山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

秋の山で同窓会

2022年10月27日 | キノコ採り

 前々回のキノコ採りに同行出来なかったA氏に連絡を入れると、明日出掛ける予定とのこと。しかも、はるばるT氏が来るらしい。

「俺も混ぜて!」

同行決定!

目的地は、T川である。

 T氏とは、住む地域が違う関係で、春の山菜採り以外では、めったに同行することがなくなっている。キノコ採りは10年ぶりぐらいだろうか。マタギとしては、昨日、たっぷりとキノコを収穫したばかりなので、そんなに何でもかんでも採りたいわけではない。ただ、久しぶりに一緒に山の空気を吸いたいという思いは強い。何てったって、40年来の山仲間だ。のんびり同窓会を楽しみましょう。

 そして、当日。

「おう!」

「おっはよう。ところで、トイレすっだいず。」

「んだら、この先にあっから行ってこい。A氏、車頼む。」

「あそこに、トイレなんかあるの?」

「あるある。俺もさっき使ったばりだ。」

なんだか気の抜けた再会となったけれど、このリラックス感が我々らしいのかもしれない。

 トイレが済んで、準備が整ったところで山に入る。先導するのは、この山をホームグラウンドにしているA氏。

 しかしですね、歩くペースが、いつになく速い。これは気合いが入っている証拠ですね。日頃、鍛えていないマタギにとっては厳しいペースかも。

「ごめん。ちょっとペース落としてもらえる?きつい。」

「ああ、そう?」

 ペースが落ちると、周りの様子を観察する余裕も出てくる。秋真っ盛り。もしかしたら、一年中で一番美しい日に当たったかもしれない。

 第一目的地の倒木に辿り着く。

「思ってたより育ってないね。」

とA氏が指さす木には、ナメコ。

       なかなかのナメコです

「T氏、貰えはあ。」

「んだが。」

はるばる遊びに来てくれたT氏にたっぷりと楽しんでもらいたいという気持ちは、多分A氏も同じはずだ。

       去年より育ちが良くないけど、ありがたい恵みの木です

 続いて沢を遡って斜面に取り付く。去年ムキタケの採れた木は、今年は沈黙。まだ早いのだろうか。トラバースしてブナハリタケの木を覗いてみたが、こちらは終わっていた。今年のキノコは気難しい。

 諦めて沢に降りたところでA氏が発見。

       いい案配に開いたナメコ

       こっちにも出てますね

実のところ、ナメコとサワモダシは、一昨日それなりに収穫しているから採らない予定でいたんです。でも、これだけ高品質だと手を伸ばしたくなる。このナメコは、T氏と山分け。

これだけで満足だ。

その後、サワモダシをたっぷり戴いたT氏も、

「もう、十分だ。」

ということなので、終了かなと思ったんだけど、

「気になってる木があるのよ。」

とA氏。

「ちょっと登ったところにあるんだ。」

と言われるままについていく。けど、ちょっとじゃないですね、この斜面は。

「V字川思い出すにゃあ。」

同感。昔は平気で通っていたけど、今は行けなくなった川に近いきつさだ。

暫く登ると傾斜が緩くなり、巨大なブナの倒木。まだ、倒れてからそれ程年数が経っていないのだろう。木肌がしっかりしている。

       ナメコです(この辺はA氏が収穫)

       待望のブナハリタケ(マタギが戴きました)

 T氏は、サワモダシやヒラタケを貰っていました。凄い木でした。キノコのデパートと言っていいかも。

 もう、十分に満喫出来ました。

 収穫もさることながら、

       たまりません

       この美しさ

 最盛期に入ったキノコと紅葉と、そして仲間との親交を堪能させていただきました。

 ありがとう、山の神様。案内してくれたA氏。 そして、T氏、また山で遊ぼうね。

 大満足の同窓会になりました。



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