チェロ弾きの哲学ノート

徒然に日々想い浮かんだ断片を書きます。

物は置き場所、人には居場所(その4)

2016-09-30 08:54:33 | 哲学

 物は置き場所、人には居場所(その4)   日常をデザインする哲学庵  庵主 五十嵐玲二


 3. 置き場所について

  a. 和箪笥、洋箪笥、クローゼット、押し入れ、収納室

  b. 靴箱、傘立て、物干し竿

  c. 冷蔵庫、食器棚、調理用具入れ

  d. 机の引き出し、小引き出し

  e. 物置

  f. 本棚、サイドテーブル

  g. 車庫

  h. 書類入れ(小引き出し)、金庫

  i. アルバム立て、本棚、机の引き出し

  j. パソコン机

  k. アトリエ、書斎、音楽室

  l.  壁、棚

  m. レコード棚、CDラック

  n. ビデオ棚、

  o. 医薬品箱(小物入れ)

  q. 裏玄関(ごみ分別容器)


 私も書いていて、置き場所の全体像も、置き場所についての体系も解かっていないことが、改めて気がつきました。置き場所を決めることは、大切なことです。

 自分自身や他の家族が、それを必要とするときに、すぐに見つけられ、使った後に戻しやすことも重要です。置き場所で必要なことは、1~2割の空間を持つことです。

 置きやすく、整理しやすく、使用空間にスムースな導線で近いことです。さらには、それを使用する作業空間が確保されていることです。

 物を大切にし、物の機能を最大限に発揮させ、物に囲まれた豊かな生活を送るためには、物の全体像を私たちが把握し、物が物自身の置き場所を確保し、必要とするときに、いつでも使用可能な状態を保ちたいものです。

 そして、私たちの生活に於いて、これこれを行いたいと思うとき、これこれの道具や物が、活躍してくれるというイメージを私たちの頭の中で考えることが、大切なことだと思います。 (第4回)


物は置き場所、人には居場所(その3)

2016-09-26 07:51:03 | 哲学

  物は置き場所、人には居場所 (その3)   日常をデザインする哲学庵  庵主 五十嵐玲二


2.物についていくつかの分類方法について

 a. 耐用年数による分類

  ① 常に消費される物

    食べ物、飲み物、石鹸、電池

  ② 洗って再使用される物

    食器、衣服 

  ③ 2,3年~数年で更新される物

     衣服

  ④ 数年~数十年に渡って使用される物

     電気製品、家具


 b. 自分にどのように役立つか

  ① 自分の体を支えるための物

    食べ物、飲み物

  ② 自分を暑さ、寒さから守り、輝かせる物

    衣服、靴、石鹸

  ③ 自分に必要な情報を供給する物

    新聞、雑誌、テレビ、ラジオ

  ④ 自分の心の支えになる物

    本、CD

  ⑤ 自分の能力を伸ばすための物

    絵筆、楽器、絵筆、万年筆、ゴルフ用品

  ⑥ 自分を楽しませる物

    テレビ、インターネット、雑誌、CD

  ⑦ 自分を経済的、社会的に支えるための物

    預金通帳、不動産権利書、株券


 c. 生きるために必要とするレベル

  ① 命をつなぐために、必要最低限なレベル

    水、食べ物、暖房

  ② 社会生活を営む上で必要なレベル

    衣服、学問、仕事

  ③ 自分のアイデンティティを保つために必要なレベル

    自分の居場所、趣味

  ④ 家庭を支えるために必要なレベル

    仕事

  ⑤ プチ贅沢のレベル

    旅行

  ⑥ 豪華なレベル

    別荘


 d. 自分の可能性をひらくための物

  ① 自分の足の可能性を引き出す物

    歩く、走る、泳ぐ、自転車、サッカーの技術を磨く

  ② 自分の手の可能性を引き出す物

    ピアノを弾く、絵を描く、ギターを弾く、機織りをする、木工工作をする

  ③ 自分の頭の能力を引き出す物

    文章を書く、絵コンテを書く、名著を読んで感想を書く、俳句をつくる、短歌を詠む、歌を歌う

  ④ 自分の得意なものを指導する(自分の能力に磨きをかける)

    公民館活動などを通して

  ⑤ インターネットを活用して、経済を分析する(自分の能力がどの程度かを把握する)

    3ヵ月~3年先を予想し、文章にして置き、何故はずれたか、今後精度を上げるためにはどうすべきかを、考える


 e. 自分の家庭内に持ち込むルールと家庭内から廃棄するルール

   ① 家庭内に不要なものは持ち込まない

   ② 特別な場合以外は、重複する機能のものは、原則として、一つにする

   ③ 使えるのか、使えないものか、直して使うものかの一定の基準を設ける

   ④ 家の中に、合成樹脂のものは、極力持ち込まない

   ⑤ すぐに飽きの来るものは家の中に持ち込まない

   ⑥ 本は極力図書館を利用する(本を置くスペースがない、その空間を他の用途に利用したい)

   ⑦ 税金のかかるもの、置いておくだけで経費のかかるものは持たない。(お金をほかに使いたい)

   ⑧ 物が家の中に、どのような体系であり、それぞれがどのように機能を分担しているかを、把握しようと努力する(さらに言えば、自分の家をどのような物で構成されるのが、理想なのかをイメージする)

   ⑨ まず、自分の家の冷蔵庫の中を、把握し、理想の形態をイメージして、それに近づける

   ⑩ 家庭内の物が、家族全員がどこに何があり、使い終わった時、同じ場所し戻す、そしてそれぞれの置き場所に担当者を決める

   ⑪ 家の中の物の秩序は、エントロピーの法則で、常に乱れますので、毎日、毎週、毎月、シーズンごと、毎年、3年に1回、十年に一回、30年に一回見直し、直したり、洗ったり、補充したり、廃棄したりします

   ⑫ 家の中に、常にスペースとゆとりを確保する


  このようなに、取り止めのない事を書きましたが、家庭内の物を体系的に捉えるための試みを行ってみたつもりです。ただし全体像は把握されてなく、かと言って体系的にもよく解かりませんが、試行する価値は十分にあると考えます。(第3回) 


 物は置き場所、人には居場所 (その2) 

2016-09-24 09:12:24 | 哲学

 物は置き場所、人には居場所 (その2)    日常をデザインする哲学庵  庵主 五十嵐玲二


 1. 物とは何か、物はどのように分類すべきか

 ここで言う所の物とは、家庭生活で必要とするものを指します。例えば、人間が生きてゆくために最も必要なものとは、水ですがこれを物と認識すべきか微妙ですが、これも物です。

 水も水洗トイレの水から、洗濯のための水、食器洗いの水から飲み水と多様ですが、世界的に見て安全な水がこんなに豊富にある国は、むしろまれな例です。

 日本では上下水道が完備していますが、海外での難民キャンプやスラムでは、一番重要な問題ですが、ここでは物から除外して考えます。

 a. 衣類、靴   洗濯機、ミシン、アイロン

 b. 食品、飲み物   食器、調理器具  冷蔵庫、ガス台、シンク

 c. 机、テーブル、椅子、ベット、布団   掃除機、クーラー、トイレ、バス、ストーブ

 d. レジャー、スポーツ用品

 e. 本、雑誌、新聞、教科書

 f. 自動車関連、除雪機、自転車

 g. 預金通帳、カード、パスワード、現金出納帳、貸借対照表(資産目録)、領収書

 h. 不動産の権利書、契約書、保証書、卒業証書、免許証、保険書、パスポート、印鑑、鍵

 i. アルバム、ノート、手帳、手紙、会報、住所録、電話帳、文房具、電化製品の説明書

 j. パソコン、スマホ、電話機、プリンター、用紙

 k. 趣味の道具 (楽器、キャンパス、絵の具、筆、写真機材、楽譜)

 l. 美術品、ガラクタ

 m. レコード、CD,ステレオ、ラジオ、音響関連

 n. テレビ、ビデオ、映像関連

 o. 医薬品、歯ブラシ、洗顔料、整髪料、

 p. メガネ、時計、アクセサリー、服装小物

 q. ごみ分別容器


 以上が私がリストアップしたものですが、どのように体系化すべきかは、分かりません。最初は、衣食住で分類すれば、簡単かなと思いましたが、やってみるとそうはいきませんでした。

 物は、何かの機能を受け持って、私の身のまわりに存在し、私の生活を支え、さらには、私の生活を豊かにし、能力を発揮するために存在します。

 物は、製作されて、使用されて、故障して、修理され、寿命と判断されて、廃棄されるという流れの中にあります。現在では、この中の修理されて、再使用されるという部分が希薄になったと感じられます。

 これらの中で注意が必要なのは、鍵、パスワード、電化製品の説明書です。これらの数が多くなり、それらが更新される時、本体との関係を記述し、更新することが、むずかしくなります。

 鍵は歴史も実態もありますが、パスワードは実態がなく、ノートを作成したとしても、何のパスワードかを記述することが非常に難しく、ある時、突然パスワードを要求されても、まったく記憶にないのが、現実です。

 まして、これからの高齢化社会では、パスワードは、できるだけ少しにすべきです。今後が大きな社会問題となる可能性すらあります。

 人は、どのような体系のもとに、物に囲まれるべきかという問題に対して、部分的には多くの本が出されていますが、正面から全体像を捉えているものは、私の知る限り無いように思われます。 (第2回) 

 

 


物は置き場所、人には居場所 (その1)

2016-09-23 08:40:30 | 哲学

 物は置き場所、人には居場所 (その1)    日常をデザインする哲学庵  庵主 五十嵐玲二

 

 この格言は、現代に於ける様々な問題に対して、大きま方向性を示しているのではと、考えまして数回に渡って書き進めていきます。

 一見簡単そうに見える格言ですが、大きなテーマで、まだ見通しは立っていませんが、まず自分の考えるそのアウトラインを書くことによって、その第一歩を進めることができるのではないかと考えて書き始めます。

 この「物は置き場所、人には居場所」とは、ごく当然のことのようにおもわれますが、これを実現することは、意外に難しいものです。


 私は第一に、物とは何か、その全体像を捉えたい。居場所とは何か、その全体像を捉えたい。

 第二に、人はどのような居場所を望み、どのように社会と繫がりたいと考えているのか。

 第三に、人の居場所は家の中や家庭の中や、社会的生活の中で見出されます。このため社会とは何か、社会活動とは何かを考えなければなりません。

 第四に、人の居場所は、社会的役割や社会的経済活動の中で、見つけられるのが望ましいのですが、そう思惑通りにはことは運びません。

 第五に、昭和30年代まで、家には昼間家族以外の誰かが居て、父や母と何らかかの話をしていたものです。お店で物を買う時にも、一対一で何らかかの会話をしながら、買ったものです。

 マニュアルによる ”いらしゃいませ” ではなく、一対一の本当の自分の声による会話の場を社会に復活させることが、個人と社会を活性化させるための一手目ではないかと考えてます。

 第六に、この「物は置き場所、人には居場所」をよく考えてみますと、私の「日常をデザインする哲学庵」の標語とすべきなのかもしれません。

 第七に、”物は置き場所”と関連して、情報を自分の頭の中にあるネットワークのどこに位置づけ、どのように体系化するかも、重要です。これは、”情報の体系化”とも呼べるものです。 (第1回)