チェロ弾きの哲学ノート

徒然に日々想い浮かんだ断片を書きます。

概念アラカルト(その1)

2016-06-29 10:38:21 | 教育

 概念アラカルト(その1)     概念研究家  五十嵐玲二談

 概念アラカルトとしましたのは、私が役に立つと思われる概念、それが物事の本質を捉えていると考えられる言葉を、ランダムに書いていきます。

 本当は、概念辞書としたかったのですが、思いつくままに書くためアラカルトとしました。ア・ラ・カルト〔a la carte〕フランス語で”献立表から自由に選んで注文する料理”のことだそうです。

 学問とは、名著によって、優れた概念を習得することでもあると考えてます。とにかく思いつくままに書き始めます。


 (1) セエレンディピティー(serendipity)

 思いがけない発見。 

 現在この言葉は大衆メヂィアによって、幸運、偶然、あるいは出来事の幸運な展開といったゆるい意味で使われている。しばしば知性というファクターが抜け落ちていることがある。

 セレンディピティは、準備された心によって、予期せぬ観察が、求めていなかった何かに到達すること、あるいは何かを発見し、価値あるものになることを意味する。 

 幸運な偶然(チャンス)というだけでは発見には結びつかない。判断力を伴った偶然でなくてはならない。 

 ルイ・パスツールの有名な言葉「観察において、チャンスはよく準備された心にのみ微笑む」の限りにおいては、セレンディピティはチャンスと同義に扱われている。 (セレンディピティと近代医学 モートン・マイヤーズ著より)


 (2) エントロピー (entropy)

  1) 変化した熱量を絶対温度で割ったもの

  2) 統計力学的には、乱雑さの度合いを表し、確率の大きい方に向かう

 乱雑さ、無秩序、混沌、使用不可能なエネルギー量であり、ある系に於いて、自発変化(Spontaneous change)外部から何ら仕事を加えなくても起こる変化。

 たとえば、ビーカーに入った水に水溶性のインクを1滴たらすと、インクは全体に広がり薄まる。しかし、その反対に薄まったインクが集まって1滴のインクになることはない。

 又別の例として、白い米1Lと赤い米1Lを仕切りのある箱に、それぞれを左右に入れて、仕切りをゆっくりと引き上げると左に白い米1Lと右に赤い米1Lとして存在する。

 これをゆっくりと揺するとしだいに、ピンクの米2Lとなり、白い米粒と赤い米粒は混ざり合う。いくらゆすっても元の白い米と赤い米が左右に分かれることはない。

 S=KbInW 微視的状態の数(確率)Wの自然対数に比例する
       Kbは、ボルッマン定数 1.381*10‐23JK

 ΔS=KbIn(P2(状態2の確率)/P1(状態1の確率))
 すなわち、稀な確率P1から、より大きな確率P2へすなわちエントロピーΔSは不可逆的に増大する。

 一方熱力学的なエントロピーの定義は
 ΔS=dQ/Trev >= dQ/T 系に出入りした熱QをTrev(可逆) 融解や蒸発の絶対温度で割る

 エントロピーは、本来は乱雑な、無秩序な方向に向かい、太陽からの光エネルギーを受けても、単に温度があがるだけで、秩序ある方向へは向かわないというのが、エントロピー増大の法則である。

 しかしながら、地球は、水と生物と太陽によって、熱力学の第二法則が存在しているにもかかわらず、エントロピーに逆走しているように見える。 (地球と太陽と水と生物のエントロピー逆走物語) より

 私は、エントロピーについて書いていますが、私もイメージとしては理解しているつもりですが、それ以上のことは、現在も勉強中です。


 (3) サステイナビリティ (sustainability)

 sustainable 〔形〕 ”持続可能な” から、sustainability 〔名〕となり、”環境を破壊することなく資源利用を持続することができること” とあります。

 私が以前に書いた「里山文化での地球村サステイナビリティの模索」から、サステイナビリティについて考えてみます。 

  要旨 

 近代文明は、20世紀まで石油資源、金属資源、森林資源、水資源を利用して、科学技術力によって、今日の繁栄を見た。

 21世紀に入って、人口圧、塩害圧、過放牧圧、温暖化圧が増大してきたために、地球生態系の負荷を減らす方向に科学技術及び近代文明の舵をきる必要が生じた。 

 地球生態系の負荷を減らすためには、人間社会を生態系と切り離すのではなく、人間社会を生態系の一部分と考え、生態系の恩恵を受けると共に、人間の社会が生態系に貢献しながら、より高い文化を育む道を選択すべきであろう。 

 日本の里山文化は、千数百年に渉って、地球生態系と共存してきた。 しかしながら、日本人にも忘れ去られようとしている里山文化をもう一度科学的に、生態学的に、国際社会的に再構築し、21世紀の地球村に活用する方法を模索する。

  ここで、里山文化とは何か、主要な要素について考えてみる。

 ①    里山そのものすなわち、薪、炭材、下草、落ち葉の供給源であり、奥山を含めて、水源涵養林としての里山。 

 ②    里の田、畑で作られる稲作文化、さらに麹によって加工され、味噌、醤油、米酢、日本酒を含む醗酵文化。 

 ③    里山の教育を担った寺子屋文化は読み、書き、そろばんを基本として、さらには和算や、種子島に伝来した鉄砲を見て、自力で火縄銃を開発する高い学術のレベルを持っていた。 

 つぎに、里山文化を地球村で、生かすための試案を試みる。 

 a. 日本語をあらゆる手段で、国連の公用語として承認させる。これによって、日本語を通して、世界の文化と言語を学ぶ。 

 b. 日本人及び日本の若者が里山文化を研修し直して、進化させた日本文化を武器に、世界の若者と交流しながら、世界の地球村に新しい里山文化を作る。 

 c. 寺子屋文化は、数百年間に亘って文盲とは無縁であり、日本語は、漢字、ひらがな、カタカナ、英数字という可溶性、可読性、識意性にすぐれているため地球村の識字率の向上に貢献できる。


 (4) カテゴリー(category)

 人間が物事を認識する際のもっとも根本的、一般的基本概念。

 ① 範疇、種類、区分、部門

 ② 〔哲学〕範疇、カテゴリー

 ③ 〔生物〕門、科

 たとえば、生物は、次のドメインに分類されます、真核生物、細菌、古細菌。

 さらに、真核生物ドメインは、次の界に分類されます、動物界、植物界、菌界。

 動物界は、次の門に分類されます、脊索動物門、棘皮動物門、節足動物門、輪形動物門、棘胞動物門、海綿動物門、……。

 私たちは、脊索動物門から脊椎動物亜門にさらに、哺乳綱に分類されます。私たち人類は、哺乳類であり、脊椎動物なのです。

 植物界は、被子植物門、裸子植物門、シダ植物門、マゴケ植物門、……に分類されます。

 生物は分類学で造られているわけでなく、分類学は、私たちが考えやすいように切り分けてますので、時代とともに変わりますし、生物は進化論によって、進化したのですが、地球上の種の数が何百万種なのか、年千万種なのかも、実は解かってはいません。

 

 (5) コンセプト(concept)  (発音は(kansept)でカンセプトです。)

 ① 〔哲〕概念 ② 発想、着想

 考え、着想 〔idea、conception、concept〕 の順に抽象度が高くなる。

 製品の基本理念。たとえば小型ジェットがどのような基本理念(concept)によって、着想され、設計され、製造されたか。

 名著に於いても、どのような concept (基本となる考え)によって発想され、どのような構成にするか、それに従って、content (目次)が作られます。

 concept = con (一緒に) + ceive (取り入れる) の過去分詞 (ラテン語)

 content = con (一緒に) + tent (含まれたもの) (ラテン語)

すなわち、本を書くにも、製品を造るにも、絵画を描くにも、concept (着想)を明確にして、そのコンセプトのどこにオリジナリティが存在し、そのどこがすぐれた点かを明確にしながら、具現化することによって、一つの形あるものになります。 (第1回) 


世界の子供たちが水と食べ物を得るために

2016-06-25 10:41:19 | 選択

 多元的全体食のすすめ(十五)    食べ物研究家  五十嵐玲二 談 

 15. 世界の子供たちが水と食べ物を得るために

 世界の子供たちが安全な水と食べ物を十分に確保することは、現在でも十分ではありませんが、未来はもっと厳しいという予測の信憑性は高いと考えます。世界の子供たちの体と心の健康を保つためには、安全な水と食べ物は不可欠です。


 (1)  世界の人口の伸び率を緩やかなものにする。方法は難しいですが、衛生面の確保と教育で生活を向上させることによって、可能だと考えます。


 (2)  地球の肺である熱帯雨林とサンゴ礁とマングローブの森を守る。生物多様性の宝庫であり、炭酸ガスを酸素に変え、木の葉が水を蒸発させて、自動車のラジエーターの役割も果たして、地球を冷却してます。


 (3)  地球の血管である河(川)を守る。川は単なる排水管ではありません。河は、魚類、両生類、鳥類、爬虫類、哺乳類が生息し、彼らは、河を移動してます。(多くの魚類は、ある時期には、川を遡ります)。

 ダムは、川を分断するため、本来好ましくはありません。川が森と海を繋いで、魚と鳥でミネラル分を森に運びます。豊かな川が、豊かな森と豊かな海をつくっているのです。灌漑農業は塩害に陥る危険が大きい。


 (4)  砂漠化を避ける。砂漠化を避けるには、過放牧を避け、森林を所々につくって、放牧地と森林が混在していることが望ましい。農地も森林と農地が混在していることが望ましい。

 森林は、水源涵養林としての機能も果たします。水源涵養林は、子どもたちの未来のへ水を届ける唯一の方法である。


 (5)  モンサント社の除草剤ラウンドアップとその耐性遺伝子組み換え種子は、二三十年後には枯葉剤なので、何も生えないばかりか、枯葉剤の後遺症に苦しむことになります。少なくとも遺伝子組換え穀物には、その表示は最低限必要です。


 (6)  地下水は有限な資源なので、百年先を考えて計画的に使用する。地下水の汲み上げによって、地下水位が下がり、更には塩害が発生し、紀元前3千年前のメソポタミア文明の轍を踏むことになります。世界の食料の40%は灌漑農業で生産されてます。


 (7)  アグロフォレストリーの推進 (南米トメアスのアグロフォレストリーの父 坂口陞(のぼる))

    トメアスのアグロフォレストリーはコショウの栽培からはじまります。 コショウは病気に弱いので、 10年以内に枯れることを見越して間に野菜や果樹や樹木の苗を植えていきます。(一年目)

 コショウが枯れ、果樹が実をつけます。最も作物の種類が多く生産量が多い時期で、また最も二酸化炭素の吸収量が多いときとされています。(5~10年目)

 高木は葉を生い茂らせ、低木は高木の下で育ち、共存した自然な生態系が完成します。 『森』ができあがると果樹の生産量は落ち、後は材木として価値を得るまで育てられます。(20年以降)


 (8)  深海水を利用して、魚の養殖

   深海水をくみ上げて、ミネラル分の豊富な海水に太陽があたり、プランクトンが大発生する、人造湖をつくる。淡水と海水が混じり合う人造湖で養殖を行う。ただし採算の計算を厳密に行う必要がある。(膨大な初期投資が必要で、様々な試験が必要です)


 (9)  砂漠で太陽光の集光発電を行って、海水の淡水化を行う。これは膨大な初期投資を必要としますが、例えば、サハラ砂漠で、発電を行い、海岸近くで海水の淡水化を行って、農業と植林を行う。(これも、様々な試験が必要です)(サハラでの発電事業は様々なプロジェクトがある)


 (10)  キノコは、菌糸が木材を食べ物に変えるすばらしい技術です。森と食料を同時に手に入れる方法でもあります。シメジやナメコのみそ汁を世界に普及させる。


 (11)  蜂の子、イナゴなどの昆虫食の素材を拡大する。昆虫は栄養バランスに優れ、鳥類の主要な食糧である。その種類も多く多くの可能性は存在する。


 (12)  肉を減らして、穀物(精製の度合いを低くする)を多く食べる。牛肉1kgを得るためには、穀物を11~14kg必要です。豚肉を1kgを得るためには、穀物を7~9kg必要です。鶏肉1kgを得るためには、穀物4~5kg必要です。


 (13)  地球温暖化を抑え、海面上昇を押さる。海面上昇すると、河口のデルタ地域の農地が失われ、海洋大循環も止まる可能性があります。私たちは、使用するエネルギーを少し節約し、地球のラジエーターでもある熱帯雨林を守り、私たちのまわりに一本でも(小さくても)木を植えましょう。


 (14)  発酵食品は、食料を消化しやすく、栄養価を高め、食べ物を美味しくします。この発酵食品をさらに発展させると同時に、世界に普及させることも、重要です。

 発酵食品とは、お酒類、紅茶等、酢、醤油、味噌、納豆、魚醤、塩辛、かつお節、飯寿司、ぬか漬け、キムチ、チーズ、ヨーグルトなどを指します。


 (15)  キチン・ガーデン型農業の進め。

 キッチン(kitchen : 台所)、ガーデン(garden : 庭)のことで、裏庭菜園で、台所で必要なものを裏庭に植えて置くと、何も手を掛けずに毎年、収穫できるかたちです。手間のかからない、小樹木の果樹や多年草の野菜や山菜です。

 南の国では、バナナ、サトウキビ、ヤムイモ、パンノキ、タロイモなど様々に構成され、小さな裏庭でも、流通経路をすべて省いて、直接胃袋ですので、極めて省エネで、子供たちがどのように植物が成長し、どこが食べ物になるか、収穫の歓びと感謝することを学びます。

 さらには、全体食の大切さを学び、健全な体と健やかな心をかたちづくります。


 (16)  農地のサステイナビリティ(sustainability : 持続できること)を考える。

 農地は、意外に持続性のないものです。特に単一作物を毎年収穫すると、様々な問題が発生します。ここで言う持続性とは、少なくても数百年の単位です。東南アジアの水田による稲作農業は、数百年の時を経てもびくともしません。

 ナイル川河口のエジプトのデルタ地帯の農業は、ナイルの豊かな洪水によって、スフインクスの時代から、クレオパトラの時代を経ても数千年の間、豊かな収穫を保持してました。

現代では、アスワン・ハイ・ダムが建設され、1970年代から、灌漑による洪水のない農業になりましたが、現在では、アラブの春どころか、深刻な塩害に悩まされています。この場合の塩害の主成分は、地中に存在した炭酸ナトリウムが、地表に析出する現象です。

 さらには、土壌の使い捨て農業、除草薬、殺虫剤の集積など、現代科学技術がさらに問題を深刻にしてます。


 (17)  農業と料理と医療と運動と仕事と学問を関連させながら、相乗効果を引き出します。これらは家庭に於いても個人に於いても、それぞれが別々に存在しているものでは、ありません。相互に関係しながら、家庭や人を形成してます。


 (18)  桃源郷となるモデルを造る。蜜源植物と蜜蜂と学校と植物園と食品加工場とレストラン、里山、農場、水源涵養林などからなる村をつくる。この桃源郷のプランに必要とする資金を株券として、出資してもらい、出資者は、季節ごとに、一泊二日で招待される。    (第15回)


 もう一度、目次を記載します。

 多元的全体食のすすめ  

 1. 多元的全体食の動機 

 2. 食べ物と栽培作物 

 3. 人類の雑食性の獲得と地理的拡散 

 4. 食べるということ 

 5. 食べることの精神的意味 

 6. 魚と貝と海藻と全体食について 

 7. 日本人としての食事の基本形とは 

 8. 食べること、学ぶこと 

 9. 好き嫌いと味覚の偏向

10. 人はどのように形成されるか 

11. 植物分類による野菜、果物、穀物について 

12. 調理器具と調味料について 

13. 食物の危険性について 

14. 理想の食べ物 

15. 世界の子供たちが水と食べ物を得るために   以上です。


理想の食べ物

2016-06-18 08:07:49 | 選択

 多元的全体食のすすめ(十四)    食べ物研究家  五十嵐玲二 談 

 14. 理想の食べ物

 私が、美味しくて、栄養バランスが良くて、経験的に体によいと思った食べ物です。これらは基本的には、日本の伝統的なものです。夕食の時には、少々のお酒があると、料理とお酒が引き立てあいます。


 (1) メザシ

 イワシ類の小魚を塩漬けした後、目から下あごへワラを通して数匹ずつ束ね、乾燥させたもの。軽く焼いて食べれば、イワシがこれから生きるために必要なすべての栄養分が含まれています。

 行政改革を主導した、土光敏夫元経団連会長は、メザシの土光と言われるほどの好物でした。


 (2) ワカサギの空揚げ

 私は北海道なので、春先水のきれいな時期の、生きのいいきらきらした、ワカサギに小麦粉を軽るくまぶして、揚げたワカサギにレモンを軽くしぼって、岩塩をふれば、ワカサギの精気をすべていただけます。


 (3) 胚芽米(五分搗き)とむかごと銀杏と栗の炊き込みご飯

 これは秋の味覚ですが、むかごの茶色と銀杏の緑、栗の黄色、お米の白で色彩的にも、味もカラフルで、それぞれが、翌春には芽を出す力をたくわえた、食べ物で、里の秋の恵みです。


 (4) カキの酒蒸し

 グリコーゲンのほか、アミノ酸やカルシウム、亜鉛などのミネラルをはじめ、海の栄養がすべて含まれるため、「海のミルク」と呼ばれます。白ワインか日本酒が引き立ちます。

 世界中で食べられてますが、日本人は縄文時代から、食べているそうです。


 (5) ウドとホッキの酢みそ和え

 ホッキとは、正式名称ウバガイのことで、日本海北部と茨城県以北の太平洋、シベリア沿岸まで分布し、冷水域の外洋に面した浅い海の砂底に生息する。 北海道ではホッキガイ(北寄貝)と呼び、アイヌではポクセイの呼び名があります。

 ウドのうす緑とホッキガイのピンクで、野菜としては、コクのあるウドとホッキガイの甘みを酢味噌で包みます。日本酒を少し添えると引き立ちます。


 (6) シジミのみそ汁

 日本の全体食を代表するシジミのみそ汁、昔から健康に良いことは、実証済みです。医食同源そのもので、時代小説でも良く取り上げられています。


 (7) 納豆と焼きのりと胚芽米(五分搗き)

 納豆にネギ、ノリとご飯、これにみそ汁と漬物で、日本の朝食の完成です。大豆を煮て納豆菌で発酵させることによって、消化しやすく大豆全体のタンパク質がとれ、ノリは海のミネラルが得られ、ご飯の胚芽部分を残すことで、お米の本来のパワーが得られます。


 (8) かぶとオクラとニンジンの糠漬け

 糠漬け(ぬかづけ)とは、米糠を乳酸菌発酵させて作った糠床(ぬかどこ)の中に野菜を漬けこんで作る日本を代表する漬物です。旬の野菜であれば、美味しく滋養に富んだものに変える、魔法の糠床です。

 糠漬けが漬物の王者といわれるのは糠床には、 たんぱく質、脂質、繊維質、カルシウム、リン、鉄、ビタミンA(カロチン)、B1、B2な、どを豊富に含むからです。つまりお米の胚芽の部分に貴重な栄養分があるからです。


 (9) ニシン漬け

 北海道の初冬に食べるのが、ニシン漬けです。私の家では、晩秋に大根、キャベツ、身欠き鰊、麹、天然塩をメインに、鷹の爪、ショウガ、人参、コンブで三週間ほど、冷たい所で漬け込みます。そして、初冬から食べ始めます。大根は、皮むきで皮をむいてから、短冊に切ってください。

 

 (10) ホッキカレー

 カレーを肉の代りに北寄貝を入れます。ジャガイモやニンジンは通常通り入ります。北寄貝が比較的安価な時に、貝柱、ひも、水管、身(足)の下の三分の一を、細かく切って、肉の代りに処理していきます。身(足)の三分の二の部分は、大きめに切って、煮すぎて固くならないように、最後に入れます。

 ご飯は、胚芽米に十穀米を加えてます。私はカレースパイを追加した、ちょっぴり辛めがすきです。北寄貝のうま味と炒めたタマネギの甘み、ジャガイモ、ニンジンとカレースパイス、十穀米で、五穀豊穣とはこんな感じなのかもしれません。


(11) ジャガイモとワカメのみそ汁

  ジャガイモのビタミン(白)、ワカメのミネラル(緑)、味噌のアミノ酸と栄養バランスに優れています。私は、ジャガイモと大根、ジャガイモと大根菜の組み合わせも好きです。(具だくさんの方が私の好みです)


 (12) むかごと銀杏のガーリックバター炒め

 むかごと銀杏を最初にガーリックと少しのオリーブオイルで、炒めます、後半に、バターを加えて炒めます。バターの素味でいただきます。むかごは、方丈記に「或は茅花(つばな:チガヤの花芽、食用となる)をぬき、岩梨をとり、零余子(ぬかご:むかごのこと)をもり、芹をつむ」とあります。ビールのつまみにもあいます。


 (13) 鮭の飯鮓

  飯寿司とは、ご飯と魚・野菜・麹を混ぜて、重石をのせて漬け込み、乳酸発酵させて作る主に北国ならではの郷土料理です。魚は、ハタハタ、鮭、にしん、ホッケなどで、キャベツ、大根、ニンジンなどの野菜と一緒に仕込みます。

 鮭は新巻鮭で、8度以下の場所があれば、可能です。鮭をスライスするには、きれる包丁と技術を必要とします。鮭と野菜のうまみが楽しめます。雑菌が入り込まないための配慮が必要です。


 (14) 茶碗蒸し

 ユリ根、干しシイタケ、栗、銀杏、三つ葉の茶碗蒸しです。料理屋さんでは、これに、ウニかカニかエビを入れますが、カツオとコンブの出汁と卵なので、特に必要はないとおもいます。

ユリ根は良寛さまの好物です。私たちもユリ根を食べて、良寛さまにあやかりたいものです。


 (15) 牛すじ肉のポトフ

 牛すじ肉、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、キャベツ、セロリ―、ソーセージ、かぶなどを土鍋で煮込む。牛すじ肉とソーセージは、大ぶりの野菜を美味しく食べるためのものです。


 これらの料理に於いて、家族の健康のためにまもるべきこと

 (い) 甘さは、赤砂糖又は黒砂糖、又は蜂蜜を使う

 (ろ) 塩は、天然塩か、岩塩を使う

 (は) ご飯は、胚芽米か五分搗き米を食べる

 (に) パンは、全粒粉を半分程度使う

 (ほ) 酸化防止剤、防腐剤、抗菌降下剤などは、極力避ける

 (へ) 酸化した油は避ける

 (と) 旬の食材を活用する

 (ち) かつお節は、500g入りの紙袋で削り節を送ってもらう。私も自分で削りましたが、技術が必要で、最後の方ではケガをしかねませんので、専門店で機械で削った、かつお節を買う方が、お得です。(出汁は、日本料理のベースとなるものです)。

 (り) お酒は、料理をより美味しくいただくためと、考えましょう   (第14回)

 


食物の危険性について 

2016-06-13 10:08:09 | 選択

 多元的全体食のすすめ(十三)    食べ物研究家 五十嵐玲二談

13. 食物の危険性について

 美味しい料理の話をしているのに、私もこの話をしたくありませんが、避けては通れません。本当は食物の安全性としたかったのですが……。食物が距離と時間を超越して、私たちの口に届くのは、喜ばしいことですが、そのためには代償をはらわざるを得ないのです。


 その一つ目は、殺虫剤、除草剤などが、ダニならダニにだけ効力があるのではなく、他の生物(人間も含む)に対しても有毒です。この事は、手作業で長期間にわたり殺虫剤を扱った人々が、後遺症に苦しんでいることでわかります。

 さらには、レイチェル・カーソンは、多くの困難を克服して、環境ホルモンの生態系への影響について調査して、 ”沈黙の春” の中で様々に語っています。


 その二つ目は、除草剤を大豆なら大豆に撒いただけなので、安心とはならないのです。それはすべての物質は水とともに、生物を循環し、地球を循環しているからです。沈黙の春の中でも、食物連鎖によって、白頭鷲の卵が孵らないという、お話しが出てきます。

 私のブログの ”地球と太陽と水と生物のエントロピー逆走物語” のメインテーマは、地球上の物質は循環し、私たちの体をも構成していますということです。


 その三つ目は、食物は消化されて、酸素と結合することによって、私たちはエネルギーとして利用できます。食物は、そのままでも、時間の経過によって、少しづつ酸化、腐敗、形の崩れをしていきます。

 さらには、私たちにとっての食物は、他の動物や昆虫や細菌にとっても、食物なのです。そして、このことが食物の本来の姿なのです。


 次に、四つの段階に分けて、どのような有害物質の影響を受けるかを見てみます。


 (1) 農産物の生産段階  除草剤、殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、防カビ剤

   農産物の生産段階に於いて、遺伝子組換え作物とモンサント社について考えます。モンサント社世界最大の種子、農薬メーカーです。モンサント社は、ベトナム戦争の枯葉剤の開発メーカーです。

  モンサント社は、除草剤ランドアップを開発し、ランドアップに耐性をもつ様々な遺伝子組換え作物を販売している。ランドアップの主成分であるクリホサートは、非選択性除草剤であり、ランドアップ漬けになってしまった土壌では、何も育たないそうです。


 (2) 畜産の段階      成長ホルモン剤、抗生物質

  家畜への抗生物質の乱用は、多剤耐性菌を生みだす原因になります。成長ホルモン剤の利用は、肉や牛乳に移行し、人のホルモンバランスを崩す恐れがあります。さらに家畜の飼料の中の残留農薬や防腐剤も悪影響を与えます。


 (3) 貯蔵と移送の段階  防カビ剤、防虫剤

  ポストハーベスト(post-harvest  収穫後の農薬処理)は、収穫物である果物や穀物、野菜に防カビ剤、防虫剤を高濃度で使われます。


 (4) 料理の段階      防腐剤、抗菌効果剤、静菌硬化剤、酸化防止剤、保護コロイド剤

  家庭で料理する時は、使いませんが、工場で料理をする場合は、防腐剤、酸化防止剤、保護コロイド剤などを使用して、つくった時の状態を保とうとします。 (第13回)


調理器具と調味料について

2016-06-11 10:03:38 | 選択

 多元的全体食のすすめ(十二)    食べ物研究家 五十嵐玲二談

 12. 調理器具と調味料について

 料理を調理器具と調味料の二つに視点から眺めてみます。料理を何によって捉えるべきなのかはよく分かりません。対象となる料理を大きく四つに分けます。一つ目は、日本料理です。二つ目は、中華料理です。三つ目は、フランス(イタリア)料理です。四つ目は、エスニック料理(タイ、インド)とします。


 日本料理の調理器具は、包丁、まな板、桶、おろし金、すり鉢、土鍋

 中華料理の調理器具は、中華鍋、玉杓子、中華包丁、蒸龍、穴杓子、油入れ

 フランス料理の調理器具は、オーブン、ホッパー、フライパン、石窯

 エスニック料理の調理器具は、石すり鉢、石臼、タイスキ・トムヤム鍋、バティリー(伝統的インド式ナベ)、タンドール窯


 日本料理の調味料は、醤油、味噌、出汁(かつお節、コンブ、煮干し)、日本酒

 中華料理の調味料は、醤油、味噌、豆板醤、酢、紹興酒、スープ(鳥ガラ、帆立貝柱、ショウガ、ネギ)

 フランス料理の調味料は、岩塩、コショウ、バター(オリーブ油)、トマト、赤ワイン、生クリーム

 エスニック料理の調味料は、岩塩、ココナツミルク、ナンプラー、ギー、ペッパー、カレー粉(ターメリック、ウコン、カルダモン、シナモン)


 代表的な日本料理 お寿司、大根の漬物、シジミの味噌汁、鰺の干物、ごはん

 代表的な中華料理 チャーハン、餃子、八宝菜

 代表的なフランス料理 鳥の丸焼き、ポトフ、チーズ、パン、パスタ

 代表的なエスニック料理 グリーンカレー、トムヤムクン、トムカーガイ、豆と野菜のカレー、ナン


 季節の素材を日本料理風に、中華料理風に、フランス料理風に、エスニック料理風にと空想を働かせながら、料理をするとさらにバリエーションとレパートリーがふえて楽しいものになると思います。

 旬の様々な食材を取り入れながら、下ごしらえをして、調理器具を使って、調味料で味を整えて、栄養バランスのとれた、料理を家族そろって、大地の恵みに感謝して、美味しい料理をいただきたいものです。 (第12回)



植物分類による野菜、果物、穀物について

2016-06-02 15:49:00 | 選択

 多元的全体食のすすめ(十一)    食べ物研究家 五十嵐玲二談

 11. 植物分類による野菜、果物、穀物について

 人類の主要な食物である栽培作物についての全体像とそれらについて体系的に理解することは重要なことです。そのために植物分類学の力を借りて科ごとに分類してみようと思います。

 そこで、生物の分類の体系について見てみます。

 ドメイン ―― 界 ―― 門 ―― 綱 ―― 目 ―― 科 という階層構造になっています。しかし、生物分類学は、便宜上の分類であって、生命体は、分類学に沿って進化したわけではありません。

 真核生物ドメインの下に、菌界、植物界、動物界が、位置します。植物界は葉緑体を持ち、動物界はミトコンドリアを持ちます。


 植物界は、裸子植物門と被子植物門に分かれます。裸子植物門には、松、イチョウがあり、食べ物としては、松の実、ギンナンがあります。

 被子植物門は、単子葉植物綱と双子葉植物綱に分かれます。単子葉植物綱は、子葉の数が一枚で、根がひげ根で、葉脈は平行です。一方、双子葉植物綱は、子葉が二枚で、根が主根と側根で、葉脈は網状です。

 ここで、目からは細分化しますが省略し、ここでは、科をもって話をすすめます。単子葉植物綱には、イネ科、ヤシ科、ネギ科、サトイモ科、ユリ科、バショウ科、ショウガ科などがあります。

 以降は双子葉植物も単子葉植物も断りなく科で話をすすめますので、上記以外は双子葉植物です。最初に私の独断でベスト20を表記します。

 本来は、全世界の金額ベースの生産高で、順位を決定したいのですが、そのような信頼のおける統計は存在しません。この順位表はたたき台です。まずは、たたき台をつくることが重要ではないかと考えました。


 (1) イネ科  稲、小麦、大麦、トウモロコシ、サトウキビ、モロコシ(ソルガム)、カラスムギ、アワ

   これらは、主食となる穀物で、稲は水稲と陸稲があり、東南アジアを主体として、現在は全世界で栽培されている。小麦、大麦はヨーロッパ、中東、アフリカを主体として、全世界で栽培され、パンやナンなどに工夫された。

 トウモロコシは、インカ文明の文化遺産でありますが、アメリカが、大規模農業と一代雑種によって、生産性を高め、人の食料としては勿論ですが、家畜の飼料として、肉、卵、牛乳をアメリカの庶民の食卓に登場させました。

 大麦はビールの原料として、重要なものです。サトウキビは、人類には稀であった甘さを、身近なものにしました。


 (2) マメ科  大豆、インゲン豆、エンドウ、ササゲ、レンズマメ、ソラマメ、落花生、小豆、枝豆

  これらの豆の中で、大豆が生産量及び多様な用途に於いて、ダントツ重要です。これらマメ科の豆は穀物との栄養バランスの良さで、第2位にランクされます。穀類の栄養を補うタンパク質が豊富なためです。枝豆は、未熟な大豆です。

 マメ科の植物は、根に根粒菌を共生させているため、空中窒素を固定して、亜硝酸をマメ科の植物に提供する。


 (3) ナス科  ジャガイモ、トマト、なす、トウガラシ、ピーマン、パプリカ

  ジャガイモは、寒冷地に於いては、主食となり、トマトとトウガラシはイタリア料理の主要食材の地位を占めています。ジャガイモもトマトもトウガラシもインカ帝国の文化遺産です。 野生のジャガイモが子供の握りこぶしの大きさになるまで、数百年いや数千年の歳月が流れたと言われています。


 (4) バラ科  リンゴ、ナシ、イチゴ、ウメ、アンズ、サクランボ、桃、びわ、プルーン、アーモンド

  バラ科の果物で、リンゴは保存性、あらゆる加工が可能で、リンゴを食べると医者いらずと言われています。イチゴは生クリームとの相性が良く、温室栽培で収穫期をコントロールすることによって、需要を伸ばしてます。


 (5) 瓜科  かぼちゃ、メロン、スイカ、キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニ、冬瓜

  かぼちゃは、人間も食べますが、家畜用の飼料としても重要なものです。メロンは美味しさを追求することで、高級果実としての地位を確立しました。


 (6) アブラナ科  キャベツ、大根、白菜、かぶ、ブロッコリー、菜花、ナタネ

  キャベツ、大根、白菜は、漬物の御三家として、米食の名脇役です。菜花は、ナタネの開花直前で収穫したものです。ナタネの実からナタネ油がとれ生産高は、パーム油、大豆油についで、第3位です。菜の花は満開になると黄色で、ミツバチによって、ナタネの蜂蜜がとれます。


  (7) ヤシ科  ココヤシ、ナツメヤシ、サゴヤシ、アブラヤシ

  この中で、アブラヤシがパーム油の原料として、インスタント食品、スナック菓子など、すべての揚物にもちいられます。アブラヤシを栽培するために、ボルネオの熱帯雨林を切り倒し、ボルネオゾウやオラウータンの森を奪っていることも忘れてはなりません。

 パーム油を輸入して、さまざまな食品加工を行っている日本では、多くの人が肥満や動脈硬化の問題をはらんでいる。私たちも少しパーム油を使った食品群を控えることによって、ボルネオの熱帯雨林に心を馳せてみてはと考えます。


 (8) ツバキ科  チャノキ〈茶)、椿(椿油)

  お茶の葉は、紅茶、ウーロン茶、日本茶として飲まれ、生産高では、中国、インド、ケニア、スリランカ、トルコの順で日本は十位です。コーヒーかお茶かで、迷いましたが、歴史があり、中国とインドでお茶を飲んでいる以上、お茶、コーヒーの順とならざるを得ません。

 現在では日本茶は、世界中で飲まれ、茶道と共に日本国内だけのものではなく、さらに健康にも効果があり、これからも世界に羽ばたく予感が致します。


 (9) アカネ科  コーヒーノキ(コーヒー豆)

  コーヒーとお茶の対比は、パン文化と米の文化に対応するように思います。パンとコーヒーの相性が良く、ごはんとお茶(ウーロン茶)の相性が良いものです。コーヒーの生産高では、ブラジル、ベトナム、インドネシア、コロンビア、インドの順です。


 (10) ぶどう科  ぶどう(ワイン)

  ぶどうは、大きく、生食、乾しブドウ、ワインの用途に分かれます。ぶどうの生産高では、中国、イタリア、アメリカ、スペイン、フランスとなりますが、ワインの生産高では、フランス、イタリア、アメリカ、スペイン、チリとなります。優れたワインを造ることによって、付加価値は跳ね上がります。


 (11) ミカン科  バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、グレープフルーツ、ゆず、ダイダイ、カボス、レモン、ライム、夏みかん、八朔、伊予柑、清美、ブンタン、マンダリンオレンジ、紀州ミカン、キンカン

  柑橘類は、世界的にどれが重要で、今後どれが有望なのかわかりませんが、生食、ジュース、料理の調味料と可能性を秘めてます。私は個人的にまるごと食べられる、キンカンに可能性があると思います。


 (12) バショウ科  バナナ

  バナナは、栄養価も高く、生産量も大きいのですが、主食としての重要性は低下した。中尾佐助はこのように述べてます。

 「東南アジアの熱帯雨林の中で、バナナ、ヤムイモ、タローイモ、サトウキビの四つの栽培植物を開発したことは、人類の生活史上の革命の一つだ。

 この四種の作物を組み合わせた農業体系は、弾力性に富み、安定した食物生産を可能にするものである。この方法で農業生産にたよった経済がはじめて成立可能となり、人類の長い旧石器時代を通じて行われた採取経済から飛躍することが可能になったのである。

 バナナは本来、種無しではなく、三倍体利用によって、種無し果実を作り上げている、これは近代育種学にとっても驚嘆すべきものである。」

 バナナの生産高は、インド、中国、フィリピン、ブラジル、エクアドルの順である。


 (13) たで科  そば

 ソバは、世界中で食べられており、生産高では、ロシア、中国、ウクライナ、フランス、ポーランドの順である。ニョッキ風、ヌードル風、クレープ、おかゆ、そばがき風などの食べ方がある。そばは、イネ科以外の双子葉の穀物である。


 (14) アオギリ科  カカオ

 カカオ豆はチョコレートやココアの主原料で、カカオの樹の果実の中にある種子のことです。カカオの樹は常緑樹ですが年間を通じて落葉し、半日陰を好みます。枝だけでなく、幹にも実のなるちょっと風変わりな樹です。

 カカオ豆の価格は原則として商品先物市場における国際相場により形成されています。カカオ豆の商品先物市場は、ロンドンとニューヨークに開設されており、毎日取引が行われています。

 ロンドン市場はスターリングポンド(イギリス通貨)建てで、主として西アフリカ産のカカオ豆を取引し、ニューヨーク市場は米国ドル建てで、主として中南米産のカカオ豆を取引しています。(日本チョコレート協会ブロブより)

 生産高は、コートジボワール、ガーナ、インドネシア、エクワドル、ナイジェリアの順ですが、チョコレートの消費国は、先進国です。


 (15) ヒルガオ科  サツマイモ

 サツマイモは繁殖能力が高く窒素固定細菌との共生により窒素固定が行えるため痩せた土地でも育つ。従って、初心者でも比較的育てやすく、江戸時代以降飢饉対策として広く栽培されている。(Wikipediaより)

 生産高は、中国、ナイジェリア、ウガンダ、インドネシア、ベトナムの順です。魚の干物とサツマイモは、栄養のバランスが良い。本来の順位は、もっと上位かもしれません。

 (次の順位は、トウダイグサ科のキャッサバかもしれませんが、日本では見られませんので、省略します。)


 (16) ネギ科  ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョ、アサツキ、ワケギ、ギョウジャニンニク

 ネギ科の野菜は、肉との相性が良く、特にタマネギ、ニンニクは、肉料理になくてはならないものです。


 (17) キク科  ヒマワリ、レタス、ゴボウ、フキ、サラダ菜、春菊、ヤーコン、アーティチョク、ベビーリーフ、カレープラント

 ヒマワリは、種子を搾ってヒマワリ油をとります。植物油の生産高は、パーム油、大豆油、ナタネ油、ヒマワリ油の順です。レタス、サラダ菜、ベビーリーフ、アーティチョク、カレープラントは、生でサラダとして食べます。


 (18) セリ科  ニンジン、セロリ、パセリ、三つ葉、せり、アシタバ、コリアンダー(パクチー)

 ニンジン、セロリは、肉料理になくてはならないものである。セロリは、ゴリラが好んで食べる、植物です。


 (19) サトイモ科  サトイモ、コンニャクイモ

 サトイモは、南太平洋では、タロイモとして、主食である。


 (20) ショウガ科  ショウガ、ミヨウガ、ウコン、カルダモン

 ショウガ、ウコン(ターメリク)、カルダモンは、カレーをはじめとする香辛料にとって重要です。


 (21) ヤマノイモ科  ナガイモ、ヤマノイモ

 ナガイモ、ヤマノイモは、擂って生でも、焼いても、煮ても食べることができます。むかごは、ヤマノイモの葉の付け根にできる珠芽です。むかごは、方丈記にも出てきます。


 (22) その他  ゴマ、オリーブ、栗、コショウ、クルミ、アスパラガス、アボガド、キュウイ、……

 第21位までに、もれたものをその他としましたが、ゴマ、オリーブ、アスパラガスなどは、将来性が期待できる作物です。

 

 野菜、果物、穀物の全体像を捉え、その料理方法を知り、成長段階のどの時点で、食材とするか、魚や肉との相性を知り、どのように料理して、どのように体に役立つかを知って、選択することは重要です。 (第11回)