メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

バルセロナ ヨーロッパ・チャンピオン

2009-05-28 16:54:29 | サッカー
ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグ 決勝 (2009年5月27日(水)、ローマ)
FCバルセロナが2-0でマンチェスター・ユナイテッドを降した。
 
前半10分、イニエスタから出たボールをエトーが切れ込みゴール、後半には、一度跳ね返されたあとによく似た形で再度攻め上がり、メッシにシャビが絶妙のタイミングでクロスを入れ、それを背の低いメッシが懸命というか献身的というか、体を斜めにして飛びつき追加点。
  
TVの解説で再三強調されたように、イニエスタ、シャビ、メッシ、この3人を中心にしたパス回し、特に相手が一番もらいたい位置(数センチ以内?)、パスをもらって次に何をするかそれをすでに決めている最適なトラップ、これらは基本と言えば基本だけれど、これだけ続けてミスなくやられると、相手はどうしようもなくなる、そういうことがこんなによくわかるゲームはないだろう。
  
それにしてもマンUはこういうタイプを経験していないのだろうか。最初の数分、クリスチャーノ・ロナウドが何本かいいシュートを打ったのがむしろ裏目になったこともあるだろう。そのあと力が入りすぎていたし、ルーニーが活きる場面もほとんどなかった。
 
イニエスタとシャビ、スペインといってもハプスブルグにもつながるスペインというより、似てはいないがそれぞれイベリア半島オリジナル、という風貌がいい。
 
そしてエトー(カメルーン)、ゴール近くに向かうボールにピンポイントで飛んでいく姿は世界一早く美しく、まるでピューマのよう。

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マンチェスター・ユナイテッド 欧州チャンピオンズリーグ優勝

2008-05-23 17:40:36 | サッカー

5月21日のモスクワ、欧州チャンピオンズリーグ(CL)の決勝が行われ、マンチェスター・ユナイテッド(マンU)が1-1、延長(0-0)の後PK戦(6-5)でチェルシーに勝った。
イングランドプレミアリーグ同士の決勝は初めてだそうだ。チェルシーは試合に勝って勝負に負け、初のタイトルを逃した。
 
毎年そんなにまめに見ているわけではないが、NHK-BSのプレミア、フジTVのチャンピオンズリーグなどで見ていて、今シーズンとにかく絶好調のクリスチャーノ・ロナウド(ポルトガル)中心の番組編成であることはわかり、その彼が属するマンUがプレミアリーグも制し、そしてCLも勝ち上がってきたから、注目してみることが出来たし、楽しかったともいえる。
 
決勝は準決勝までのホームアンドアウェーとちがって、関係ない都市での一発勝負だから、引き分けはなく、PK戦まで続く。したがってサッカーとしてはかなりちがったものとなってしまう。ゲーム自体としては準々決勝、準決勝あたりの方が面白い。
 
このゲームも、一発勝負というところから、それまでよりは先取点を取ろうという意識は強かったようだ。それでも、ロナウドのヘディング、エッシェンの見事なアタック、シュートのこぼれ球をランパードが決めた得点は、かなり偶然が支配したというべきだろう。
それでも1-1というのは、サッカーというものは結果の数字をみれば一応納得できるという不思議なものである。
 
しかし、後半の後半あたりになってくると、点が入れば全てがサドゥンデスといった感じになるから、攻めすぎずカウンターでという意識が相互に働く。交代も延長を考えれば誰がへたばり怪我をするかわからないということがあるから、早くからはしない。もう延長だな、と感じるとその通りになってしまう。
 
そしてこの延長もサドゥンデス方式ではないから、前半はそこそこ攻める。けれどもどうもやはり疲労は隠せない。そして後半も残り少なくなれば、交代もPK戦も考えてということになって、残念ながら予想どおり終わってしまった。監督としても、もうPK戦なら勝てばもうけもの、負けても公式には引き分け、結果はじゃんけんといの言い訳も立つ。
 
それにしても、W杯やオリンピックでは、スター、キャプテンがはずすものである。ロナウドが蹴るときもいやな予感がし、的中。が、このまま終わらないような気がし、そのとおりテリーが滑ってはずした。
 
マンUのプレミア優勝では、最後の方でベテランのギグスが活躍、今回の決勝でも途中出場で、かのボビー・チャールトンが持つマンUでの出場記録を破ったそうだ。ボビー・チャールトンというのは懐かしい名前で、ニュースなどで初めてリアルタイムで意識したW杯、その1966年イギリス大会で、彼がたしかキャプテンを務めたイングランドが優勝したのを憶えている。相手はベッケンバウアーの西ドイツ。FWより少し後ろだったように思う。
 
ところでこの日のマンU登録メンバーで不思議だったのは、控えも含め朴智星(パク・チソン)の名前がなかったことである。どうも怪我ではないようだ。タフな朴の攻守にわたる献身がなければ、プレミア優勝も、CL決勝進出もあやうかったかも知れない。
「人種差別?」とも思ったし、そういう報道、意見はその後随分出たようだ。もうこの試合が最後だから、テベス、ルーニー、ロナウドを最初から存分に使い、そして右サイドにハーグリーブスという考え方からすれば先発はない。が、延長もある試合であれば、朴を控えに置かなかったのは理解できない。

この2000年以降、東アジア出身で世界に通用するのは朴と李天秀(イ・チョンス)くらい、辛うじてフリーキックの中村俊輔、と思っていたが、今シーズン朴が一つ抜けたようだ。京都サンガにいた頃は3人の中では一番地味だったけれど。


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ドゥンガ

2006-07-25 21:31:24 | サッカー
ドゥンガ(42歳)がブラジル代表チームの監督になった。
1990年、1994年、1998年と3度W杯に出場し、後の2回はキャプテン、1994年は優勝、1998年は準優勝している。
 
ジュビロ磐田のファンだから、1995年~1998年彼がジュビロにいたときのプレーはよく記憶しており、いつかジュビロか日本代表の監督に来てくれればいいと思っていたが、後者についてはジーコの直後にまたブラジルのしかも監督経験ない人ということにはならないとは予想できた。
しかしいきなりブラジル代表とは。ブラジルもこのままではいけない、少なくともムードを変えないとということだろう。第一戦は8月16日オスロでの対ノルウェーとか。
因みに、ノルウェーは一度もブラジルに負けたことがない国である。
 
彼は闘将といわれているけれども、指導には長けているだろう。
日本サッカー界で名ボランチとよばれる選手はそういないが、その中に確実に入る名波、福西をそうあらしめたのには、ドゥンガの力が大きい。試合中によく怒られていた。
 
そして闘志を表にあらわす一方で、無駄な力を使わない高度な読みによる確かなポジションニング能力があり、ずるさという意味もあわせたクレバネスを持ったプレーヤーであった。
 
監督は結果がすべてであるから、今後どうなるかは予想できないが、楽しみではある。
 
本名はカルロス・カエタノ・ブレトルン・ベリ。
ドゥンガは愛称で「白雪姫」に出てくる七人の小人たちの一番年下に似ているということからついたそうである。

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イタリア勝利、ジダンは何故

2006-07-10 21:59:04 | サッカー

W杯2006ドイツの決勝はイタリアがフランスに勝った。
前半7分マルーダをマテラッティが倒したと判定されたPKをジダンが決める。これが早い時間帯であったのが幸いしたのかイタリアはあわてず19分右CK、ピルロのキックからそのマテラッティがヘッドであわせゴール。
 
同点になってからは前半イタリア、後半フランスが攻勢となったものの、決勝によくあるような守りあいになってしまい、延長となった。延長半ばにセンタリングをジダンが見事にヘッドであわせたが、今大会こういうのをことごとくとめているブッフォンの壁を破ることは出来なかった。
そしてジダンの一発レッドカード退場、PK戦となったが2人目のトレゼゲが上のバーにあててしまい、5-3でイタリアの勝利となった。
 
準決勝ほど面白い内容ではなかったし、PK戦の結果である。しかし、全体的に見てやはりイタリアは最も優勝に値するチームだろう。
まず本質とは関係ないが23人全員が国内リーグ所属、そして交代GK要員以外全員が出場、そのほぼ半数が得点している。そしてモチベーション、それがリーグ不祥事の危機に起因する、言い方を変えればこのあとしばらくいいことはないという状況、これが効きチームが気持ちよくまとまっていた。
 
そして、世界一のDFカンナバーロ、世界一のGKブッフォン、この二人は、なんというプレーだったのだろう。
カンナバーロの場合、これまでよくあった何かの時には攻めあがるリベロというタイプでなくてストッパーである。しかし見ているうち、相手がペナルティエリア近くに入ってくると何時どうやってカンナバーロが止めるかクリアーするか見るのが楽しみになってきた。

自分が受け持つときばかりでなく、もう一人が受け持っているときでも抜かれそうになりそのあと危なくなりそうな一瞬、自分のマークする相手を捨ててサポートに入る、これが早すぎても遅すぎてもピンチになる、そして決断したときの迷わない勢い、惚れ惚れする。

それにしてもマテラッティが何を言ったのかはわからにが、何故ジダンは退場となる頭突きをしてしまったのだろうか。
もちろんことの是非はジャーナリズムで一般に言われているとおりであり、現役最後の試合をこのような形でおわってしまったのは、試合の結果とのかかわりは別として残念である。

記録によればジダンにはこういう反則、退場は多いようである。
ジダンのあのようなプレーの裏には何か激しいそして暗いものがあるのだろうか。それが何かはわからないが何かがあることは理解出来る。そして現役最後の試合だという意識がそのとき消えているということも。 だからジダンはジダンなのだろうか。
 
ジダンが頭突きをしたとき主審は見ていなかった。それを騒ぎ立てたのもブッフォンなら、退場のとき慰めていたのもブッフォンであった。なにかいい子ぶりっ子みたいな感じもしたのだが、しかし考え方がかわったのはPK戦で相手トレゼゲが上のバーに当てた時、喜ばず複雑な顔をしていた時であった。普通ガッツポーズなどするところである。トレゼゲが現在ユベントスでチームメイトということはあるかもしれないが、枠の中に来たのを自分がクリアーしたのでないということであれば相手を慮るということなのだろう。

この大会で私が選んだMVPはカンナバーロ。

最後に、イタリアのカモラネージは変なちょんまげスタイルであったが、優勝騒ぎの渦の中で何をされているのかと思ったら髷を切られていた。約束だったのか。


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W杯2006ドイツ・準決勝(2)

2006-07-06 21:49:10 | サッカー
フランス対ポルトガル 1-0
アンリが取ったPKをジダンが決めた。
両方のいいところを消しあう戦いで、どちらにも決定的なチャンスはいくつかあり、勝つチャンスはあった。
ただやはり後から考えればトップに位置するFWのレベルの違いだろうか。不運にも今のパウレタしかしないポルトガルとアンリがいるフランス。
 
とにかくこれではデコなかなか機能しない。しかもマケレレのマンマークである。もっともジダンもブラジル戦ほどではなかった。
クリスチャーノ・ロナウド、やはり真ん中にポジションを代えられてからはいまひとつフィットしていなかったが、あの無回転、落ちてくるフリーキック! あんなものも打てるんだ。これをバルデスがはじいたところ決められなかったフィーゴに悔いは残るだろう。
 
ロスタイム、GKリカルドまであがるパワープレー、W杯ではあまり見ないが、意気は示した。リカルドは普通のキックもうまい。
 
これで決勝はイタリア対フランス、PK戦なし同士になったのはすっきりしている。
FWのオプション、GK、日程などから一応イタリア有利と予想されるが、ジダンのラストダンスはどうか。
あとどうでもいいけれど、3位決定戦では、特にドイツではポルトガルにブーイングが多いだろう。ルーニーの件でイギリスなどから嫌われその結果ドイツのブーイングも多いクリスチャーノ・ロナウド、大変になる要素はある。フィーゴはおそらく最後だろう。

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