NHK BSP のドキュメンタリー番組(90分) 2022年6月10日
よくもこれだけ大竹に密着してあの破天荒な創作を記録してくれたものだ。BUGとは虫だが、~狂という意味もあるらしいし、プログラムの虫にかけてもいるらしい。
さて私にとって大竹伸朗(1955-)は2006年末に評判になった回顧展(東京都現代美術館)ではじめて知った。現代アートといっても、見てあるいは頭の中にイメージしてそれを表出するというのではなく、そうかといってアクションペインティングともちがう。何か得体のしれないといっても目についた、面白そうだと思ったモノを並べたり張りつけたり、それにさまざまな塗料、液体をぶつけたり、そしてやりながらそのプロセス、結果(?)を見ていく(?)とでもいうもの。展示会場で本人はちょうどその時ギターを弾いていた。
珍しいし、ショックもうけたが、ショップに図録はなく、たしかそれにかわるスクラップを反映したなにかが少しあとに出てくるので予約(?)があったかなかったか、とにかくそのままになってしまった。少し後にこの人のエッセイ集「ネオンと絵具箱」が出て、どんな人か多少わかってきたが。
さて、今回はこれまでの経過、関係者によるコメント、評価の中で、今秋の展覧会の中心になる大きな絵(?)の製作過程を当人のつぶやき、解説を交えながら記録していったものである。歳を経たからか、本人の少し親切な説明もあるが、その一挙手一投足はどぎもを抜かれる。それでもこれ使えるかもと置いてみて、張り付けてみて、それを刻んだり、他のものを張り付けたり、いろんな液体や、塗料、接着剤を流し込んだり、、、ただこれが大竹がいうようにさらにやるか、ここで一旦止まってみてしばらくして対象からなにか受け取ってみるか、、、など、だんだんアートの本質はこういうところにあるかもしれない、とおもわれてきた。
これまでになかったような現代のアーティストに密着したドキュメンタリーを企画することについてはいろいろ意見もあろうが、少しは理解が進むと考える。
これまでも草間彌生、横尾忠則などあり、意義があったと思う。