リンダ・ロンシュタットが1974~2006年までに録音したデュエット集。複数のレコード会社にわたるソースからコンピレーション・アルバムをよく作っているRhinoによるもの。
リンダ・ロンシュタットは好きで、何枚かアルバムを持っているのだが、こんなにデュエットがあるとは知らなかった。すべてリリースされていたのかどうかはわからない。
15曲あって、知ってる相手はジェームス・テイラー、J.D.サウザー、ドリー・パートン、ベット・ミドラー、そしてなんとフランク・シナトラ!
声がよく、歌もうまい人、それもカントリーからきているからはっきり前に出てくる歌い方、それでも相手と張り合うということでなく、ごく自然に一つのセッションにうまくなっていて、聴きごたえがある。
デュエット相手が作った曲の他、ハンク・ウィリアムス、アーヴィング・バーリン(ベット・ミドラーと)など。
シナトラと歌っているのは「ヴァーモントの月」、シナトラは「Come Fly With Me」という世界一周旅行スタイルのアルバムでこれを歌っているけれども、心なしか今回は楽しそう。本当に一緒にやったテイクなのかどうかはわからないが。
好きなのはアーロン・ネヴィルという人と歌ったカーラ・ボノフの名曲「All My Life」、雰囲気があるカーラの声よりすっきりしているこっちもいい。
そういえば、J.D.サウザーとここで歌っている「Prizoner in Disguise」が入った同名のアルバムを最近聴いてみた。
映画「ボディ・ガード」で有名になったドリー・パートン作「I Will Always Love You」が入っていて、安定感があるさらっとした歌い方、あの衝撃的なホイットニー・ヒューストンに比べむしろこっちの方がじんとくる。歌唱に対する自信だろうか。
リンダのうまさを言う人はいるが、あまり広く知られているとはいえない。ひょっとして美人すぎて損しているのかもしれない。
それにしてもこのデュエット集など一覧しても、多くをプロデュースしたピーター・アッシャーはすごい人だ。