2年前に他界した母が夢に現れました。
それはそれは美しい姿で…。
着ている服はセンスが良く、ハイヒールを履き、ヘアスタイルもカッコ良く、自然なメイク。ルージュは淡いピンク。
今、おいくつですか?
と、誰かに問われ…
「92歳です」と答える母。
歓声が上がりました。
そこに、同い年で、しかもお誕生日が一日違いの田原豊道先生が登場。
せっかくだから写真を撮りましょう…と、iPhoneのシャッターを3度ばかり切りました。
でも写っていない!
変だな?
と、思っている時に目が覚めました。
それはそうですよね。
母はすでに姿形は持っていない人だから写るわけがないです。
母は、若いころからお洒落で、私はいつも「キレイなお母さんね」と言われて育ちました。
ひとり娘の私は、母の着せ替え人形みたいに新しいお洋服を買ってもらいました。
それなのに、今の私はそれほど衣服には頓着しません。ただ清潔を心がけてはいます。
随分前にインド旅行中、トイレで、誰かが私の話をしているのに遭遇しました。
「荻山先生、あんまり良い服着てないよね」と。(笑)
そのとおりなんです。
ブランドには興味がない。
ケバくなくて、清潔感があり、心が落ちつくものを選びます。
ある小学校の制服がアルマーニ?
アルマーニは、聞いたことがあるようなないような…。(笑)
でも、これでいいのかな?と、思う本に出会いました。
盛岡塾の忘年会で、私の隣に座られた神谷立子さんが教えてくれた内館牧子さんの『すぐ死ぬんだから』という本です。
田原先生もお読みになって皆さんに発信されています。
内館さんによれば80歳前後の高齢者は見た目で残酷なくらい差がつく…と。
上っ面だけ飾っていればいいもんじゃない!
とか…
人間は内面、内面を磨かなくっちゃ!
なんていうのはひがんでいる人のセリフらしいです。
賛否両論はあるかもしれないけれど、私も外見と内面は連動するような気がします。
いくつになってもステキな人はステキ。そしてお洒落。
母はお洒落な人でした。
そんな母が気がついたら身だしなみに無頓着になりました。その時が、認知症の始まりでした。
私の朝方見た夢は願望だったのでしょう。
こうあって欲しかった…という私の描いていた願望に違いありません。
母が亡くなり、私の着ていたお気に入りの洋服を着せてあげました。
ファンデーションをつけかけましたが、何もしない方がキレイだったので、チークと淡いピンクのルージュだけひきました。
まるで、後光がさしたように美しかった母を見て私は安心しました。
今は、まだ光の世界にいるのかしら?
それとも幸せな生まれ変わりをしたかしら?
そんなことをぼんやり考えている年末です。
あっ!片付けをしなくっちゃ!(荻山貴美子)