メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

醍醐寺 展

2014-11-21 15:17:14 | 美術
御法に守られし 醍醐寺
10月7日(火)~11月24日(月・祝) 渋谷区立松濤美術館
 

展覧会の呼び物は世界最古の絵巻といわれる国宝「過去現在絵因果経」で奈良時代に作られたもの。15m36㎝あって、釈迦の前世における善行から現世で悟りを開くまでの伝記を経典と並行して絵画化したものである。筆致は子供っぽいというかうまくはないが、ユーモラスなところがあり、感情表現、身体表現などが今の人と驚くほど共通しているのが微笑ましい。仏教の普及にはさぞ貢献したと考えられる。
 

彫刻では不動明王像が見ていてしっくりする。姿勢、着衣などが。
 

さて俵屋宗達の「舞楽図屏風」(重要文化財)、あの国宝「風神雷神図」の特に雷神が大好きなものとしては、これはうれしい。特に左側のソロで踊る二人、手をつないで輪になった四人を見ると、宗達というひとは、本当に音楽、舞踏が好きで、よく理解していると思わせる。あの雷神と同様、リズム感がたまらない。左上の松の根っこも踊っているようだ。ほんと。
 

あと、信長、秀吉、家康と縁のある醍醐寺だから、三人に関係した書状が展示されている。ちょうど大河ドラマ「軍師官兵衛」で秀吉が醍醐の花見の後死んで少したったところで、興味を持って見た。こういう書状、最後の署名、花押などは別として、本文も直筆なのかどうか。関白秀吉という署名はなかなか力があっていい。


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