148. リストマニアになろう! (ポーラ・リッツォ著 金井真弓訳 2016年6月)
Listful Thinking : Using List to Be More Productive, Highly Successful and Less Stressed Copyright©2015 by Paula Rizzo
今回は、本書の内容に基づいて、私なりの考えを交えて、書いていきます。
原題は、リストフル スインキング(Listful Thinking )で、「リスト活用思考法」すなわち、リスト(箇条書き)によって、考えることを手助けし、実現する。
リストを使って、効率よく生産的に、充実した成功をストレスなく実現する(Using List to Be More Productive, Highly Successful and Less Stressed )とあります。
著者は、ニューヨークでテレビ局の美人プロデューサーで、自分が望んだことは、すべて実現してきため、それがリストを活用したせいかは、不明である。
最初に、リストを分類します。
(1) ToDoリスト(やることリスト)
私たちも、これは無意識に実行しているとおもいます。マドンナ、マーサ・スチュアート、リチャード・ブロンソン、ジョン・レノン、ベン・フランクリン、ドナルド・レーガン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、トーマス・エジソン……。
成功者、多くのCEOや多忙な企業家はリストを使ってさまざまなアイデアや考え、いろいろな課題を記録してます。
仕事の予定を前日に、ToDoリストにして、それぞれのタスクごとに、予定時間を記入し、当日の朝に、手順をチェックし、実行します。
(2) チェックリスト
チェックリストは、ミスを犯す可能性のある複雑な作業での、ミスを防ぐための確認事項をリストの形にしたものです。
飛行機のパイロットには飛行中に問題が起きた場合に備えた緊急時チェックリスト以外に、飛行前点検のチェックリストもあります。
「パイロットは自分の行動を心得たプロなのだから、飛行前点検のチェックリストなんて不要だ」と思われるかもしれません。
でも、プレッシャーを感じているときは、ごく単純な手順さえ簡単に忘れてしまうものです。
パイロットは、コックピットに収まってから目的地に到着するまで、点検するチェックリスト数は、13あるそうです。
2008年、ガワンデ医師のチームは、19項目のチェックリストからはじめ半年後、研究対象である8つの病院で、主要な術後合併症が36%低下したという結果がでたそうです。
チェックリストを、自分のものとするために、常により良いものにしてゆくことも大切です。
(3) アイデア リスト
あるテーマについて、思いついたアイデアをリストの形にして書き溜め、そこからストーリーを作り出し、形あるものにする。
自分の頭に思い浮かんだ、さまざまな事柄を、紙の上に書き出すことは、セラピー効果があるそうです。思いついたことを、書き出してみると、自分も知らない自分を発見することも、稀ではありません。
アイデアリストの項目を分類し、実現すべきアイデアは、ToDoリストに落とし込み、実現させます。
(4) イベント(会)のリスト
イベントを行なうためには、Who(誰が)参加者は、What(なにを)何を中心に据えるか、Where(どこで)場所はどこで、When(いつ)何月何日何時から、何時間、Why(なぜ)どのような趣旨で……準備をします。
参加者への通知、当日のプログラム、料理のメニュー……のプログラムを準備します。さらに予算を立てます。
(5) 良い点、悪い点リスト
人生で大きな決断をする時、できるだけ多くの選択肢をリスト化して、それぞれのメリットとデメリットをリスト化し、結論として、選択した理由を記述する。
(6) 調べものリスト
まず、知りたいことをリスト化し、調べた結果をリスト化する。これらのリストを蓄積すると、自分が何を知ろうとしているのかを知ることができます。
(7) カタログリスト
読む本リスト、レストランリスト、閲覧したいウェブサイトリスト、人からもらいたい贈り物リスト、……。
(8) 人生リスト
高齢者であれば、死ぬまでやりたいことリスト、若ければ、一、二十年で、やりたいことリスト。これらはリストにして、常に見直していると、最初はほんのわずかですが、少しづつ書いたことが近づいて来るものです。
(9) その他のリスト
感謝することリスト、買物リスト、話すことリスト、財政状況リスト、引っ越しリスト、荷造りリスト……。
三分間のスピーチでも、要点と起承転結をメモして、話をすると、少しづつ上手くなるものです。
財政リストは、収入、支出、ですが、支出の中で、仕方なく払う例えば、税金、電気料、などと、自分が希望して選択した支出を分け、資産リスト、……。先ずは現状を知ることから、始めるべきです。
次に、リストをつくる「6つのプラス面」
(1) 不安が減って時間が増える
(2) 脳のパワーが高まる
リストをつくるときに使う脳の一部は、ふだんは使わない部分。だから、人生をきちんと整理しながら、脳の力をアップさせて冴えた状態でいられるわけです。
(3) 目的に集中できる
忙しい生活を送っていると、物事に集中することがだんだんむずかしくなります。リストがあれば、邪魔が入る前に自分がやっていた作業に戻るのが簡単になります。
(4) 自信が高まる
リストから項目を消すことによって、達成感が生まれ、リストをつくることが、物事をコントロールできているという感覚が身につきます。
(5) 思考を整理できる
思いついたすべてのことを、リストを書き、目標の達成に役立つあらゆるステップを考えると、これから待ち受けているものに立ち向かう用意ができたように感じます。
(6) 心の準備ができる
いつも手元に、メモ帳と筆記用具を置いています。私は、A4クリップボードとA4のコピー用紙に、愛用の万年筆でメモをし、分類し、紙ファイルにファイルします。
ToDoリスト(やることリスト)のつくり方「5つのステップ」
(1) ひたすら書き出す
やるべきことが思い浮かんだらすぐに書き出す。
(2) リストを整理する
仕事、家庭、子ども、娯楽というように、種類別に中身を分ける。生活の領域ひとつひとつについて専用のリストを作る。
(3) 優先順位をつける
締め切りや重要度に応じて、順位をつける。タスク(作業)には、時間を区切る。
(4) リストを書き直す
読みやすくきれいなリストをつくれば、いっそう目を向けたくなり、順番に項目を消していきたくなるでしょう。
(5) 何度でも繰り返す
リストを毎日つくり、いつでも、項目をつけ加えます。
やり遂げるための「6つの方法」
(1) リストを評価する
優先順位をつける。現実的になり、どれに取り組むことが道理にかなうかを判断できる能力は貴重です。適切で具体的なリストをつくると、あらゆる無駄を省くのに役立ちます。
(2) リストを強化する
より簡単なタスクをいくつかリストに入れておくと、ぐっと気分が良くなるでしょう。時には、簡単なタスクで弾みをつけたいものです。困難な項目を、実行可能な項目(タスク)に落とし込むことが、ここでの技術です。
(3) リストを他人に任せる
リストの項目をアウトソーシングし、本当はやりたくないことは、「ノー」と言って、自分の得意なことを行なう。
(4) 締め切りを設定する
締め切りの設定は、まだ終わっていないタスクを減らすことに役立ちます。できない項目は、一口サイズの項目にブレイクダウンする必要があります。できないのは、能力のせいではなく、実行可能なタスクに落とし込む技術と経験が不足しているのです。
「ポモドーロ・テクニック」という時間管理法があります。ポモドーロとはイタリア語でトマトのことで、トマト型のタイマーで、25分経ったら、作業をやめて少し休憩します。
(5) 自分へのご褒美を設定する
(6) 自分に思い出させる
一日に何度もリストを自分に思い出させるようにしています。 (第147回)