「マイティ・ウクレレ」 (Mighty UKE 、2010年カナダ、76分)
監督:トニー・コールマン
ジェイク・シマブクロ、ビル・タピア
ウクレレのなりたちと近年の隆盛に関するドキュメンタリー映画である。この映画全体の作りがリラックスしていて楽しく、それがこの楽器がもつ性格をよくあらわしていると言える。
19世紀後半、ハワイ王国の最後のころ、外国からの移民を奨励したときに入ってきたポルトガル移民がこの楽器によく似たものを持ち込んだことから始まったらしい。
四本の弦、小さいボディ、安価ということもあり、おそらくハワイの人たちが使って広めていった姿が楽しいものであったのだろう。ピアノやヴァイオリン、またギターに比べても、ストレスなく入っていけ、下手でもそこそこ楽しめるものとしてひろまったようだ。
カナダでは、いま小学校などの音楽授業で楽器として優先されているらしい。考えるにリコーダーだと出来る出来ないということもあるし、なにしろあれでは歌えない。
1920年代のアメリカでは、ラグタイムという呼び方からシンコペーションあるいはジャズという名称に変わっていったものと並んで、最初の隆盛があったようだ。その後しばらく下火になり、また最近より楽しくアマチュアがとにかく自分で楽しもうということで盛んになってきたのだろう。
最近、ジャズやロックのギタープレーヤーでウクレレもやるひとが多い。また大人の音楽教室などでも、習い始めた人がかなり多い。それも老若男女を問わず、である。
この映画にはもちろん現代のスターであるジェイク・シマブクロのコメント、演奏もあり、聴きどころとなっている。