お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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2人の娘のお父さんです。孫も3人いるじーさんです。趣味はスポーツ観戦やサイクリング、読書など。ブルベは07年から走ってますが遅いです。仕事はリタイアし、「晴走雨読」の気ままな毎日です(^o^)
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?
坂と風と雨の300キロ<その1>
ブルベ
/
2007年04月11日
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●BRM407青葉300km(エントリー45人(DNS9人なので出走は36人)、DNF5人、完走31人。ほかに試走での完走1人)
●月日 07年4月7日(土)
●天気 晴れのち雨
●ブルベルート あざみ野~新小倉橋~串川橋~道志みち~牧馬峠~雛鶴峠~大月~甲府~波高島~本栖みち~山中湖~道志みち~串川橋~あざみ野(上り総量は4100m)
★
07年4月7日 ブルベ青葉300km(A3よりデカイ!)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<その1~笹子まで>
<その2~本栖湖まで>
<その3~ゴールまで>
天気予報は前日までは曇りだった。少なくとも雨マークはなかった。本栖湖で富士山が見えればいいな。いや、富士山が見られる可能性のある明るいうちに着ければいいなというのが、ささやかな目標だった。
午前5時前に起床。午前6時前、明るい日差しが差してきたころ、あざみ野へ向かって出発する。途中、市が尾の交差点で後ろから「お早うございます」と声をかけられる。続いて「ブルベですか?」とも聞かれる。ランドナー乗りの方だった。「そうッスよ。どちらから?」と聞くと「座間です」。ウチより遠い。実はこの方は何度かPCで姿を見かけたが、その後直接話す機会は残念ながらなかった。
あざみ野のスタート地点。今日はリュックをしょって走る。中にはウインドブレーカー、着替え用のインナー、ネックウオーマー、冬用の手袋など
スタート地点のあざみ野に到着後、受付を終え、あざみ野駅でトイレを済ませてスタート地点に帰ると、おいちゃんさんがちょうど受付をしているところだった。「いい天気になりましたね」なんて、暢気にそのときは話した。
そしてhiroさんが到着。あれ? 今日はホームゲームなのに。何でも奥さんのお許しが出たようなので、急きょ、参加することになったようだ。それにしても重そうなリュック。カッパが入っているらしい。え? 今日は降らないッスよ。と、そのときは思ったのだが、夕方になってhiroさんの先見の明に驚くことになろうとは・・・・。
参加人数は40人ほど。スタート時間の午前7時少し前に全員が受け付けと車検を終わり走り始めた。
前回の青葉200のときのR246は大渋滞だったが、この日は渋滞もなくスムーズに車道を走れた。お、これは幸先いいかなと喜んだのだが、麻生通りを走るころには20人以上の大集団となったためか、ペースは巡航30キロ以下で少し緩やか。300キロだからみんな抑えているのだろうか。私はその集団の最後尾あたりだったので、少し遅いかなと思いながらも、一気に前まで抜ける足もなく後ろを付いていく。
しかし、逆にこれが幸いした。前回と同じコースと思っていたのだが、今回は小田急の鉄橋を渡らず手前で曲がって踏み切りを渡るコースに変わっていたようだ。キューシートが木曜の到着だったので、ちゃんと確認するヒマがあまりなかった。あれ~? と思いながらも、とりあえず前を走るみなさんに付いていく。
津久井道に入り、集団の先頭にいたグループの誰ががパンクしたようで、そのグループごとストップしていた。そのころから4~5人の列車で走るようになり、やがて3人の列車となって塚場から新小倉橋を目指す。その3人のうちのひとりは、前回の青葉200で帰りの道志みちを一緒に走った方だった。
新小倉橋を過ぎ、宮原交差点を右折すると道は上りにさしかかる。ここで先頭の2人にじりじり離される。上り坂はどこでも一人旅だ。
上り基調のアップダウンをこなし、串川橋を右折して少し上ると第1PCだ。
午前9時3分、第1PCセブンイレブン津久井青山店。37.7キロ地点。hiroさん、Vサインで余裕たっぷりッス!
ここでおいちゃんさん、hiroさんと再会。でも、おいちゃんさんは私の後ろにいたような気がするし、hiroさんには「先、行きます」と言って出発したよな、確か。抜かれた覚えもないし、どうも二人とも先着しているらしいけど、なぜ? とちょっと不思議だった。ま、いっか。
ところが、ここの通過時間が「8:07~9:23」。おにぎりを食べているときに、おいちゃんさんに「あと10分しかない」と言われて気が付いた。到着は9時前だったが、レシートの時間が通過時間となるので、のんびり買い物していたらあやうくタイムアウトだった。ちょっとのんびりペースだなとは感じていたが、ここで少し焦り出す。
あわてて第1PCを単独でスタートし、青山から道志みちへ。そして梶野を右折して牧馬峠へ向かう。
Gパンで走る!
ここが最初の難関。時速は10km/hをいったりきたり。坂はこんなもんでしか登れない。
すると、Gパンローディー発見! 彼は、Gパンと普通の靴でこの300キロに挑戦している。背中には重そうなリュックも。スタート地点でも、「え、参加者?」と大いに気になっていたのだが、彼は果敢に走っていた。彼の健闘を祈りながら「頑張りましょう!」と言って先へ行く(彼は見事完走したようです! すげぇ!! ケツは大丈夫なのか?)。
牧馬峠を登坂中のhiroさん
次に発見したのがhiroさん。やはり重そうなリュックをしょって上っている。私と同じようにちょっとふらついているので、親しみが持てる。インを嫌ってアウトを上るのも同じ。hiroさんの跡をトレースしながら上っていき、「もうちょっとですね」と声をかけて先行させてもらう。
牧馬峠の桜
梶野側からの牧馬峠は、途中で平坦になり下りも現れる。先ほど私を抜いていった人が、その平坦部分でひと休みしているのが見えた。その人には、ピークに着く前に再び抜かれた。「あそこがピークと思ったので休んじゃったよ、あはは」。余裕ッスね、この人。
その人は、大型車が通れないように設置されたゲートの先のホントのピークで再び休んでいたので、「ここがピークですよ」と教えてあげると、「うんうん」と満足そうだった。
ピークからの下りは12%の坂だ。滑り止めのわっかが刻まれた道がしばらく続く。わっかが消えてからも下りはさらに続き、やがてT字路。左手に屋根にとうがらしのオブジェのある「愛ちゃんキムチ」の店が見える。ここを左折し、相模湖カントリー方面へ向かう。
最初は下りだが、やがて上り基調のアップダウンが現れる。相模湖カントリーへの分岐を右へ進路を取ると、強烈な上り。それが右手にやまなみ温泉が見えるT字路にぶつかるまで続く。全体を通じて、傾斜的にはここが一番きつかったような気がする。
T字路を右折し、途中の秋山方面への分岐をUターン気味に曲がる。しばらく下りが続くが、また上りが始まる。この上りの途中で、秋山方面への分岐でストップしていた若いローディーに抜かれる。実は、この方とは一緒に走る機会はなかったが、PCごとに一緒になった。ゴール地点までほぼ同じペースだったようだ。
道志みちとは違った雰囲気のK35秋山付近
奥牧野から秋山へと緩い坂を走る。道志みちは渓谷美だが、この道は回りを山に囲まれた田舎道。人家も途切れることなく点在していた。天気も良く、クルマもほとんど走らないのどかな道を単独で走る。
雛鶴峠への途中で桜ストップ
2組のカップルにパスされた。1組はツーリング中で、私を抜いた後、トンネル手前で大休憩していた。もう1組は参加者(もしかして鈴木家さん?)だったが、女性は二人とも力強くペダルを回していた。坂はダメだな、やっぱ・・・。
道中、あちこちに桜が咲いていた。満開だ。こういう道を走るのは気持ちいい。
桜ストップ後、後ろから一人上ってきていたので、その方に先行する形でスタートしたのだが、しばらくして振り返ると、あれ? いない。上り坂で引き離せるはずもないし、どうしたんだろう?
ここまではそれほどキツイ坂はなかったが、この桜ストップから先は徐々に傾斜が厳しくなっていく。
新雛鶴トンネル
抜かれた参加者カップルに何とか付いていこうとしたのだが、その後ろ姿がだんだんと遠ざかる。時速は10km/h前後。う~~、辛いッス・・・。
ただ、心を折らせるほどの坂はなく、一度のワインディングを乗り切るとトンネルに到着した。
午前11時33分、禾生手前の第2PC。80キロ地点。hiroさん、おいちゃんさんが補給中
新雛鶴トンネルからは気持ちのいい下り。これが次の第2PCまで続く。これまでコツコツとためきた貯金を一気にはき出す感じだ。後にまだまだ上りは待っているが、とりあえず至福の瞬間を少しでも楽しもう。
第2PCに到着し、おにぎりをほおばっていたら、おいちゃんさん、hiroさんが相次いで到着した。
ここのタイムアウトが12時24分だったので、時間的には少し盛り返したようだ。しかし、まだ80km地点。先は気が遠くなるほど長い。平地で貯金をつくり、坂でそれをはき出すという走りの私にとっては、笹子から波高島までの下り&平地で頑張るしかない。補給を済ませると、すぐ出発した。
R20の桜
禾生駅の前を右折して富士みちに入り、大月橋東詰交差点からR20へ。
この日の大月からのR20は、トラックもそれほど多くなく、走りにくいというほどではなかった。途中からは笹子川も平行して流れるようになり、なかなかいい雰囲気だった。先行する3人ほどの集団に追いついたのだが、写真ストップをしているうち、当然ながらまた離されてしまった。
いよいよ笹子トンネル
笹子トンネル手前から坂がだんだんときつくなる。離された3人の集団がまた視界に入ってきたのだが、追いつけそうで追いつけない。できれば、トンネルは一緒に走ってもらいたい。少し頑張って上っていると、笹子トンネルまで400メートル地点に到着した。この分岐を左に行くと旧道だ。hiroさんによると「20分ぐらい余計にかかる」ということなので、時間に余裕があれば旧道でもいいのだが、今日はそうも言っていられない。
3人の集団はもうトンネルに入っているだろう。仕方ない。単独で突破するか。尾灯を付け、ライトも付け、心も落ち着けて準備万端。いざ、笹子トンネルへ!
※その2に続きます
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坂と風と雨の300キロ<その2>
ブルベ
/
2007年04月11日
※その1より続きます
勢い込んで笹子トンネルへの坂を上っていると、先ほどから先行していた3人組がストップしている。突破の準備かと思って近づくと、AJ神奈川の加藤さんの姿が。スタート前のブリーフィングで「今日はシークレットポイントがありますので」と説明されていたが、ここだったんだ。トンネル手前にちょっとした食堂があり、自販機もあった。ハイカーの人たちのためにあるのだろうか。
「トップは午前11時台(57分)に通過した」ということらしい。おまけに小径車だって? 今はもう12時59分。恐るべき自転車海苔がいるもんだ。しかし、ここから国母立体交差点までは下りと平坦。漕がなくていいぞ。長~い本栖みちに備えて、体力を復活させておこう。
お言葉に甘えてチョコを頂いていたら、例の3人組が出発している。慌てて、私もスタートするが、メガネに付けるサングラスが外れそうになってすぐストップ。あ~、単独突破だ・・・。
見えた! 笹子トンネル
ついにやってきたよ、ここまで。尾灯OK。ライトOK。トラックは? 来てない。よし、GO!
「こっちから行くと上りなんですよ」。第2PCで聞いたhiroさんの言葉を思い出す。とにかく必死で漕がなければ。
後ろは振り向かない。私は白線の上を進むから、とにかくよけてくれ~。
路肩の狭い、やや上りのトンネル。しかし、暗くはない。ゴ~~~という音がするたびに、後ろから抜かれる心の準備をするが、それは対向車線のクルマの音だったりする。意外と甲府方面へ向かうクルマは少なかった。そして途中からは下りとなる。もう少し! もう少しで生きて出られる!
無事突破。右に見えるのは道の駅甲斐大和
笹子トンネルの先にもうひとつ小さなトンネルがあった。それも抜けて・・・。
やった。無事突破だ。安堵感で一杯となり、自転車を降りる。ブロガーですから、証拠写真を抑えなければ・・・。ホントは、このまま気持ちのいい下りを走り続けたいのですが、ね。
桃の花の間をダウンヒル
笹子トンネルからは豪快な下り。どこまでもどこまでも下り。最高!
そして勝沼あたりまで降りてくると、道の両側に広がる桃の花。気持ちいいッスねぇ! これが上って上って得たご褒美だ。
実は笹子からの下りの途中で一緒になった方がいて、少しの間、2人で走っていた。でも私はブロガーですから(笑)、桃の花ストップですね。写真を撮っている間に、その方は彼方に消えていった。
で、また1人旅。
甲府到着。小瀬はすぐそこ
一宮御坂、石和を過ぎ、笛吹川を渡りしばらく走ると、「小瀬スポーツ公園」の標識。1年前に訪れた懐かしき甲府のホームスタジアムだ。あのときは輪行。今回はロードで自走。感慨深いものがある。
国母立体交差点を左折し、すぐのY字を右へ。少し幅の狭い道を西花輪交差点へと向かう。
西花輪交差点で信号ストップしている青いローディーさんに見覚えがある。あれ? 勝沼で別れた人だ。どうやら国母立体から先のY字を直進してしまったようだった。
浅原橋で釜無川を渡り、左折してしばらくすると、また例の3人組に追いついた。どうも、坂では私より速いのだが、平地ではのんびりと走っているようだった。
3人組をパスしようかと思ったが、このあたりから向かい風が強くなってきた。それにR52に出るためにはあと2回曲がらなければならないのだが、ちょっとコースに自信がない。私と一緒に走ってきた青いローディーさんも同じ考えだったようで(すでにミスコースしているし)、結局5人が時速20km/hちょいで走ることになった。といっても、風が強いので25km/h以上は出せそうもない。
青柳2丁目からR52に入ると、次のPCまでは一本道。ここで私が先頭になり少しスピードアップした。青いローディーさんも続く。3人組は相変わらずのマイペースなので、一気に離れていく。
向かい風の富士川沿いのR52を、青いローディーさんに引っ張ってもらう
富士川沿いの道になると、風は一層強くなってきた。稼ぎどころの平地で飛ばせない。途中から青いローディーさんが先頭に立ち引っ張ってくれるが、スピードは上がらない。ここでもヒルクライムだ。
第3PCまで残り5キロを切ったところで、さすがにずっと風除けをしてもらうのも悪いと思い先頭交代した。前に出た途端、強烈な風。徐々に青いローディーさんのスピードが落ちてきていたが、これでは無理もない。
まいったな~と思いつつ、頑張って漕ぐ。回りの風景に目をやる余裕もない。路肩が狭く、ふらつくと危ないのだが、幸いトラックも少なく危険な場面はなかった。あ~、ここは気持ちよく走りたかったなぁ。
午後3時42分、波高島の第3PC。159キロ地点。誰もいない・・・
ヘロヘロになって第3PCに到着。振り向くと、青いローディーさんはかなり離れていた。
第3PCには自転車が1台もなかった。私の前の集団とはかなり離れてしまったようだ。誰もいないPCなんて初めての体験。寂しいッスね。しばらくして青いローディーさん到着。先頭に立ってもらったお礼を言おうとしたら、あれれ、今来た道を戻って行っちゃった。どうしたんだろう。落とし物かな?
ここのコンビニでは、何も言わなくてもレシートにセロテープを貼ってくれる。ただ、ちゃんとやってくれるのはおばさんで、バイトのねーちゃんはその意味がよく分ってない様子だった。運悪くその子に「テープ貼って」と頼んだ人がいて、レシートに表示された時間の上にベタ~と赤いテープを貼られて困っていた。
店の前に設置されたベンチに座って補給していたら例の3人組も到着。この方たちとは平地で抜き、坂で抜かれることの繰り返しで、ここまでほぼ同じペースで来ている。次の本栖みちでも抜かれることが分かっているし、平地で一緒に走っていたらますます遅れてしまう。平地で同じようなペースだった青いローディーさんが戻ってくる様子もないので、ここも単独でスタートする。
富士川を渡り本栖みちへ
上沢交差点を左折し、富士川を渡って波高島から下部温泉へと向かう。距離的にはまだ折り返しを過ぎたばかりだ。え~? まだ半分かよ・・・。
本栖までの25キロを上る
150キロ走った後の、本栖まで25キロヒルクライム。登れるかなぁ。昨年、BD-1で来たときは休みまくりだったのに・・・。AJ神奈川の加藤さんは「新しい設計の道なので、急坂はない」と笹子で言っていた。それはいいとしても「長いですけどね・・・」とポツリと付け加えたひと言が、もう本栖みちのきつさを表現しているんですけど。
桜は満開
登る前にひと息。桜で心を落ち着かせて、と。
そして午後4時ごろ登坂開始。上りがきつくなるのは道の駅下部を過ぎたあたりからだったろうか。その先のトンネルを越えると、ワインディングが始まる。
加藤さんの言った通り、インが強烈な傾斜というわけではない。でも坂は坂。きついことに変わりはない。そのきつさを癒してくれるはずの風景も、遠くは白く霞んでよく見えない。黙々とペダルを回す。もちろんインナーロー。コンパクト×27T。
しばらくするとまた例の3人組の1人に追いつかれる。「どうぞ、お先に」というと、「後ろ付いていこうかと思ったけど」なんて言いながら、クルクル回しながら上っていった。あれだけ回せるのにどうして平地ではスピードを抑えているんだろう?
結局、3人組の方全員に抜かれたようだ。ただ、ピークまで足は着かなかった。亀の歩みながらも、昨年よりは成長したようだ。これが嬉しい。
本栖みちにクルマはほとんどいなかった。静かな静かな世界。何も気にすることなく、ゆっくりゆっくり上っていく。まるで道路規制をしたヒルクライムの大会のようで、何だか気分が良かった。
カーブを曲がるとトンネルにぶつかったので「あれ? 着いた!」と大声を挙げたら、後ろから来ていた3人組の1人も「おお!」とつられて歓声を挙げたが、中之倉トンネルはもっと先だった。
午後5時半、本栖湖到着
さらに上った中之倉トンネル手前で、顔に水滴を感じた。
雨? ウソ~。汗だろう。
そして、トンネルを抜ける。午後5時半。富士山は・・・見えない。残念。もしかしたらと思ったのになぁ。
例の3人組がストップしていた。「どっちですかね?」。「左ッスよ」と答えると、湖の写真を撮ってから走り去っていった。
さて、私も写真でも撮るか。デジカメを出し撮っていると
ザ~~~~~~~~。雨が降り出した。それも本格的に! 信じられないッス・・・・。
※その3に続きます
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坂と風と雨の300キロ<その3>
ブルベ
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2007年04月11日
※その2より続きます
雨の本栖湖
写真もほどほどに、濡れながら雨対策を始める。
リュックからウインドブレーカー、ネックウオーマー、厚手の手袋を取り出して着込む。着替えのインナーはここじゃ着替えられない。リュックとサドルバックにレインカバーを着ける。ライトもすべてオン。あとは、少しでも早くやむことを祈るしかない。
実は前日にリュックにするかヒップバッグにするか悩んだ。ヒップバッグだとウインドブレーカーを入れると終わり。あとは何も入らない。だが、体には楽だ。でもな~、暑いのは耐えられるが、寒いのは耐えられないからと思い、リュックにいろいろ詰め込むことにした。予備のタイヤはどうしようかと悩んだが、「重いよ、やっぱり」と置いてきた。
雨は土砂降りとなった。「山中湖は雨が降りそう」なんて言っていたhiroさん、さすがッス。重いリュックをしょってきた甲斐がありましたね。
本栖交差点を左折しR139に入ったころから、日も暮れてきた。雨の夕暮れ。一番危ない時間帯だ。回りに多少の明るさがあるので、ライトを全開にしていてもその効果は発揮できない。歩道との境もはっきりしない。とにかく白線をしっかりと見つめ、その白線から少し車道に入ったところを走る。歩道側に入った所では、いつ歩道の段差と接触するか分からないし、水もたまって路面も良くないだろう。
尾灯3つに命をかける。頼む。みんな、よけてくれ。
対向車が来ると何も見えなくなる。メガネは水滴だらけ。それに対向車のライトが乱反射して、白線も見えなくなる。危ないと思ってブレーキを引くと、効かない!? ヤバイ。生きて帰れるのか。道志みちは降りられるのか? 不安が急速に膨らむ。
気温は3度。ウインドブレーカーは真冬用で、ネックウオーマーもしているので凍えるほどではないが、やっぱり寒い。手袋はびしょびしょ。シューズも水たまりに突っ込んだ後のように濡れている。
そこに希望の灯が! 例の3人組の方のうちの1人の後ろ姿が見えた! よし、あの尾灯について行くのだ。しばらく安心して後ろを走っていたのだが、途中で他の仲間に声をかけられコンビニへ避難してしまった。実はその3人組の方たちはリュックもしょっていなくて、荷物らしい荷物を持っていなかった。つまり、コンビニでカッパとビニール手袋を手に入れる作戦だったようだ。
再び雨の単独走となった。河口湖の南を走っているはずなのだが、今がどこかも分からない。それに次の平野のPCまでは持ちそうもない。やはり寒い! でも、輪行袋も持ってないし、走らなければ自宅へも帰れない。ここまで走ってDNFもイヤだ。
道の駅富士吉田で雨宿り
昨年、「道の駅富士吉田」で山田うどんを食べたことを思い出した。よし、それで暖まろう。
午後7時半、道の駅到着。手前のレストランは営業していたが、奥の食堂と売店のシャッターは降りている。閉店は午後7時だった。仕方ない。自販機のコーヒーで我慢しよう。
コーヒーを飲みながらしばらく待ったが、雨がやむ様子もない。諦めて走ろう。
ブルベの事前の案内で、ここからは路肩も狭いので歩道を走った方が安全とあった。前回の青葉200でも同じ道だったが、昼間でもあり車道を問題なく走ることができた。しかし、今は怖い。白線も見えないし、対向車のライトも恐怖だ。素直に歩道を走ろう。1に安全、2に完走だ。
歩道は明神前までずっと続いているのかと思ったが、途中で工事中となり切れている部分があった。ここは勝負! 必死でクルマから逃げまくる。
明神前に無事たどり着き、左折して山中湖畔を走る。ここも路肩は狭いが、クルマの通行量が減ってきたこともあって何とか走れていた。ところが、途中から道は真っ暗になった。路面状態はまったく見えない。路肩の白線はなく、センターラインだけが頼り。ほとんど車道の真ん中を走っている。後ろからクルマがくれば、明るく照らしてくれるので路肩へ寄ってスローダウン。クルマが通り過ぎた後は一気に暗くなるので、必死に目をこらしてセンターラインを探す。
路面状態もまったく分からない。何度も、水たまりに突っ込んだし、対向車に水しぶきをぶっかけられた。ここまで来ると、もうどうにでもなれだ。いくら濡れてもいいから、生きて帰りたい。思うのはそれだけだ。
午後8時21分、平野の第4PC。220キロ地点
山中湖を過ぎるあたりから雨が上がってきた。
第4PCに先着していた方と「雨が上がって良かったですねぇ。このまま道志みちじゃ、大変でしたね」とちょっと余裕で話すことができた。
補給していると、例の3人組と、他に2~3人の方が到着した。秋山でパスされた若いローディーの方もいた。青葉200でも見たヒゲの黄色いウインドブレーカーの方もいた。もう今回のPCではおなじみのみなさんだ。こんな状況だと、みんなが戦友という感じに思えてくる。
ほぼ全員が炊事用のビニールの手袋をしていた。「でも、やっぱり冷たいよ。間から水が入ってくるし」。何かいい方法はないものか。私はと言えば、冬用の手袋のなかは水分たっぷり。でもこれで行くしかない。
団体のバスが到着し、若い女の子で大盛況のセブンイレブンを後に、また単独で、最後の峠、山伏へ向かう。
山伏トンネル突破。霧だ・・・
真っ暗だ。街灯ひとつない。ここでライト3つが役に立つのか?
EL520は強力だった。これひとつでも十分という感じ。言い換えれば、他のライトがあまり効果的ではないということだ。EL520を2つ付ければ、かなり明るいと思われる。次回はそうしてみるか。また前輪に付けたライトが、振動で点灯から点滅へすぐ変わってしまうということも分かった。逆は変わってくれないので、何度も止まって「点灯」に直した。
何度か上った道だし、距離も短いので真っ暗な道でも上ることができたが、これが初めての道だったら無理だったかもしれない。
怖さから知らず知らずのうちにスピードアップしたのだろうか。意外と早く山伏トンネルに到着した。雨は降っていないが、霧が凄い。さあ、命がけのダウンヒルの始まりだ。
意外と明るかった道志みち
真っ暗な道を予想していたが、山伏峠から先の道志みちは、カーブにはほとんど街灯があり意外と明るかった。一部、真っ暗なところもあるのだが、それも長くは続かない。霧にはまいったが、それでも何だか幻想的な世界を走っているような気がして、これはこれで良かったかなと思う。もちろん、路面がウエッティなので、慎重に慎重に降りていく。スピードも抑えめ。気を抜くと、暗闇にズドンだ。
午後11時00分、最後の第5PCセブン津久井青山店。265キロ地点
道志みちをそれほど苦労することなく降り、青山からの坂を上って下りる途中が最後のPC。というか、最初のPCに戻ってきたことになる。到着してしばらくしたら、おなじみのメンバーが到着してきた。このままのペースで行けば、ここにいる全員が完走だ。厳しい道はもうないので、何となく安堵感が漂う。「自宅が座間なので、このまま帰っちゃおうか」なんて冗談も飛ぶ。寒さもそれほど感じない。
最後の補給はエクレア!
最後のひと踏ん張り、の前にエクレア補給。
他のみなさんとはなかなかタイミングが合わないので、またまた単独でスタート。
どのあたりだったかもう忘れたが、また雨が降り出した。
そして、ケツが猛烈に痛くなり始めた。信号ストップでじっとしていると辛い。走っているときの方がまだマシだった。
午前1時10分、ゴ~~~~ル
ゴールは午前1時過ぎ。密かな目標は午前0時までに戻ってくることだった。それは果たせなかったが、初めて300キロを走ることができた。それも厳しいコースと、厳しい天候の中を。良く走ったなぁ。峠も足を着かずにすべて登れた。自分をちょっと褒めてあげても、いいッスよね。
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◆サイコンによる記録(ブルベのみ)
距離 301.43km(プラス自走往復28km=329.43)
平均時速 20.5km/h
走行時間 14時間40分11秒
グロス走行時間 18時間10分
最高速度 57.6km/h
※07年の通算 3277.21km
ロード 1999.27km
BD-1 1241.58km
MTB 0036.35km
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翌日は洗車日和。首、二の腕、肩、腰、太もも、腹筋、ヒザ、そしてお尻。数々の痛みに耐えて洗車しながら、「当分走りたくないかな」とか思ったりして・・・。
でも、またエントリーしちゃうんだろうな(笑)。
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