いわき市議会9月定例会は、きょうは常任委員会が開かれました。本議会に提出された議案は65件と、それなりの件数はあるものの、20件程度は決算に関するもので、これは決算特別委員会で閉会後に審議することになるため、きょうの常任委員会で審議されるボリュームは思ったほどではありません。審議は午後3時過ぎには終了しました。
市民福祉常任委員会には、個人番号(マイナンバー)カード等の再交付料金を定める条例制定案や子ども元気センター(植田町後宿公園)に関する条例案、一般会計補正予算案などが本会議から付託され審議されました。
このうち個人番号に関する条例案や子ども元気センターに関する条例案は、それぞれ1時間程の時間を費やして審議がすすめられました。
個人番号に関する条例案は、執行部に対する悪用防止などに関する質疑に続き、委員間討議が行われました。
委員間討議とは何だろうと、不思議に思う方がいるかもしれません。
これまでの常任委員会では、執行部に出席を求め、提案内容について質疑を行った後、反対する委員(議員)がいる場合は討論をして採決をするという方法が一般的でした。本来、執行部は参考人としての出席という扱いなのですが、こことの質疑が審議の中心になっているために、議員間の意見を出し合って論点を整理し審議を深め、合わせて議会としての意思形成過程を明確にするために、議会改革の一環としてこの委員間討議が導入されたのです。
委員間討議後に採決が行われ、私と創世会から出ている2人の委員は、この条例案と、やはりもう1件個人番号絡みで提出されている議案の2件に、個人番号制度にはそもそも情報流出などの問題があり認められないことなどから反対しましたが、賛成多数で可決となりました。
子ども元気センターに関しては、条例案や施設の内容などについて執行部への質疑が行われ、内容を把握した上で全会一致で可決となりました。
さて、市議会の一般質問は、昨日で終了していますが、私は9日に一般質問を行いました。
中小企業振興条例、自校式学校給食の共同調理場(給食センター)への統合、火力発電所、の3つをテーマいした質問です。以下が全分ですので、よろしければお付き合いください。
なお冒頭の部分は、9日付のブログと重なっていますが、ご容赦ください。
安保法案・意見が異なろうとも慎重審議をせよ、なら一致できるのでないか
伊 藤
10番、日本共産党いわき市議団の伊藤浩之です。
安保法案の国会での取り扱いがいよいよ大詰めを迎えています。政府・与党は、16日にも参院での採決を考えているようですが、本当にそれで良いのかということが問われていると思います。
マスコミの世論調査では、今国会での採決をすべきでないという回答が7割に迫り、他の調査にはみられない大きな数字ですが、安全保障関連法案を58.0%が「必要」と回答した産経・FNNの世論調査でも、今国会での成立には56.4%が反対という状況です。そこには国民がこの重要な法案の中身を、十分に理解していないことが示されていると思います。
自民党の高村副総裁は、報道によると、かつての周辺事態法やPKO法にしても「国民の理解がしっかり得られてできたことはない」、「いつまでも延ばせばいいという話ではない」と述べ、国民の理解がなくても採決に踏み切る考えを示したとされます。
「政治があって、国民なし」です。政治のあり方がそんなことで良いのか、が問われる発言であります。
私は立法根拠が崩れた法案は廃案にすべきと思いますが、別の意見をお持ちの方もいらっしゃると思います。それでも、重要な法案だけに、国民が法案の内容を理解して判断できるようにするまで、審議を尽くす。それが国会の役割だということでは一致できるのではないでしょうか。
戦争になれば経済がゆがみかねません。かつてアメリカは重い軍事費の負担から国家財政が赤字となり、これに貿易赤字が重なった双子の赤字、さらに家計の赤字も重なった三つ子の赤字で、経済が疲弊し混乱したことがありました。
もしこうしたゆがんだ経済になれば、そのもとで最も苦しめられるのは、国民であり、地方の中小企業であります。鳴り物入りですすめられ陰りが見え始めたアベノミクスも、大手企業には大儲けを、そして地方の中小企業には厳しい経営をもたらしています。
こうした中で本市は中小企業振興条例の本年度中の制定に向けて作業に入ったわけですが、このことについていくつか質問をしていきたいと思います。
中小企業振興条例について
東京都墨田区が1979(昭和54)年に制定したのをかわきりに、中小企業振興例を制定する自治体が急激に増えています。
先だってのお盆に、墨田区の条例制定を求めて運動していた墨田区民主商工会の役員さんに偶然お会いしました。本市の出身者がこんなところでもがんばっていたのかと思うと感慨深いものがありました。全国ではこうした民主商工会や経済同友会のみなさんも熱心に制定を求めて運動していらっしゃるようです。
本市ではどんな経過があったのか議事録で検索してみましたら、古くは1973年、昭和48年に質問で取り上げられていました。今から42年も前のことです。この時、当時の大和田市長は「前向きの姿勢で検討させていただきたい」と答えていました。
それから幾度か議論があって、2011年2月定例会の高橋明子議員の質問への答弁では、市としては中小企業の振興には既存の施策を充実する等の対応をしていきたいとしておりました。42年前には「前向き」だったものが、その後、条例の制定に消極的になっていたのであります。
そして、今年の年頭所感で清水市長は中小企業振興条例の制定に言及され、いわき市中小企業振興懇談会を設置するに至り、8月3日に第1回の懇談会が開催されています。消極姿勢から積極姿勢に大転換したということが言えると思います。
清水市長は、かつての本市の中小企業振興の取り組みに関してどこに問題あるいは弱点があるととらえて中小企業振興条例が必要との認識を持つに至ったのか、おうかがいします。
市 長
本市におきましては、新・市綜合計画基本計画をはじめ、新・市商業まちづくりプランや新・市工業振興ビジョンなどにより、これまで、市独自の融資制度による資金繰りの下支えや各種支援制度を実施するなど、中小企業の振興をはかってきたところであります。
しかしながら、東日本大震災や原子力発電所事故の影響により、中小企業をはじめ、本市は甚大な被害を受けたところであり、震災前にも増して活力ある「明るく元気ないわき市」を作り上げていくためには、本市の事業所数の約99%を占める中小企業が、復興再生し、その力を十分に発揮していただくことが重要であると考えております。
このため、市民のみな様に中小企業が本市において重要な経済的・社会的役割を担っていることについて理解を深めていただくとともに、これまで以上に産学官の緊密な連携のもとに地域が一体となって、本市経済の活性化を図っていくことを目的に、条例を制定することとしたところであります。
伊 藤
ただいまの答弁を聞きまして、そうすると中小企業振興条例を制定するにあたっては、震災、それから原発事故が大きな動機であって、それ以前の中小企業については、それなりに市の施策はがんばってきたんだというふうな認識のもとに今回提案されたんだ、ということなのでしょうか。
市 長
いろいろな考え方があると思いますが、いま議員お質の点について大きな動機だと思います。
伊 藤
私は、地域経済の復興・再生の取り組みというのは、実は、震災前から求められていたという認識が必要だと考えています。
震災前の答弁では、従前の施策の充実で対応していくと考えていたのだけれども、それは、中小企業振興という観点からは不十分だったという反省のもとに、それらの施策を一定の理念のもとに束ねて方向性を打ち出し、そのもとにしっかりした取り組みをすすめていくと前向きに中小企業振興に歩き出していこうというのが、今回の中小企業振興条例制定にあたっての大切な点なのかな、そしてそのことをしっかり市民に対してもアピールしていくことが大切なんではないか、このようなことを考えています。
(2)中小企業振興の課題等について
次に中小企業振興の課題についてうかがいますが、2月定例会では、「条例制定に向け、商工会議所をはじめとした経済関係団体等と意見交換を実施し、懇談会に提出された中小企業振興に当たっての課題等の整理を行っている」としていました。懇談会に提出された資料である本市中小企業振興条例の構成案の前文の項にも同様の表記がありますが、これらの意見交換では、どのような現状が浮かび上がってきたのか、お伺いします。
商工観光部長
意見交換における主な意見につきましては、本市の中小企業は、人口減少などの社会経済情勢の変化への対応や、経営者の高齢化などに直面しているほか、東日本大震災の復旧・復興関連の需要にともない人手不足が深刻化するとともに、資材高騰により経営状況が厳しくなってきているとのことであります。
一方で、復興需要が落ち着きを見せ始めている業種もあり、今後の景気の低迷が懸念されるとの意見も出されております。
また、農産物や水産加工品などの食品関連産業及び宿泊業をはじめとした観光産業においては、原子力発電所事故の影響による風評被害が続いており、売り上げに影響を与えているとのことでございます。
伊 藤
それでは課題はどのようなものでしょうか。
商工観光部長
中小企業を取り巻く現状を踏まえますと、人材の確保や育成、円滑な事業承継、創業に対する支援環境の整備、復興需要後を見据えた新たな産業の集積、さらには、原子力発電所事故にともなう風評の払拭などが主な課題として挙げられます。
伊 藤
条例の制定の前後に域内の全事業所の状況を把握して、企業ごとのいわばカルテを作成し、条例制定後の施策の展開に活かした東京都墨田区の取り組みは知られておありますが、こうした取り組みを本市としてはどのように評価しているでしょうか。
商工観光部長
墨田区においては、昭和54年に全国初となる「墨田区中小企業振興基本条例」を制定しており、その前段として墨田区内製造業の実態を把握するため、聞き取り調査による「中小木製造業基本実態調査」を実施したと聞き及んでおります。
今後の中小企業振興の施策展開にあたり、域内の事業所の状況を把握することは重要であり、墨田区の取り組みは有意義なものと認識しております。
伊 藤
この本市の条例制定にあたっての取り組みでは、各種経済団体等から、それぞれの団体等としての状況を把握して、条例の制定に臨んだということが、今の答弁の中にあると思います。
そして、墨田区の取り組みのひいでている所は、区内の商工業者を個別に訪ね、その実態を把握し、その実態をデータベース化して個々の企業のアドバイスに役立てたり、区の施策の展開に役立てたということがあるようであります。
事前の調査の段階では、そこまで細かい調査はしていないわけでありますが、今後の条例制定の取り組みにおいて、中小企業の状況をしっかり把握することは、さまざまな施策を展開するにあたっての根拠を据える大切な部分になってくると思いますので、本市としても大いに参考にしてとりくんでいただきたいと思います。
(3)中小企業振興条例の内容について
伊 藤
次に条例の内容について伺ってまいります。
懇談会に示した条例の構成についてという資料がございますが、本市のめざす条例の骨格的な部分はだいたい見えてくるように思います。
さて、懇談会に提出された資料の中には、いわき市では小規模企業が全体の66.2%、実に3分の1を占めるという資料が紹介されていますが、これにかかわり、内郷まちづくり懇談会では振興条例の名称等の中小企業に、小規模の事業者を特別に取り出して位置づけることを求める提案がされて、市はそのような位置づけをした自治体の事例があることを紹介しておりましたが、このような全国での自治体の動向について、どのような評価をお持ちでしょうか。
商工観光部長
国におきましては、平成26年6月に制定された小規模企業振興基本法などにより、小規模企業について、事業の持続的な発展をはかるとともに、地域ぐるみで小規模事業者を支援する体制を構築するとしたところであります。
本市におきましても、小規模事業者は、人材や資金といった経営資源に制約があることから、人口減少、高齢化、国内外の競争の激化など、様々な構造変化の影響をより受けやすく、今後、小規模事業者に対する支援が一層重要になると認識しているところであり、これらのことが、近年、条例を制定した他自治体においても、小規模事業者を条例に明記する形として表れてきたものと受け止めております。
伊 藤
同じ構成の責務・役割の項では、中小企業の努力等、市の責務、大企業並びに関係団体・関係機関、市民等の役割を示すと提起されていますが、近年制定されている振興条例では金融機関の役割について条例に規定する事例もあります。本市はこのような動向にどのような評価をお持ちでしょうか。
商工観光部長
中小企業振興において、企業の円滑な資金調達や経営改善の支援を担う金融機関の果たす役割の重要性にかんがみ、本市条例案を検討する「いわき市中小企業振興懇談会」の委員として金融機関にも参加いただき、専門的な知見からご意見をいただいているところであります。
条例に盛り込む内容については、今後、懇談会において具体的に検討することとなりますが、条例に金融機関の役割を明記することは、中小企業に加え、経済関係団体や大学などの関係機関との連携・協力、いわゆる産学官金の推進につながり、中小企業の育成・振興にかかる各種施策がより効果的に推進されるものと考えております。
伊 藤
構成の推進体制等に関する項目では条例制定後の中小企業振興に取り組む考え方を示すことになっております。
例えば千葉県の条例では「中小企業振興施策の公表等」を定め、毎年、中小企業振興の施策の実施状況をまとめて公表することや、関係者の意見聴取とその施策への反映努力などを定めています。本市としてこのような取り組みをどのように評価しているか、うかがいます。
商工観光部長
本市におきましても、条例制定後の実効性を高めるため、条例を推進するための仕組みづくりを条例に明記することが重要であると認識しているところであり、議員おただしの千葉県の事例である「施策の実施状況の公表」や「関係者の意見聴取と施策への反映努力」をはじめ、その他自治体の事例である「官民一体となった推進体制の整備」などは、いずれも重要なものと認識しております。
このようなことから、今後、条例を推進するためのより効果的な仕組みについて、他自治体の事例を参考にしながら、「いわき市中小企業振興懇談会」における意見などを十分踏まえ、検討してまいりたいと考えております。
伊 藤
この中小企業振興条例の意義は、一つには自治体内部に対する中小企業振興の立場の明確化、それから二つ目に、中小企業に対する自治体のスタンスの明示で、自治体の考えと方向性の理解を広げる、そして三つ目は、行政の連続性を担保する――こうした意義があるといわれています。
そして、近年の特徴は、先ほど質問の中で取り上げました、金融機関の役割の位置づけ、小規模企業への配慮に加え、教育活動が位置づけられている事例がある。つまり人材確保が必要だというその位置づけが中小企業振興条例で行われているということも、一つの特徴になっているようであります。
本市が制定しようとする中小企業振興条例が、全国の条例にも学びながら、本市の産業特性を活かして、全国の先進的な経験にも学び、より良い条例となることを願っています。
中小企業振興懇談会の委員のみな様には、今後の本市中小企業の振興をしっかりすすめるそのよりどころとして、地域の実情を踏まえたより良い条例づくりのために、ご苦労をかけることになりますが、より良い検討がすすめられることを期待して、次の質問に移ります。
川部小学校自校式学校給食への対応について
(1)着地点について
伊 藤
次の質問は、川部小学校自校式学校給食への対応であります。
先の6月定例会では、田人学校給食共同調理場と川部小学校の自校式給食の勿来給調への統合について、保護者や地域の意見を踏まえて対応することを求めました。
去る7月9日には川部小学校保護者と教育委員会で意見交換会が行われ、お話を伺わせていただきました。
その場では、15人の程の保護者が発言していましたが、すべての保護者が自校式給食の存続を求め、また、自校式だからこそ体験できる感謝の気持ちの醸成など教育上の利点を説く保護者がおりましたし、自校式給食を子ども達も強く望んでいると紹介する保護者もいました。
意見交換会への出欠確認と合わせて事前に保護者にとったアンケートでは7割の保護者から回答があり、すべてが自校式給食の存続を望む意見だった紹介もされておりました。
さらに、同校の給食室は地域の方々の募金活動によって建設されるなど、地域の歴史と伝統の上にあるものなので、それを尊重してほしいという声もありました。
一方で、市教委はこれまで行財政改革大綱に基づき給調への統合をすすめてきたことを説明していたわけですが、この意見交換の中で気になる点もあったので、その内容についておたずねします。
まず、意見交換会では意見交換をした上で「着地点」を探りたいという趣旨の市教委側からの発言があったわけですが、この「着地点」という言葉には、保護者が望む「自校式の存続」という選択も含まれていると考えてよいのか、お伺いします。
教育部長
川部小学校の自校式給食につきましては、7月9日に開催した保護者との意見交換会におきまして、伊藤議員も最後まで傍聴していただきましたが、給食のおいしさや作り手の顔が見えるという食育の観点から、自校式給食の存続を望むご意見やご要望を、頂戴したところであります。
市教育委員会といたしましては、本市の学校給食のセンター化の方針を踏まえつつ、川部小学校の給食のあり方について協議を重ねているところであり、給食のおいしさや食育の取り組みと言ったご要望にお応えできるよう、できうる限りの対応策を検討してまいりたいと考えております。
伊 藤
そうするとですね、給調への統合というのはあるんだということですよね。あ、いや、給調の統合というのがあって、そこに向かって教育委員会としては進んでいくんだということですね。
教育部長
えーとですね、そういったものも含めまして、協議がスタートしたばかりの、今、現在では、結果的にどういった着地点になるかというのは、判断するのは非常に困難であると思います。本市としては、学校給食のセンター化の方針をあくまでも踏まえながら、給食のおいしさや食育の取組みについて意見交換会で出たご要望に対して、センターでの取り組みや食育の取り組みについて丁寧にご説明しながら双方が納得できる着地点を探っていきたいと思います。
(2)保護者との協議について
伊 藤
市の方針というのは、それはそれで方針はあったわけですけれども、あの保護者のみなさん、少なくとも9日の時点ではみなさん残してほしいというお話でありましたので、そうした保護者の意見を100%活かすという選択肢も、当然意見交換会の中では残しておかなければならない、そうじゃないと意見交換にならないと思いますので、その点十分留意して意見交換をすすめていただきたいと思います。
次に、自校式給食をセンター化するスケジュールは当面、来年の勿来学校給食共同調理場の運用開始時ということになっていると思いますが、保護者や地域関係者の理解を得られない場合は、市としてどのように対応する考えか、お伺いします。
教育部長
市教育委員会といたしましては、保護者や地域のみな様の理解を得るとともに、子ども達の思いを尊重するということが何よりも大切であると考えていますことから、そういったことも念頭におきまして、引き続き協議を重ねながら、きめ細かな対応に努めてまいりたいと考えております。
伊 藤
最低限ですね、来年4月にこだわることなく、しっかりと協議をすすめていくということが大前提にならなければならないと。4月に給調の運用が始まったので、だから統合しますよ、という進め方だけはしないでいただきたい、というふうに思います。
何よりも大切なのは、保護者や子ども達の声を行政に反映して対応して行くことだと思いますので、行政側の都合だけで、この問題の方向性を作っていかないよう、十分に、保護者や地域の声を受け止めることを求めて次の質問に移ります。
石炭火力発電の設置・増設計画への本市の認識について
(1)二酸化炭素排出抑制と火力発電所の設置・増設計画についての本市の基本的考え方について
伊 藤
最後の質問になりますが、石炭火力発電所に関する質問であります。
常磐共同火力や広野火力発電所がそれぞれ1基づつ合計2基で約100万Kwの石炭ガス化複合発電、いわゆるIGCCによる火力発電所の建設を計画していることに加え、好間中核工業団地には株式会社エイブルが11万2,000Kwの火力発電所の建設を計画しております。
本市の地球温暖化対策実行計画・区域施策編では、2006年度から2020年度に産業部門で9.9%、全体で6.1%の温室効果ガス増加の想定をしながら、本市の削減目標を「国の中期削減目標」と同程度にするとされております。
こうした観点から見た時に、これらの増設あるいは新設計画を、本市としてどのように受け止めているのか、お伺いします。
生活環境部長
温室効果ガス排出量の推計上、発電所等のいわゆる「エネルギー転換部門」につきましては、排出量が国全体のエネルギー需給と連動して変動すること及び送配電など地域を横断するネットワークの中で損失・消費が発生することなどから、エネルギー消費を特定の市町村に帰属させることが困難であります。
このため、市町村においては当該部門を除いて現況推計等を行うことが一般的であり、本市におきましても当該部門を除いて削減目標を設定しているところであります。
したがいまして、火力発電所の増設または新設により、本市の削減目標の達成状況に直接的に影響を与えるものではございませんが、石炭火力発電につきましては他の発電方式に比べ、二酸化炭素排出係数が高いことから、特に二酸化炭素排出抑制対策が必要であると考えております。
このころから、本市におきましては、地球環境保全の視点から、環境影響評価の機会をとらえ、二酸化炭素排出量の削減徹底を求めている所でございます。
(2)いわき市好間中核工業団地に計画される火力発電所の環境影響評価準備書に関する本市の意見について
伊 藤
二酸化炭素排出抑制の徹底は大切なことだと思いますが、今回の計画に関して言えば、排出源が増えていくということしかないわけですね。スクラップにする部分がなくて、とにかく排出源が増えていくという計画になっていますので、様々な評価の仕方はあるとは思うんですけれども、そういう排出源が増えていくということに関して、やはり、しっかりした市の抑制と言えば言い過ぎかもしれませんが、考え方をもっていかないと、いわき市では消費するのではない、他のところで消費するものなのでということになてくれば、いくらでもいわき市に排出源ができていくっていうことも想定しうることになるわけですから、そうなれば、何のために地球温暖化に関する計画を立て行くのかが分かんなくなっちゃうということになりますので、そこはしっかりした考え方を持って臨んでいただきたいな、と思います。
好間中核工業団地の火力発電所計画は環境影響評価がすすめられており、県が環境影響評価準備書に対する意見を公表していますが、本市は県の求めに応じて本市としての準備書に関する意見を県に回答しています。この回答内容は、どのようなものでしょうか。
生活環境部長
好間中核工業団地内の火力発電所設置計画にかかる環境影響評価準備書への市の意見につきましては、大気環境、騒音・振動、水環境、温室効果ガス及び廃棄物など環境全般にわたり、主に環境影響を回避し、または低減させるための環境保全措置を講じるように回答したところです。
具体的には、計画されている事業が石炭を燃料とする火力発電所の設置事業であること、また、建設予定地が市街地に近接した工業団地内であることにかんがみ、温室効果ガスや大気環境について特に意を用い、温室効果ガスの削減や排ガス中の有害物質の削減対策などについて市の意見としたところであります。
伊 藤
県が意見書を出しているわけですが、県の意見書を見ると、一般に火力発電所の規模が小さくなることで熱効率が低下し、発電量あたりの二酸化炭素の排出は増加する、また国では小規模発電所の設置を看過すべきでないとする議論もなされ、効率の良い設備を採用していることをもって、二酸化炭素削減に最良の措置をとっているという主張は、市民感覚として認められないことは明らかだ、など、結構厳しい意見を出している状況にあります。
先ほども申しましたけれども、今回のケースはスクラップ&ビルドではなく、排出源が増加していくということになりますので、今後とも温室効果ガス削減の観点から、この問題に対応していただくようお願いして、私の一般質問を終わります。
市民福祉常任委員会には、個人番号(マイナンバー)カード等の再交付料金を定める条例制定案や子ども元気センター(植田町後宿公園)に関する条例案、一般会計補正予算案などが本会議から付託され審議されました。
このうち個人番号に関する条例案や子ども元気センターに関する条例案は、それぞれ1時間程の時間を費やして審議がすすめられました。
個人番号に関する条例案は、執行部に対する悪用防止などに関する質疑に続き、委員間討議が行われました。
委員間討議とは何だろうと、不思議に思う方がいるかもしれません。
これまでの常任委員会では、執行部に出席を求め、提案内容について質疑を行った後、反対する委員(議員)がいる場合は討論をして採決をするという方法が一般的でした。本来、執行部は参考人としての出席という扱いなのですが、こことの質疑が審議の中心になっているために、議員間の意見を出し合って論点を整理し審議を深め、合わせて議会としての意思形成過程を明確にするために、議会改革の一環としてこの委員間討議が導入されたのです。
委員間討議後に採決が行われ、私と創世会から出ている2人の委員は、この条例案と、やはりもう1件個人番号絡みで提出されている議案の2件に、個人番号制度にはそもそも情報流出などの問題があり認められないことなどから反対しましたが、賛成多数で可決となりました。
子ども元気センターに関しては、条例案や施設の内容などについて執行部への質疑が行われ、内容を把握した上で全会一致で可決となりました。
さて、市議会の一般質問は、昨日で終了していますが、私は9日に一般質問を行いました。
中小企業振興条例、自校式学校給食の共同調理場(給食センター)への統合、火力発電所、の3つをテーマいした質問です。以下が全分ですので、よろしければお付き合いください。
なお冒頭の部分は、9日付のブログと重なっていますが、ご容赦ください。
安保法案・意見が異なろうとも慎重審議をせよ、なら一致できるのでないか
伊 藤
10番、日本共産党いわき市議団の伊藤浩之です。
安保法案の国会での取り扱いがいよいよ大詰めを迎えています。政府・与党は、16日にも参院での採決を考えているようですが、本当にそれで良いのかということが問われていると思います。
マスコミの世論調査では、今国会での採決をすべきでないという回答が7割に迫り、他の調査にはみられない大きな数字ですが、安全保障関連法案を58.0%が「必要」と回答した産経・FNNの世論調査でも、今国会での成立には56.4%が反対という状況です。そこには国民がこの重要な法案の中身を、十分に理解していないことが示されていると思います。
自民党の高村副総裁は、報道によると、かつての周辺事態法やPKO法にしても「国民の理解がしっかり得られてできたことはない」、「いつまでも延ばせばいいという話ではない」と述べ、国民の理解がなくても採決に踏み切る考えを示したとされます。
「政治があって、国民なし」です。政治のあり方がそんなことで良いのか、が問われる発言であります。
私は立法根拠が崩れた法案は廃案にすべきと思いますが、別の意見をお持ちの方もいらっしゃると思います。それでも、重要な法案だけに、国民が法案の内容を理解して判断できるようにするまで、審議を尽くす。それが国会の役割だということでは一致できるのではないでしょうか。
戦争になれば経済がゆがみかねません。かつてアメリカは重い軍事費の負担から国家財政が赤字となり、これに貿易赤字が重なった双子の赤字、さらに家計の赤字も重なった三つ子の赤字で、経済が疲弊し混乱したことがありました。
もしこうしたゆがんだ経済になれば、そのもとで最も苦しめられるのは、国民であり、地方の中小企業であります。鳴り物入りですすめられ陰りが見え始めたアベノミクスも、大手企業には大儲けを、そして地方の中小企業には厳しい経営をもたらしています。
こうした中で本市は中小企業振興条例の本年度中の制定に向けて作業に入ったわけですが、このことについていくつか質問をしていきたいと思います。
中小企業振興条例について
(1)条例制定にいたる認識の変化について
東京都墨田区が1979(昭和54)年に制定したのをかわきりに、中小企業振興例を制定する自治体が急激に増えています。
先だってのお盆に、墨田区の条例制定を求めて運動していた墨田区民主商工会の役員さんに偶然お会いしました。本市の出身者がこんなところでもがんばっていたのかと思うと感慨深いものがありました。全国ではこうした民主商工会や経済同友会のみなさんも熱心に制定を求めて運動していらっしゃるようです。
本市ではどんな経過があったのか議事録で検索してみましたら、古くは1973年、昭和48年に質問で取り上げられていました。今から42年も前のことです。この時、当時の大和田市長は「前向きの姿勢で検討させていただきたい」と答えていました。
それから幾度か議論があって、2011年2月定例会の高橋明子議員の質問への答弁では、市としては中小企業の振興には既存の施策を充実する等の対応をしていきたいとしておりました。42年前には「前向き」だったものが、その後、条例の制定に消極的になっていたのであります。
そして、今年の年頭所感で清水市長は中小企業振興条例の制定に言及され、いわき市中小企業振興懇談会を設置するに至り、8月3日に第1回の懇談会が開催されています。消極姿勢から積極姿勢に大転換したということが言えると思います。
清水市長は、かつての本市の中小企業振興の取り組みに関してどこに問題あるいは弱点があるととらえて中小企業振興条例が必要との認識を持つに至ったのか、おうかがいします。
市 長
本市におきましては、新・市綜合計画基本計画をはじめ、新・市商業まちづくりプランや新・市工業振興ビジョンなどにより、これまで、市独自の融資制度による資金繰りの下支えや各種支援制度を実施するなど、中小企業の振興をはかってきたところであります。
しかしながら、東日本大震災や原子力発電所事故の影響により、中小企業をはじめ、本市は甚大な被害を受けたところであり、震災前にも増して活力ある「明るく元気ないわき市」を作り上げていくためには、本市の事業所数の約99%を占める中小企業が、復興再生し、その力を十分に発揮していただくことが重要であると考えております。
このため、市民のみな様に中小企業が本市において重要な経済的・社会的役割を担っていることについて理解を深めていただくとともに、これまで以上に産学官の緊密な連携のもとに地域が一体となって、本市経済の活性化を図っていくことを目的に、条例を制定することとしたところであります。
伊 藤
ただいまの答弁を聞きまして、そうすると中小企業振興条例を制定するにあたっては、震災、それから原発事故が大きな動機であって、それ以前の中小企業については、それなりに市の施策はがんばってきたんだというふうな認識のもとに今回提案されたんだ、ということなのでしょうか。
市 長
いろいろな考え方があると思いますが、いま議員お質の点について大きな動機だと思います。
伊 藤
私は、地域経済の復興・再生の取り組みというのは、実は、震災前から求められていたという認識が必要だと考えています。
震災前の答弁では、従前の施策の充実で対応していくと考えていたのだけれども、それは、中小企業振興という観点からは不十分だったという反省のもとに、それらの施策を一定の理念のもとに束ねて方向性を打ち出し、そのもとにしっかりした取り組みをすすめていくと前向きに中小企業振興に歩き出していこうというのが、今回の中小企業振興条例制定にあたっての大切な点なのかな、そしてそのことをしっかり市民に対してもアピールしていくことが大切なんではないか、このようなことを考えています。
(2)中小企業振興の課題等について
次に中小企業振興の課題についてうかがいますが、2月定例会では、「条例制定に向け、商工会議所をはじめとした経済関係団体等と意見交換を実施し、懇談会に提出された中小企業振興に当たっての課題等の整理を行っている」としていました。懇談会に提出された資料である本市中小企業振興条例の構成案の前文の項にも同様の表記がありますが、これらの意見交換では、どのような現状が浮かび上がってきたのか、お伺いします。
商工観光部長
意見交換における主な意見につきましては、本市の中小企業は、人口減少などの社会経済情勢の変化への対応や、経営者の高齢化などに直面しているほか、東日本大震災の復旧・復興関連の需要にともない人手不足が深刻化するとともに、資材高騰により経営状況が厳しくなってきているとのことであります。
一方で、復興需要が落ち着きを見せ始めている業種もあり、今後の景気の低迷が懸念されるとの意見も出されております。
また、農産物や水産加工品などの食品関連産業及び宿泊業をはじめとした観光産業においては、原子力発電所事故の影響による風評被害が続いており、売り上げに影響を与えているとのことでございます。
伊 藤
それでは課題はどのようなものでしょうか。
商工観光部長
中小企業を取り巻く現状を踏まえますと、人材の確保や育成、円滑な事業承継、創業に対する支援環境の整備、復興需要後を見据えた新たな産業の集積、さらには、原子力発電所事故にともなう風評の払拭などが主な課題として挙げられます。
伊 藤
条例の制定の前後に域内の全事業所の状況を把握して、企業ごとのいわばカルテを作成し、条例制定後の施策の展開に活かした東京都墨田区の取り組みは知られておありますが、こうした取り組みを本市としてはどのように評価しているでしょうか。
商工観光部長
墨田区においては、昭和54年に全国初となる「墨田区中小企業振興基本条例」を制定しており、その前段として墨田区内製造業の実態を把握するため、聞き取り調査による「中小木製造業基本実態調査」を実施したと聞き及んでおります。
今後の中小企業振興の施策展開にあたり、域内の事業所の状況を把握することは重要であり、墨田区の取り組みは有意義なものと認識しております。
伊 藤
この本市の条例制定にあたっての取り組みでは、各種経済団体等から、それぞれの団体等としての状況を把握して、条例の制定に臨んだということが、今の答弁の中にあると思います。
そして、墨田区の取り組みのひいでている所は、区内の商工業者を個別に訪ね、その実態を把握し、その実態をデータベース化して個々の企業のアドバイスに役立てたり、区の施策の展開に役立てたということがあるようであります。
事前の調査の段階では、そこまで細かい調査はしていないわけでありますが、今後の条例制定の取り組みにおいて、中小企業の状況をしっかり把握することは、さまざまな施策を展開するにあたっての根拠を据える大切な部分になってくると思いますので、本市としても大いに参考にしてとりくんでいただきたいと思います。
(3)中小企業振興条例の内容について
伊 藤
次に条例の内容について伺ってまいります。
懇談会に示した条例の構成についてという資料がございますが、本市のめざす条例の骨格的な部分はだいたい見えてくるように思います。
さて、懇談会に提出された資料の中には、いわき市では小規模企業が全体の66.2%、実に3分の1を占めるという資料が紹介されていますが、これにかかわり、内郷まちづくり懇談会では振興条例の名称等の中小企業に、小規模の事業者を特別に取り出して位置づけることを求める提案がされて、市はそのような位置づけをした自治体の事例があることを紹介しておりましたが、このような全国での自治体の動向について、どのような評価をお持ちでしょうか。
商工観光部長
国におきましては、平成26年6月に制定された小規模企業振興基本法などにより、小規模企業について、事業の持続的な発展をはかるとともに、地域ぐるみで小規模事業者を支援する体制を構築するとしたところであります。
本市におきましても、小規模事業者は、人材や資金といった経営資源に制約があることから、人口減少、高齢化、国内外の競争の激化など、様々な構造変化の影響をより受けやすく、今後、小規模事業者に対する支援が一層重要になると認識しているところであり、これらのことが、近年、条例を制定した他自治体においても、小規模事業者を条例に明記する形として表れてきたものと受け止めております。
伊 藤
同じ構成の責務・役割の項では、中小企業の努力等、市の責務、大企業並びに関係団体・関係機関、市民等の役割を示すと提起されていますが、近年制定されている振興条例では金融機関の役割について条例に規定する事例もあります。本市はこのような動向にどのような評価をお持ちでしょうか。
商工観光部長
中小企業振興において、企業の円滑な資金調達や経営改善の支援を担う金融機関の果たす役割の重要性にかんがみ、本市条例案を検討する「いわき市中小企業振興懇談会」の委員として金融機関にも参加いただき、専門的な知見からご意見をいただいているところであります。
条例に盛り込む内容については、今後、懇談会において具体的に検討することとなりますが、条例に金融機関の役割を明記することは、中小企業に加え、経済関係団体や大学などの関係機関との連携・協力、いわゆる産学官金の推進につながり、中小企業の育成・振興にかかる各種施策がより効果的に推進されるものと考えております。
伊 藤
構成の推進体制等に関する項目では条例制定後の中小企業振興に取り組む考え方を示すことになっております。
例えば千葉県の条例では「中小企業振興施策の公表等」を定め、毎年、中小企業振興の施策の実施状況をまとめて公表することや、関係者の意見聴取とその施策への反映努力などを定めています。本市としてこのような取り組みをどのように評価しているか、うかがいます。
商工観光部長
本市におきましても、条例制定後の実効性を高めるため、条例を推進するための仕組みづくりを条例に明記することが重要であると認識しているところであり、議員おただしの千葉県の事例である「施策の実施状況の公表」や「関係者の意見聴取と施策への反映努力」をはじめ、その他自治体の事例である「官民一体となった推進体制の整備」などは、いずれも重要なものと認識しております。
このようなことから、今後、条例を推進するためのより効果的な仕組みについて、他自治体の事例を参考にしながら、「いわき市中小企業振興懇談会」における意見などを十分踏まえ、検討してまいりたいと考えております。
伊 藤
この中小企業振興条例の意義は、一つには自治体内部に対する中小企業振興の立場の明確化、それから二つ目に、中小企業に対する自治体のスタンスの明示で、自治体の考えと方向性の理解を広げる、そして三つ目は、行政の連続性を担保する――こうした意義があるといわれています。
そして、近年の特徴は、先ほど質問の中で取り上げました、金融機関の役割の位置づけ、小規模企業への配慮に加え、教育活動が位置づけられている事例がある。つまり人材確保が必要だというその位置づけが中小企業振興条例で行われているということも、一つの特徴になっているようであります。
本市が制定しようとする中小企業振興条例が、全国の条例にも学びながら、本市の産業特性を活かして、全国の先進的な経験にも学び、より良い条例となることを願っています。
中小企業振興懇談会の委員のみな様には、今後の本市中小企業の振興をしっかりすすめるそのよりどころとして、地域の実情を踏まえたより良い条例づくりのために、ご苦労をかけることになりますが、より良い検討がすすめられることを期待して、次の質問に移ります。
川部小学校自校式学校給食への対応について
(1)着地点について
伊 藤
次の質問は、川部小学校自校式学校給食への対応であります。
先の6月定例会では、田人学校給食共同調理場と川部小学校の自校式給食の勿来給調への統合について、保護者や地域の意見を踏まえて対応することを求めました。
去る7月9日には川部小学校保護者と教育委員会で意見交換会が行われ、お話を伺わせていただきました。
その場では、15人の程の保護者が発言していましたが、すべての保護者が自校式給食の存続を求め、また、自校式だからこそ体験できる感謝の気持ちの醸成など教育上の利点を説く保護者がおりましたし、自校式給食を子ども達も強く望んでいると紹介する保護者もいました。
意見交換会への出欠確認と合わせて事前に保護者にとったアンケートでは7割の保護者から回答があり、すべてが自校式給食の存続を望む意見だった紹介もされておりました。
さらに、同校の給食室は地域の方々の募金活動によって建設されるなど、地域の歴史と伝統の上にあるものなので、それを尊重してほしいという声もありました。
一方で、市教委はこれまで行財政改革大綱に基づき給調への統合をすすめてきたことを説明していたわけですが、この意見交換の中で気になる点もあったので、その内容についておたずねします。
まず、意見交換会では意見交換をした上で「着地点」を探りたいという趣旨の市教委側からの発言があったわけですが、この「着地点」という言葉には、保護者が望む「自校式の存続」という選択も含まれていると考えてよいのか、お伺いします。
教育部長
川部小学校の自校式給食につきましては、7月9日に開催した保護者との意見交換会におきまして、伊藤議員も最後まで傍聴していただきましたが、給食のおいしさや作り手の顔が見えるという食育の観点から、自校式給食の存続を望むご意見やご要望を、頂戴したところであります。
市教育委員会といたしましては、本市の学校給食のセンター化の方針を踏まえつつ、川部小学校の給食のあり方について協議を重ねているところであり、給食のおいしさや食育の取り組みと言ったご要望にお応えできるよう、できうる限りの対応策を検討してまいりたいと考えております。
伊 藤
そうするとですね、給調への統合というのはあるんだということですよね。あ、いや、給調の統合というのがあって、そこに向かって教育委員会としては進んでいくんだということですね。
教育部長
えーとですね、そういったものも含めまして、協議がスタートしたばかりの、今、現在では、結果的にどういった着地点になるかというのは、判断するのは非常に困難であると思います。本市としては、学校給食のセンター化の方針をあくまでも踏まえながら、給食のおいしさや食育の取組みについて意見交換会で出たご要望に対して、センターでの取り組みや食育の取り組みについて丁寧にご説明しながら双方が納得できる着地点を探っていきたいと思います。
(2)保護者との協議について
伊 藤
市の方針というのは、それはそれで方針はあったわけですけれども、あの保護者のみなさん、少なくとも9日の時点ではみなさん残してほしいというお話でありましたので、そうした保護者の意見を100%活かすという選択肢も、当然意見交換会の中では残しておかなければならない、そうじゃないと意見交換にならないと思いますので、その点十分留意して意見交換をすすめていただきたいと思います。
次に、自校式給食をセンター化するスケジュールは当面、来年の勿来学校給食共同調理場の運用開始時ということになっていると思いますが、保護者や地域関係者の理解を得られない場合は、市としてどのように対応する考えか、お伺いします。
教育部長
市教育委員会といたしましては、保護者や地域のみな様の理解を得るとともに、子ども達の思いを尊重するということが何よりも大切であると考えていますことから、そういったことも念頭におきまして、引き続き協議を重ねながら、きめ細かな対応に努めてまいりたいと考えております。
伊 藤
最低限ですね、来年4月にこだわることなく、しっかりと協議をすすめていくということが大前提にならなければならないと。4月に給調の運用が始まったので、だから統合しますよ、という進め方だけはしないでいただきたい、というふうに思います。
何よりも大切なのは、保護者や子ども達の声を行政に反映して対応して行くことだと思いますので、行政側の都合だけで、この問題の方向性を作っていかないよう、十分に、保護者や地域の声を受け止めることを求めて次の質問に移ります。
石炭火力発電の設置・増設計画への本市の認識について
(1)二酸化炭素排出抑制と火力発電所の設置・増設計画についての本市の基本的考え方について
伊 藤
最後の質問になりますが、石炭火力発電所に関する質問であります。
常磐共同火力や広野火力発電所がそれぞれ1基づつ合計2基で約100万Kwの石炭ガス化複合発電、いわゆるIGCCによる火力発電所の建設を計画していることに加え、好間中核工業団地には株式会社エイブルが11万2,000Kwの火力発電所の建設を計画しております。
本市の地球温暖化対策実行計画・区域施策編では、2006年度から2020年度に産業部門で9.9%、全体で6.1%の温室効果ガス増加の想定をしながら、本市の削減目標を「国の中期削減目標」と同程度にするとされております。
こうした観点から見た時に、これらの増設あるいは新設計画を、本市としてどのように受け止めているのか、お伺いします。
生活環境部長
温室効果ガス排出量の推計上、発電所等のいわゆる「エネルギー転換部門」につきましては、排出量が国全体のエネルギー需給と連動して変動すること及び送配電など地域を横断するネットワークの中で損失・消費が発生することなどから、エネルギー消費を特定の市町村に帰属させることが困難であります。
このため、市町村においては当該部門を除いて現況推計等を行うことが一般的であり、本市におきましても当該部門を除いて削減目標を設定しているところであります。
したがいまして、火力発電所の増設または新設により、本市の削減目標の達成状況に直接的に影響を与えるものではございませんが、石炭火力発電につきましては他の発電方式に比べ、二酸化炭素排出係数が高いことから、特に二酸化炭素排出抑制対策が必要であると考えております。
このころから、本市におきましては、地球環境保全の視点から、環境影響評価の機会をとらえ、二酸化炭素排出量の削減徹底を求めている所でございます。
(2)いわき市好間中核工業団地に計画される火力発電所の環境影響評価準備書に関する本市の意見について
伊 藤
二酸化炭素排出抑制の徹底は大切なことだと思いますが、今回の計画に関して言えば、排出源が増えていくということしかないわけですね。スクラップにする部分がなくて、とにかく排出源が増えていくという計画になっていますので、様々な評価の仕方はあるとは思うんですけれども、そういう排出源が増えていくということに関して、やはり、しっかりした市の抑制と言えば言い過ぎかもしれませんが、考え方をもっていかないと、いわき市では消費するのではない、他のところで消費するものなのでということになてくれば、いくらでもいわき市に排出源ができていくっていうことも想定しうることになるわけですから、そうなれば、何のために地球温暖化に関する計画を立て行くのかが分かんなくなっちゃうということになりますので、そこはしっかりした考え方を持って臨んでいただきたいな、と思います。
好間中核工業団地の火力発電所計画は環境影響評価がすすめられており、県が環境影響評価準備書に対する意見を公表していますが、本市は県の求めに応じて本市としての準備書に関する意見を県に回答しています。この回答内容は、どのようなものでしょうか。
生活環境部長
好間中核工業団地内の火力発電所設置計画にかかる環境影響評価準備書への市の意見につきましては、大気環境、騒音・振動、水環境、温室効果ガス及び廃棄物など環境全般にわたり、主に環境影響を回避し、または低減させるための環境保全措置を講じるように回答したところです。
具体的には、計画されている事業が石炭を燃料とする火力発電所の設置事業であること、また、建設予定地が市街地に近接した工業団地内であることにかんがみ、温室効果ガスや大気環境について特に意を用い、温室効果ガスの削減や排ガス中の有害物質の削減対策などについて市の意見としたところであります。
伊 藤
県が意見書を出しているわけですが、県の意見書を見ると、一般に火力発電所の規模が小さくなることで熱効率が低下し、発電量あたりの二酸化炭素の排出は増加する、また国では小規模発電所の設置を看過すべきでないとする議論もなされ、効率の良い設備を採用していることをもって、二酸化炭素削減に最良の措置をとっているという主張は、市民感覚として認められないことは明らかだ、など、結構厳しい意見を出している状況にあります。
先ほども申しましたけれども、今回のケースはスクラップ&ビルドではなく、排出源が増加していくということになりますので、今後とも温室効果ガス削減の観点から、この問題に対応していただくようお願いして、私の一般質問を終わります。
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