63. 一流の人に学ぶ 自分の磨き方 (スティーブ・シーボルト著 2012年3月)
177 Mental Toughness Secrets Of The World Class(by Steve Siebold Copyright © 2010 弓場隆 訳)
『 本書のテーマは、普通の人が、一流のレベルに達することができるか、ということである。答えはイエスだ。ところが大多数の人は挑戦しない。夢を実現する能力を持っているのに、やろうとしないのだ。その理由は、できると思ってないからである。 』 で始まる。
著者は、20歳までプロテニス選手として、世界のトップ10の目指したが、力が及ばずテニス界から引退して、一流の人の成功の秘訣を解明する決意をし、20年に渡り、著名人の話を聞き、彼らの本を読んで得たことを177の秘訣として、まとめたのが本書である。(本書は直訳すると、メンタル タフネス(強靭な心)、177のシークレット(秘訣)ワールドクラス(一流の)となる)
この秘訣とは、理論でなく、実用的な思考、習慣、哲学であり、ある意味だれでも実行可能な177の秘訣である。今回は、この中から私(ブログの作者)が選んだ24個の秘訣を、わたくしの68年の人生経験を交えて、紹介いたします。
『 「一流の人は選択の力を知っている」 一流の人は自分の選択によって慎重に人生を構築する。自分が選択する力を持っていることを知っており、その選択の積み重ねが運命を支配していることを知っている。(選択には、様々なレベルがあるが、小さな選択であっても、集積すると大きな違いを生む、無論、大きな選択の場面は、運命をも左右する。)
「一流の人は引き寄せの法則を実践している」 一流の人の最大の秘密の一つは、人間は自分が考えているものを引き寄せるという法則を実践していることだ。(自分がこうにありたいと望んでると、その情報が集まり、関連する人々に出会ったりする、知らず知らずにそのことのための準備がなされる。)いわゆる「引き寄せの法則」と呼ばれる。
「一流の人は大きく考える」 一流の人は大きく考えて輝かしい未来を創造する。彼らは人生を楽しいゲームと考える。その結果、ますます大きく考え、大きな夢を実現する。(私たち市民でも、難民でも、世界の潮流に翻弄される。家族の食事用燃料を何にすべきかさえ、世界のエネルギー状況、地球環境を考慮しなければならない。)
「一流の人はどんな状況でも落ち着いている」 一流の人はプレッシャーがかかる状況でも落ち着いている。一流の人は「この状況は生死に関わることでない」と自分に言い聞かせ、平常心を保つことを心がけている。(自分の人生の危機的状況に於いても、現実をしっかり受け止め、現状を分析し、一呼吸置いて、次の手を打つ。慌てふためいて我を見失って、次の手を打ってはいけない。) 』
『 「一流の人は自分に熱っぽく語りかける」 一流の人はセルフトークの力を知っている。セルフトークとは、心の中で絶えず自分に語りかけている言葉のことだ。すばらしいアイデアを思いつくと、そのアイデアの魅力を自分に熱っぽく語る。(自分の中でそのアイデア(テーマ)について反芻することによって、そのアイデアの骨格、実現までのマイルドストーン、アイデアの意味が、明確になる。)
「一流の人は現実を直視する」 一流の人は自分に正直で。現実を直視している。だから頂点に上り詰めるためには、幻想を抱かず不断の努力が必要であることを知っている。(ある困難に直面した時、現実を直視して、現実の自分を受け入れることは、平素から鍛錬していないと、人は逃避しようとするものである。)
「一流の人は入念に準備する」 一流の人は準備に余念なく、詳細な計画を立てる。彼らにとって、詳細な計画を立てずに物事に取りかかるのは論外である。ろくに準備もせずに、事に当たり失敗する例を、多く見て知っている。(事に当たる前に、事前に情報を収集して、あらゆる状況をシュミュレーションして、マイルドストーン設定し、どのようなトラブルが発生するかを想定する。)
「一流の人は仕事を大いに楽しむ」 一流の人が成功を収める秘密の一つは、仕事を大いに楽しんでいることだ。彼らは時間をかけて自分の生来の才能を見極め、情熱を感じる仕事を選択し、自分を厳しく律しているが、いつも純粋な気持ちで仕事を楽しみ、何があってもやり遂げるという不屈の精神を発揮することができる。
「一流の人はチャンスをつくり出す」 一流の人は、チャンスは待つものではなく、自分でつくり出すものと考えている。チャンスをつくり出せばつくり出すほど、チャンスがチャンスを呼ぶことを知っているからだ。(チャンスにも様々なレベルがあるが、自分で一歩前にふみ出して、僅かでも貢献することによって、チャンスの芽は生まれるのではなかろうか。) 』
『 「一流の人は観察力を養う」 一流の人は、現状を打開するために新しいアイデアを絶えず探し求める。彼らは何をするにも、より便利で、より早く、よりよい方法があると信じ、創造性を発揮してその発見に努める。創造性を発揮する方法の一つはさまざまなことに興味を抱いて観察力を養うことだ。そして自分と無関係な分野での発見が問題の解決に役立つことを知っている。
「一流の人は成功を正しく理解している」 一流の人にとって、お金と所有物は成功そのものでなく、成功の副次的産物にすぎない。彼らは成功は単純なコンセプトであることを知っている。すなわち、家族、仕事、人生に最善を尽くすことだ。彼らは「ほかに何があるのか」と言う。そして、成功とは、ビジョンに向かって前進することだ。
「一流の人は習慣を重視する」 一流の人は、習慣とは成功への道だと考えている。だから絶えず習慣を強化する。たとえば運動や節制、早い出社がそうだ。彼らは習慣に秘められた大きな力に畏敬の念を抱いている。だから一日でも気をゆるめると、自分が堕落すると考えている。そして、習慣の力を人生のすべての領域で活用する。
「一流の人はほんの少しの違いを大切にする」 一流の人はライバルから抜きんでるためにほんの少しの違いを重視する。究極的にそれが成否を分けることを知っているからだ。 』
『 「一流の人はエネルギーにあふれている」 一流の人の成功を後押しする力は、心と体と魂のエネルギーである。彼らはポジティブな思考によってエネルギーを生産している。そして運命に愛されていると信じ、どんなに事態が悪化しても、目に見えない力が助けてくれると考えている。この信念はやがて現実となり、心と体と魂のエネルギーを増大させる。
「一流の人は常に心を開いている」 一流の人は大きな成功を目指して常に心を開き、新しいやり方を取り入れて発展を遂げる。それが彼らの成功の一因だ。
「一流の人は好奇心が強い」 一流の人は常に好奇心を抱き、絶えずなんらかのヒントを探し求める。好奇心の根底にあるのは、アイデアが成功につながるという信念だ。彼らは観察力に富み。「なぜ?」「どうやって?」と自分に問いかける。子供のように好奇心を持ち、何かを学ぼうとする意欲が旺盛だ。日常的な事柄ですら興味を抱いて探求する。
「一流の人は感謝の心を持つ」 一流の人は問題に直面しても平常心を保ち、創造性を発揮して問題を解決する。その秘訣は感謝の心を持つことだ。感謝の心は意識を高めて潜在能力を活性化するのに役立つ。そして、感謝している事柄をいつも思い浮かべ、創造性を豊かにすることを習慣にしている。 』
『 「一流の人は謙虚さの重要性を理解している」 謙虚さは周囲の人の助けを得るのに重要な役割を果たす。一流の人は謙虚さをいつも心がけている。人々に影響を与えて支援を取り付けるうえで不可欠であることを知っているからだ。たとえ一流の人でも、成功よりも失敗の方がはるかに多い。だから彼らは成功者になってからも謙虚さを忘れない。
「一流の人は正直の大切さを知っている」 一流の人は自分が正直であることを誇りに思っている。彼らは自分のするすべてのことに正直さを貫き、それについて妥協しない。本物の勝利とは苦しみながら人格を磨いて正直な方法で手に入れるものだと考えている。人格それ自体が財産だからである。
「一流の人は約束を果たす」 一流の人は大きな約束をして、それと同じかさらに大きなことをする。彼らは何かをすると約束したら、必ず約束を果たす。それは彼らの習慣の一つである。たとえば、すぐに折り返し電話をするとか感謝の手紙を書くといった些細なことを誠実に実行するのだ。なぜなら、それが信頼につながることを知っているからだ。
「一流の人は常に偉大である」 時おり業績を上げる人はたくさんいるが、一流の人は常に業績をあげる。その要因は、行動が思考と合致しているからだ。彼らは目標について、鮮明な映像を思い描きながら行動し、そのための代償を払う決意をして前進を続け、どんなに苦しくてもひたすら耐える。 』
『 「一流の人は変化を歓迎する」 一流の人は、激変する環境の中で不断の自己刷新が繁栄を築き上げる方法であることを知っている。彼らは変化を恩恵とみなして適応力を発揮し、今こそが良き時代であることを知っている。
「一流の人は自由を愛する」 自由とは、自分の選択に従って信念を持ち、行動し、潜在能力を発揮する権利のことだ。一流の人は自由を最大の財産の一つとみなす。偉大なる機会は、自分の生き方を選択し創造する自由から始まる。
「一流の人は多様性を歓迎する」 一流の人は、特定の思想や信条、宗教、哲学の持ち主だけが優秀だという考え方を排除する。彼らはすべての人が社会になんらかの貢献をしていると確信し、異なる思想や信条、宗教、哲学の持ち主の多種多様なアイデアを歓迎する。彼らは愛と豊かさにあふれているので、自分と異なるタイプの人を寛容な精神で受け入れることができる。 』(第62回)