こんばんは。
『ヨーガ・スートラへのいざない』の入稿を終え、(とは言え、実はこれからも大変なのですが…)サンライズの木村健一郎さんに編集作業を委ね、今日は、紀伊国屋書店に行って気分転換しました。
このところ、Amazonで購入することが多くなり、ほとんど毎日、本が届きますが…。(笑)
でも、今日は本当にぶらっと出かけてきました。
作家のなかにし礼さんの『闘う力』を買い、カフェで、一気に読みました。
彼が、闘病中、心の拠り所になったのは、般若心経と旧約聖書だそうです。特に、信仰心に目覚めたというわけではないけれど、常に死について語っているから耳を傾けるに値する…と。
もしかしたら、解釈に誤りがあるかもしれないけれど…と書かれていました。
しかし、自分の感性で、経典をどうとらえようと、拠り所となるならば、その書は大いに価値あるものとなると私は信じています。
彼は、もともと、敬愛する鈴木大拙老師言うところの、「日本的霊性」の「いのち」の原理に従い、創造の神秘と歓びに導かれて生きることを好む…そうです。
具体的に、真に生きる活力となったことは「小説を書く」ことだったそうです。
抗がん剤治療を受けながら、苦しみの中で、「もう一人の自分」という応援者を立てることにつながった…とか。とにかくガンは消えたそうですが、執拗な病気であるがゆえ、もはや贅沢は言わない!
これからは「自分とは何か」を知るために作品を書く…と締めくくっておられました。
今、元気な人も、今治療中の人もご一読の価値はある一冊です。(荻山貴美子)