ヘンリー・ジェイムズ : ねじの回転 (The Turn Of The Screw)
小川高義 訳 新潮文庫
この作品については若いころその映画化「回転」が話題になり、TVで見たかどうかおぼつかないないが、幽霊、ホラーという感じで評判になっていたと思う。今調べてみたら主役の教師はデボラ・カー。
さて、先般やはりジエイムズ作の「デイジー・ミラー」で語りのうまさを知り、それではということになった。
話はある集まりでダグラスという男が子供の時に世話になった10歳年上の女性家庭教師が書いた手記の存在を話し、それが届いたら知らせるというところから始まる。
それからはその女性の視点、語りで、彼女が裕福な男から田舎に住んでいる甥と姪を見ることを頼まれる。赴任してから不思議なことがおこり、どうも以前この屋敷にいた男(使用人?)と女(前任家庭教師)の幽霊が出る、教師には見える、ということで、二人の子供たちも純真なようで手ごわく、次第に変なかたち、どういう形かわからないが破局を連想させる。
ここにもう一人か家政婦が登場人物としているが、教師とのやりとりが物語の進行に、読み手にとって、いろんな憶測を与える結果になっている。
教師の視点からの語りだから幽霊はあくまで彼女に見えている、見えていると思ってい、そのどちらかと言えなくもない。そうなると読者にとって彼女はそんな人なのということにもなるし、本当にいたと作者がしたいのならそれはホラー小説にもなる。このあたりは読み手に任せられているようで。
私は視点とこの小説の構造からして女性教師の頭の中の話、彼女のこういう話にしたいという意図だと考える。そういう最後までの書き方のうまさはさすがで飽きさせない。
訳は「デイジー・ミラー」同様、無理ない流れで進んでいく。
訳者が解説でscrewにはいろんな意味があり辞書で見てみることを薦めているので引いてみると、ひねり、ねじりから、値切り屋、きずもの、強制からなんと学生をいじめる教師、難問、まであり、ジェイムズはそれもあってこのタイトルにしたのだろう。
小川高義 訳 新潮文庫
この作品については若いころその映画化「回転」が話題になり、TVで見たかどうかおぼつかないないが、幽霊、ホラーという感じで評判になっていたと思う。今調べてみたら主役の教師はデボラ・カー。
さて、先般やはりジエイムズ作の「デイジー・ミラー」で語りのうまさを知り、それではということになった。
話はある集まりでダグラスという男が子供の時に世話になった10歳年上の女性家庭教師が書いた手記の存在を話し、それが届いたら知らせるというところから始まる。
それからはその女性の視点、語りで、彼女が裕福な男から田舎に住んでいる甥と姪を見ることを頼まれる。赴任してから不思議なことがおこり、どうも以前この屋敷にいた男(使用人?)と女(前任家庭教師)の幽霊が出る、教師には見える、ということで、二人の子供たちも純真なようで手ごわく、次第に変なかたち、どういう形かわからないが破局を連想させる。
ここにもう一人か家政婦が登場人物としているが、教師とのやりとりが物語の進行に、読み手にとって、いろんな憶測を与える結果になっている。
教師の視点からの語りだから幽霊はあくまで彼女に見えている、見えていると思ってい、そのどちらかと言えなくもない。そうなると読者にとって彼女はそんな人なのということにもなるし、本当にいたと作者がしたいのならそれはホラー小説にもなる。このあたりは読み手に任せられているようで。
私は視点とこの小説の構造からして女性教師の頭の中の話、彼女のこういう話にしたいという意図だと考える。そういう最後までの書き方のうまさはさすがで飽きさせない。
訳は「デイジー・ミラー」同様、無理ない流れで進んでいく。
訳者が解説でscrewにはいろんな意味があり辞書で見てみることを薦めているので引いてみると、ひねり、ねじりから、値切り屋、きずもの、強制からなんと学生をいじめる教師、難問、まであり、ジェイムズはそれもあってこのタイトルにしたのだろう。