チェーホフ: かわいい女・犬を連れた奥さん
小笠原豊樹 訳 新潮文庫
このところチェーホフを集中的に読んでいて、多くは再読なのだが、ここらで代表作をというわけになった。七篇入っていていずれも晩年の作であるようで、「中二階のある家」も入っている。
どれも男と女の、なかなか思うようにいかない成り行きなのだが、死という不幸はあるにしても決定的に自滅してしまうところはない。
これは「反抗」という観点からシェストフやカミュとともに論じられるところかと思う。
「犬を連れた奥さん」はなんとも怖い話だと今回読んでおもったが。
「谷間」はかなり社会の底辺を描き、「いいなずけ」は典型的な二つのタイプの男性のあいだでどうにかなりそうなのだが、そこをドラマとして無理しないところである意味優れた作品になっている。
このなかでは「中二階のある家」がいい。主人公の画家を姉妹一家とのかかかわり、姉は辟易すてしまうの啓蒙主義者で、妹は極端なところはなく性格はよさそうだがまだ幼い。彼女を忘れられない、しかしどうにも出来なかった、よくあることだが。
中二階という表現が彼女の、彼女に対する想いの象徴なのだろうか。
訳は小笠原豊樹、なかなかいいと思ったらこの人岩田宏の名前で私はあまり読んだ記憶はないが有名な現代詩人でもあった。
小笠原豊樹 訳 新潮文庫
このところチェーホフを集中的に読んでいて、多くは再読なのだが、ここらで代表作をというわけになった。七篇入っていていずれも晩年の作であるようで、「中二階のある家」も入っている。
どれも男と女の、なかなか思うようにいかない成り行きなのだが、死という不幸はあるにしても決定的に自滅してしまうところはない。
これは「反抗」という観点からシェストフやカミュとともに論じられるところかと思う。
「犬を連れた奥さん」はなんとも怖い話だと今回読んでおもったが。
「谷間」はかなり社会の底辺を描き、「いいなずけ」は典型的な二つのタイプの男性のあいだでどうにかなりそうなのだが、そこをドラマとして無理しないところである意味優れた作品になっている。
このなかでは「中二階のある家」がいい。主人公の画家を姉妹一家とのかかかわり、姉は辟易すてしまうの啓蒙主義者で、妹は極端なところはなく性格はよさそうだがまだ幼い。彼女を忘れられない、しかしどうにも出来なかった、よくあることだが。
中二階という表現が彼女の、彼女に対する想いの象徴なのだろうか。
訳は小笠原豊樹、なかなかいいと思ったらこの人岩田宏の名前で私はあまり読んだ記憶はないが有名な現代詩人でもあった。