散歩日記XX

主に趣味の話を書いているブログです。

14日ぶり

2023-10-28 16:46:40 | 美術・アート
今回の体調不良のため、ギャラリー巡りは何と14日ぶりである(1週飛ばしただけだが)。今日は門馬→三越→スカイホール→さいとう→HOKKAIDO ART→創→大丸→近美の8か所。あちこちで時間をくい、あまり見て回ることができなかった。

それほど寒くはないが、久しぶりに通勤路を通ると一気に紅葉がすすんでいる。



円山公園駅まで行き、バスで旭丘高校前へ。

■ギャラリー門馬「小林麻美個展 次の予鈴が鳴り響き、」。この人の個展は見に行かなくてはなるまい。
「missing links」:同題の作品が何点かあるのだが、女性の上半身像を描いた作品。自画像かとも思えるが、顔の部分には別の楕円キャンバスが重なっており、表情をうかがうことは出来ない。この作品だけ作品にサインが入っており、その字のタッチがステキなんだよね。
「gift」:これも小さなガラスケースに2点づつ作品を入れたものがいくつか展示されていた。小さくて大切な標本のようだ。

「~Gift~贈り物の中身はもう分っている「明日の私と遊ぶ公園」」:広場のようなステージのような円形台の上に人が一人。とても舞台っぽい感じがあるのだが、他の人は誰もおらず、接点が生まれない。
「~Gift~贈り物の中身はもう分っている「考えすぎの待合室」」:これも円形台と人物の作品だが、どうも人は後ろ向きに台から落ちつつあるのではないだろうか。考えすぎたあまり、自滅したのだろうか。

私の到着後すぐにYさんがやってきて「(風邪は)大丈夫ですか」と言われる。その後、展示を見ながら札幌圏のバス廃止・減便を嘆く二人であった。私は折り返しのバス時間がもう近い。外に出て振り返ると、この場所は少し高台とあって、ギャラリーの後ろでは紅葉が進んでいた。



円山公園に戻り、大通へ。

■三越「大黄金展」。8階にイベントスペースができており、そこで開催されていたがやはり手狭な感じは否めない。他の催事もここになるのだろうか。



■スカイホール「第31回V展」。エレベーターホールの塚崎聖子「雲を呼ぶ音」を撮影。



■スカイホール「第20回『創の会』絵画展」。
柴崎康男「昭和新山」「イワオヌプリ」:前者は山肌、後者は山の麓の深い緑が印象的。

■HOKKAIDO ART GALLERY「煌めきの小樽画壇展」。写真撮影可能なので、パッと見て好きな作品を紹介しよう。
国松登「白い魚」:これはなかなか国松らしい作品である。



大月源二「白樺からの風景」:これは私が思っている大月作品とは違って、ごくごくおだやかな感じ。



森本三郎「静物」:絵肌と色合いが好み。



今はもう窯がない小樽焼。



小松清「抽象」:ガラスにいろいろ写り込んだため訳が分からなくなっているが、モダンな抽象画は他の作品とは違う感じ。



値段はいずれもお手ごろだと思う。飾るスペースのある人はぜひ(ウチにはない)。

すすきの駅に行くと、かなり駅の改修も進んでいた。



■ギャラリー創「井川ゆきな陶展 うまれくるかたち~素のまま III~」。生命のような不思議な形。

■北海道立近代美術館「足立美術館所蔵 近代日本画と北大路魯山人展」。いやー、足立美術館には実際行ったからなあ、どうだろう(←どうしても自慢したい)。
菱田春草「紫陽花」:たっぷりの余白に紫陽花と蝶。これが日本画だよなという感じがする。
榊原紫峰「青梅」:植物の生々しさと過剰さ、そしてデザインっぽいところが混在している。
河合玉堂「夕月夜」:さほど大きくないのだが、遠くから見てもスケールの大きな作品。

河合玉堂「鵜飼」:これは炎の明りや鵜の姿をギュッと細かく描いている。
竹内栖鳳「雨響」:右隻には空間をたっぷりとってヒュンと飛ぶセキレイ、左隻には鳶と老木。この対比だな。
山元春挙「瑞祥」:今回私が一番気に入った作品で、海のエメラルドグリーンがいい。ロジャー・ディーンはきっとこの作品を見ているね(←ウソ)。

竹内栖鳳「魚肥山果熟」:魯山人の展示コーナーにあって「これは上手いなあ」と思ったら竹内だった。サバのメタリックな感じがいいね。
北大路魯山人「古九谷風福字四方向 六人」:小皿に福の字を書いた有名な作品だが、書人の手すさびとしてはこういうのは分かる。
北大路魯山人「あか絵うづゆのみ 五」:4点は赤と緑、1点は赤と黄でぐるぐると渦巻きを描いた湯飲み。素人の思い付きとしてこういうのってあるよねという感じがするのだが、どうも今回、魯山人の陶芸が本当に良いものなのかどうか分からなくなってきた。板谷波山なんか見るからに素晴らしいよねと思うのだが、魯山人の作品は時にクドい。その良さが分からないのは、私の見る目がないということなんだろうか。



■北海道立近代美術館「揺さぶる絵 変貌する日本画のイメージ」。主に豊橋市美術博物館の収蔵品と近美の収蔵品を合わせて展示した展覧会。
大野俶嵩「金鳥・蟾蜍」:フクロウ、ウサギ、蛙、トキを周囲に描き、中央部には麻布を蛇のような形に配置した作品。近美にこういう作品があったのね。
佐藤多持「水芭蕉曼荼羅・白68」:白と黒、自然と幾何学模様をイメージさせ、宇宙や生命を表現しているような大屏風。
平川敏夫「樹淵」:黒く浮き上がる森。作者が登別に取材してできた作品だとか。

丸木位里「房総の海」:海辺の岩礁が全て焼けただれた黒に見える。
中村正義「男と女」:反骨の画家として中村と片岡球子が展示されていた。中村の作品は確かに球子のパンチ力に負けてない。
加藤良造「山水境」:バルビゾン派を意識したのか、アルトドルファーのようというか、そういう風景画。

漆原夏樹「彼女の風景」:山水の中に巨大な赤子がいて、砂遊びの様に山に触れている作品。女児の髪の毛は渦を巻いており、大仏をイメージしているかも。
田中武「裏側(十六恥漢図シリーズ)」:化粧パックを剥がす女性。その後ろで樹木から足れる白く粘っこい液体は、若冲描くところの雪か、はたまた。



■北海道立近代美術館「アール・ヌーヴォー 自然を映し出すガラス」。
エミール・ガレ「アザミ文リキュールセット」;リキュールが薬としても飲まれていた時代のものだろうな。



J・J・グランヴィル「生きている花々」:カラフルな挿絵の本がステキ。



■北海道立近代美術館「小川原脩記念美術館コレクション展」。
「植物園」:小川原のシュルレアリスム小品が展示されていた。ここでは撮影可能なため全作撮影しておく(写真の公開は1点だけ)。



陰の方に関連資料展示があり、戦争画についての資料もあった。「成都爆撃」は私も国立近代美術館で見たことがあるが、いろいろ辛いこともあったよね。



結構時間がかかって17時前になり、今日はここまで。歩いたのと、屈んでみる作品もあるため腰が痛い。

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9日ぶり

2023-10-28 13:44:04 | 飲み歩き・すすきの周辺
いや、しばらく苦しんだ。時々秋口に咳が出ることがあるのだが、今年は久しぶりにそれが発症。病院に行ったところ、副鼻腔炎を併発しているということで、いまだに大量の薬を飲んでいるのだが、ほぼ症状は治まってきた。熱は全く出ていないので(ずっと36度台)、今日はそろそろ外出するかと、まずはギャラリー巡りへ。

昼過ぎになりすすきのに移動し、蕎麦の「AH」へ。そこそこ混雑していたが、何とか座敷席に座ることができた。よし、9日ぶりの外食である。今日は食べるだけではなくて、酒を飲もう。まずは燗酒と新漬け小。



今日は店の人がバタバタしており、最初は箸が出てこないわ、通しも出てこないわという状態であった。ゆっくりで良いので、落ち着いてほしいものである。続いて、今日の大物つまみは玉子焼き。



うむ、これは熱いし、出汁も含んだ甘い味わいが良いものである。

そして「お通しは無くなったのですか?」(←イヤミっぽくは言ってない)と確認して出てきた揚げ蕎麦に、新潟の越の誉純米吟醸清吟を追加。



今日は隣のテーブルに親子連れが来たのだが、3歳くらいと思われる女の子が蕎麦猪口にざるそばを入れて(途中から親御さんが入れていたが)、すすって食べているではないか。これは将来蕎麦食い名人になるなと微笑ましく思いつつ、少し寒い季節になってきたので、私はかけそばを注文。



ちょっと塩気の効いた蕎麦汁とちょうど良い仕上がりの蕎麦がいい。

復帰第一戦は申し分のない一杯であった。

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閉店351

2023-10-28 08:47:35 | 日記
千歳市にある老舗洋食店「西洋軒」が今年の7月に閉店となった(閉店したため名前を出す)。私は子供の頃(おそらく1970年代前半)に家族で行っていた店で、千歳を離れてからも忘れられない店の一つであった。当時の私はバカだったので、めくるめくメニューの中からいつもカレーを食べていたような気がする。

大人になってから「そういえば、行ってみよう」と思い、1999年に訪問してみたのであるが、当時はブログもやっておらず、デジカメも持っていなかったため、記録があまり残っていない。外食のメモだけは残っているため、それを見ると「シーフードカレー、生ビール」を注文しており、まさに三つ子の魂百までということであろうか。いや、子供の頃を懐かしんで、あえてカレーライスを注文したような記憶がある。

その後、一度は夜訪問してオードブルで一杯などと思っているうちに24年が経過してしまい、店が営業をやめてしまった。「いつまでもあると思うな親と名店」である。最近、何かを検索しているうちにこのことを知り、大変残念に思ったものである。

(写真なし)
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