ほぼ円滑に小樽到着。雪も大雪というほどではないからな。
今日は駅前からまっすぐ、市立小樽美術館へ。
■市立小樽美術館「一原有徳と版画の70年代」。一原以外の版画があったのは収穫だ。
棟方志功「風景」:珍しく油彩の風景画。
斎藤清「港風景」:高台から港を見下ろす風景が善策チックだなと思ったら、彼は小樽の看板屋で働いていたことがあるようだ。
斎藤清「只見川・会津柳津・上藤」:只見川を空白で表現している所がいい。
沢田哲郎「UNTITLED 76」「SKY SCAPE(DAWNING)」:作者得意の水平方向の線が目立つ版画だが、海を描いたと言えなくもないな。
一原有徳「LEZ(b)」:パイプ状の線を縦横無尽に引いた作品だが、これはその線が少しづつカーブしていて、また面白い。
一原有徳「KKI」:電気ブラシで空を覆う影を描いたのか。世界の滅亡感が強い。
一原有徳「SON(c6)」:地震で揺らぐ建物のようだ。
一原が自作について、決して風景をイメージしていたわけではないと言ったのは知っているが、そう見えちゃうんだよなあ。
■市立小樽美術館「北海道に渡った九谷焼 北前船の華 小樽・後志編」。
寿都・個人「松に馬人物図輪花鉢」:文様がびっしり描かれており、豪華である。
寿都・個人「草に雀図鉢(大)」:こちらはグレー地で落ち着いた作品。
岩内町郷土館「松枝に立ち鶴日の出図隅切角皿」:円形皿が多いのだが、角皿もなかなかいい。
鰊御殿とまり「松枝に立ち鶴日の出図変形向付」:皿の縁が変形カットされており、技巧的。珍しいものかと思ったら、定型で多くあるみたいだ。
積丹運上屋旅館「牡丹唐草文蓋付三段重」:全体に緑色に塗られた豪華な重。
旧余市福原漁場「松下武士図蓋付徳利」:蓋にも細かい文様が入っており、なかなかのいいもの。
旧余市福原漁場「菊に鳥図馬上盃」:季節感もあって内側に漢詩が書かれた素敵な盃。こういうのは欲しい。
旧下ヨイチ運上家「梅に月図皿」:これは繊細な絵付けだ。
円吉山別墅「梅氷裂図六角火入」:1824年から7年間だけあった吉田屋窯で作られたらしいが、すごくモダン。
もったいない博物館「雪に家屋図輪花皿」:雪の風景は北海道らしくていい。
もったいない博物館「菊鳳凰図輪花盃」:内側を12に区分して様々な絵付けをしているが、決して下品になっていない。
もったいない博物館「春画盃」:盃の底にレンズのようなものがあり、春画が拡大されるという遊び作品もあった。
まあ、食器なんか何でもいいじゃない派の人もいると思うが、当時の人は北海道にいても良い品物を買い求め大切に使ったのであろう。そういう人々の想いと、小樽・後志地方の底力が感じられる展覧会であった。
この後、スパークリングワインを購入し、高速バスで帰宅。今日は小樽で飲食はせず、大人しく帰る日なのであった。