お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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※桐野夏生(1951年10月7日、金沢市生まれ。「顔に降りかかる雨」で第39回江戸川乱歩賞受賞。99年「柔らかな頬」で直木賞。「OUT」「東京島」など)



●湘南版「ゼロの焦点」

夫を海難事故で亡くした女性が主人公。遺体は見つからず、死亡認定のあと、父親といっていいほど年上の裕福な会社会長と再婚。湘南の海が見える高台の一等地で過ごすのだが、ある日、死んだはずの夫に似た男が現れ…。

序盤はそれほどページが進まないが、元夫の姿が見え隠れし始めるあたりから先が気になり、ページを繰るスピードも上がってくる。さすがの巧さ。消えた夫の過去に迫る妻の姿に「ゼロの焦点」を思い出した。

主人公が住んだ「母衣山(ほろやま)」は披露山がモデルだろう。「ゼロの焦点」の日本海に対し、こちらは湘南が舞台。周辺が分かるだけに親しみも涌いた。

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※小川糸(1973年生まれ。デビュー作 『食堂かたつむり』(2008年)以来30冊以上の本を出版。『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ライオンのおやつ』が日本全国の書店員が主催する「本屋大賞」候補に)



●瀬戸内のレモン島で最期の時を

余命宣告された33歳の女性が、瀬戸内海のレモン島にあるホスピスで人生の最期を過ごす。毎週日曜にはおやつの時間があり、入居者が思い出とともに食べたいものをリクエストするのだが、当然、旅立つ人が次々と…。終盤は涙なくしては読めない。「死ぬまで生きる」。そして最期は「ごちそうさま」と言える。そんな人生が送れたらいい。

ちょうどこの年の夏にしまなみ海道を走り、舞台となった生口島の穏やかな風景が目に浮び感情移入もできた。

それにしても読み違えると大変なことになる人とか、登場人物のネーミングは秀逸。「ライオン」の意味も納得。

最後のおやつ。自分はおやつ(スイーツ)を食べるという習慣があまりないので思い浮かばないが(酒のつまみならあるけど)、あえて言うなら「銀だこ」かな。会社近くの築地場外に店があり、初めて食べた時は「表面がパリッ、中がトロッ、タコはプリッ」に感動したもんだ。

※定年退職して自由な時間が増え、読書する機会も増えました。散歩がてら図書館へ行って本を借り、のんびりと読むのもいいもんです。電車通勤の合間に読むのは細切れでよく内容を忘れましたが、一気に読み終えられるので助かります。

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