※恩田陸(1964年宮城県生まれ。91年、第3回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となり、「六番目の小夜子」でデビュー。05年「夜のピクニック」で第26回吉川英治文学新人賞、第2回本屋大賞受賞。07年「中庭の出来事」で第20回山本周五郎賞受賞。17年「蜜蜂と遠雷」で第156回直木賞、第14回本屋大賞受賞。主な著作に「ネバーランド」「黒と茶の幻想」「上と外」「ドミノ」「ドミノ in 上海」「チョコレートコスモス」「私の家では何も起こらない」「失われた地図」など)
●第1作もただただ笑って読みましたよ
1億円の契約書を待つ生保会社のオフィス。下剤を盛られた子役の麻里花。推理力を競う大学生。別れを画策する青年実業家。間違えられた「どらや」の紙袋を巡って昼下がりの東京駅で繰り広げられる、ノンストップハチャメチャドタバタ喜劇。見知らぬ者同士がなぜか絡み合い、運命のドミノが倒れてゆく!
続編「ドミノ in 上海」を先に読んでしまい「最悪のことが最悪のタイミングで起こる」展開はそれなりに予想できたのだが、それでも理屈抜きで面白い。続編も抱腹絶倒だったが、20年前に書かれた第1作も色あせない「大傑作」。27人と1匹と多すぎる登場人物もそれぞれの個性が強烈過ぎ、「誰だっけ?」なんてことにはならない。すべて頭にすんなり入ってくる。描写も分かりやすくスピーディー。まるで映画のようにそのシーンが想像できてワクワクする。いや、映画化しなかったの? 恩田さん、やっぱり巧い! 第1作もただただ笑い、夢中になって読みましたよ♪
冒頭にあった「人生における偶然は、必然であるーーー」。まったくその通り。
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