昨日は娘の卒業式。本人は淡々としていた。気分はもう社会人なのだろうか。それとも順調にはほど遠かった学業生活を克服したからか。
思いもよらぬアトピーに悩まされ、極寒の札幌での学生生活に区切りをつけ、地元の大学の編入試験を受けたのが一昨年のこと。本人の苦しみを、ただ「頑張れ」としか言えない父で、「馬鹿父」ぶりを晒すしかなかった。症状を睨み、その都度、忍耐ばかりか苦渋の選択を果たし、対峙してきたのは娘なのである。もどかしいだけの父に代わり、幸い周りの人々に恵まれた。文字通り「御陰様」である。
それにしても娘と一緒という生活は心地よい。もともと家人の心配りで食卓はにぎやかな方だが、食後にキウイが食べやすく刻まれてそっと差し出されたり、蕎麦を湯がこうとすると味醂を煮切った蕎麦汁を用意してくれたりと、ありがたく思うことが多い(最初の内だけだろうか…)。元来料理好きではあるが、水剌間(スラッカン)の最高尚宮(チェゴサングン)チエ尚宮(チェではない、従姉である)らの薫陶を受け精進を積んできた結果かもしれない。
「お祝いに何かごちそうを」
というのでお隣の「ヴェル・ヴァーグ・ヴィアンフェ」でパスタをご馳走した。何でも6年ぶりとのことで懐かしがり、素直に歓んでくれている。チープな娘である。札幌ではこの店のパスタを夢に見たそうで、絶妙なソースへの好奇心を隠さない。当分の間、我が家の食卓には、パスタばかりが乗ることになると思われる。
大丈夫、父はイタリア系だ
明日、この店は定休日であり、どうやらケーブルテレビの取材がある模様。オンエアを楽しみに待ちたい。