点を質しました。伊藤議員が質問を紹介します。
◇
私が質問で取り上げたのは、①2期目に向かう市長の政治姿勢、②公約の磐城平城の櫓建設、③「75歳から市民バス利用券実施」報道、④イノシシ被害の対応の4点です。
磐城平城櫓建設は寄付というが・・
この質問の中で、市長が事実上答弁を拒否した場面が2度ありました。平地区に整備を述べた磐城平城の櫓(やぐら)建設にあてる費用の問題と、選挙前後に「いわき経済報」が記載し配布した、75歳以上のバス無料券を「市長が(中略)交付することになった」と書いた文章の確認を求めた場面でした。
櫓の建設は、市長選挙の中で清水市長が③つの夢プロジェクト」の一つとして掲げた「磐城平城の再興」の一環の公約です。
先の2月定例会に議決された本年度予算では、国の補助金を受けて「(仮称)磐城平城・城跡公園」の用地取得費用が議決されています。あくまで公園整備の予算です。その延長線上に、国の補助金の対象とならない櫓や塀の建設を建設しようというのです。
これにかかる予算は、三階櫓が4億円、八棟(やつむね)櫓が2億円と試算されています。
市長はこの費用を「城の再建は、賛同する市民や企業・団体から寄付を募り実現させたい」(福島民報=9月12日)としていました。
これに対し、「一般財源は使わないのか」と質したことに、「寄付を前提に考えていく」、「市民各界各層から意見をたまわりながら進めていく」と、言を左右にしながら明確な答弁をしなかったのです。
市長は、「磐城平城を教育に活用する」ともしていました。どのような活用をするのか質したことには、「遠足や校外学習の場」と都市建設部長が答弁しました。櫓の使用目的によっては建築物の構造が変わる可能性があり、その影響で建設費用が試算より膨らむ可能性もあります。
市長は前日の質問で、選挙中に市民の声を肌で感じたという主旨の発言をしていました。「櫓についてはどんな声があったのか」と質すと、「ぜひやるべきだというような意見、また、議員ご指摘のような意見も承っています」と答えました。
私が指摘したのは、「平の人でさえ、お城が必要だと思っている人はいないのではないか。今はハコモノの時代ではない。人の暮らしにこそ税金を使うべきではないか」という平住民の声です。
私は「市民のみなさんの声に静かに耳を傾け、櫓の再興という公約は撤回をすることが市民の声に応える道」と指摘しました。
オリンピックの観光客を驚かせたい発言は何だったのか・・
櫓の再興ではもう一つ、不正確な情報を市民に発信した問題も指摘しました。
7月に開かれた平地区のまちづくり懇談会で、「オリンピックが近づくと外国人観光客が増えるので、いわき駅のホームから見えた櫓を見て『オーワンダフル』と言わせたい」と、オリンピックまでに建設するかのような発言をしていたのです。
質問では補助事業となる磐城平城の公園部分は2021(平成33)年までに建設するとされたものの、櫓部分は明確な完成時期を示すことはできませんでした。オリンピックまでの建設は絶望的と考えていいでしょう。
「オリンピックまでの建設という発言が、選挙の投票動向に影響を与えたのではないか」という質問に市長は、「例えばの話」「有権者の皆さんがそれぞれに判断していただいた」と言を左右にするばかり、まともに答えることができませんでした。
前日の一般質問で、市長与党会派の議員から、市長の対立陣営が正しい情報を発信しなかったと批判した上、選挙では正しい情報発信をしなければならないという主旨の発言がありました。
ところが、市長自身が正しくない情報を発信していました。「選挙をやっているさなかの正しくない情報の発言で、選挙の投票動向に正しくない情報で影響を与えている。それを市長が率先してやっているということになったらば、これは許されるものではない」と強く注意を喚起しました。
バス無料券は決まっていない
もう一つのバス無料券の問題は、「いわき経済報・臨時特別号」9月1日付平成29年89号が、「75歳から市民バス利用券実施」と見出しを付け、「いわき市の清水敏男市長は早ければ来年度からバスやタクシーの利用券を高齢者向けに交付することになった」(ママ)と掲載された件です。
この文章を読んだ高齢者から、「良かったね」という声が多数聞かれました。
ところが、質問で明らかになったのは、バス利用券を「交付することになった」という実態は全くないということです。
質問では、「実施を決定したのはどの時期か」と問いました。
ところ市長の答弁は、「高齢者の健康長寿をサポートする取組の一例としてお示しさせていただいたものであり、その取材活動の中で、御指摘のような表現につながったものと受け止めております」という答弁で、「決定した時期」すなわり「交付することになった」という事実は全くないことを明らかにしました。
ところが妙なのは次の質問への答弁。「市長としては例示だったのだけれど、報道では決まったかのように報道されたということですね」と確認すると、「私の知るところではありません」と何度聞いても繰り替えすばかりです。
市長が取材に答えた内容と、「経済報」に記載された内容を確認するだけの質問に、重ねて「私には分かりません」と答えるばかりでした。
市長は単に例示しただけという。ところが「経済報」に記載された文章は、「交付することになった」と、すでに決定済みと報道した。この記載が選挙の投票動向に影響を与えたことは間違いありません。しかし、ここでも市長は「新聞の購読者が判断することだと思います」と、まともに答弁しませんでした。
事実誤認の報道撤回求めることも拒否
また、この正確ではない報道の「撤回あるいは訂正を求めるべきではないか」という質問には、「(無料券を)検討しているのは事実」と、明らかに誤った報道を放置する姿勢を示しました。
私は「正しくない情報で有権者に判断を迫るのは、有権者を愚弄するもの。市長はそういう政治姿勢にあると認識させていただく」と、この態度を批判しました。
日本共産党としては、高齢者や交通弱者の交通手段確保は必要で、無料券なども有効だと考えています。そこで、実現に向けた課題をただしました。
保健福祉部長は、「(高齢者の)必要な支援の方策や程度が異なることが課題であり、公共交通機関の利用が困難な中山間地に対する検討をすすめている」としました。
課題を解決して早期に実現することを求めました。
「大人の対応」と議会会派は解釈の違いと
市長の政治姿勢についても2点からただしました。
1期目の初臨時会で「一党一派に偏らず」とした基本姿勢を2期目は単に「公平公正」としたこと。
もう一つは「財界ふくしま」のインタビューで、1期目の一部自民党系会派の対応をとらえて「相手の方を応援した市議のみなさんも大人の対応をしてくれた」「1期4年間も本当に選挙直後を除いて大人の対応していただいた」とした問題です。
1点目について市長は、言葉を違えたことに「特別な理由はございません」と答えましたが、少なくとも、市民から別々に選出される市長と議会が車の両輪として市政を支えていこうというメッセージ性が薄まったことは間違いありません。
もう一つの「大人の対応」は大きな問題です。
「1期4年間も本当に選挙直後を除いて」には、この時期に大人の対応がされなかったという意味が含まれています。
では何が大人の対応でなかったのか。答弁では具体的な事実は示しませんでしたが、選挙直後、自民系会派の志帥会議員や共産党市議団も、市長選の選挙公約を問題視し追及していました。その後、志帥会は議案等には基本的に賛成する対応をとっています。
辞書で「大人」は、「子どもが駄々をこねたりせず、おとなしいさま」などの意味があり、「大人の対応ではない」は、駄々っ子のような対応などと解することができるぶじょく的な表現です。
市長を追及するあるいは提案する議案に反対するのは「大人の対応」ではなく、賛成するのは「大人の対応」だと考えているならば、市民の負託を受けた議員の活動、ひいては支持する市民を侮辱していることになります。
「(議案に)反対する会派は大人の対応ではないのか」の質問に、市長は「二元代表制の市議会の是々非々の立場で、私はそれでいいと思います」としました。
しかし、インタビューでの「大人の対応」という言葉の使用は妥当かの問いには、「解釈の違いがあると思いますので、ご理解いただきたいと思います」とするだけでした。
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