午前0時でまるっと禁煙180日。どうやら無事達成されそうな勢いで、
「大丈夫!」
と、確信めいた予感に支配されている。
健康志向はどなたも同じで、
「健康になるのなら何だってする、健康のためなら死んでも構わない。」
いや、死んだら元も子もないのだが。
この町に産まれてよかったのは、美味しい食材に恵まれ、しっかり身体に取り込めることだ。また、旨いものを食わせてくれるお店が多いのもありがたい。数あるホテルから優秀な料理人が独立開業されて、しのぎを削っていることも大きい。この町ならではの特筆事項だろう。美味し国とはよく言ったものだ。
無知のためこれまで知らなかったのだが、生産者のご尽力、ご苦労の賜といった貴重な生産物に邂逅したのは、ごく最近のこと。皆さんはとっくにご存知だろうが、「米澤モチ麦」のことだ。
地元、阿児町国府の米澤平一先生が昭和62年に開発され、品種登録されている。
「改良された麦と米で麦飯を食べると非常に健康にもいいし、おいしい。さらに、冷めたら食べることができないという麦飯が冷めてからでも結構おいしく食べられる。そのほかにも非常に利用価値が高い…。」第118回国会 参議院農林水産委員会にて井上哲夫議員の質問から抜粋。
米澤先生は大正十四のお生まれというから亡父と同い年だ。京都大学農学部を卒業され国府に来られ、艱難辛苦の末に貴重なモチ麦を開発されたという。
先生が品種登録されたその食用作物で大いに潤われたかいうとそうではないらしい。ぼく自身知らなかったように、啓蒙活動や支援活動の行き届かなかったのが悔やまれる。真摯な研究が身を結ぶ土壌こそ地域の豊かさに最も貢献するはずだ。こんな現実だと未来は昏い。
「発芽十六雑穀」とか、「マクロビオティック」とかいった言葉が喧伝されるが、ぼくたちの足元にあった僥倖、「米澤モチ麦」をもっと大切にしたい。朝市など入手できると聞いている。