マーケティング研究 他社事例 692 「あなたの能力は優れていると言ってはダメ」 ~社内イノベーターの取り扱い~
アントレプレナーシップは「起業家精神」と訳されることが多く、スタートアップを立ち上げる人が対象だと思う人が多いかもしれません。
しかし、実際には企業内で新たな取り組みを進めるうえでも、企業で働く社員にとってアントレプレナーシップを新たな顧客や市場、事業を創出する原動力になる事から、アントレプレナーシップという言葉が想起する創造性は欠かせません。
もちろん、社員のアントレプレナーシップには個人差があります。
起業家的な気質が高い社員がいれば、言われたままの社員もいます。
よく社員は仕事ができる、普通、できないの比率が2:6:2の比率だと言われたりしますが、アントレプレーナーシップも一様ではありません。
実はアントレプレナーシップを通じて、従業員のモチベーションにも大きく関係がしてきますし、逆に問題を生じさせてしまう事もあります。
アントレプレナーシップの高い「社内イノベーター」は周囲とのギャップが大きいほど職場の環境を「ぬるま湯」と感じやすく、ギャップを感じた社内イノベーターは「自分は顧客の為にリスクを取るが、周囲の同僚はそうしない」と不満を募らせます。
結果、会社を去る事もあります。
辞めないまでも能力を発揮できないもどかしさを感じていると言います。
社内のアントレプレナーシップをめぐって、経営学では社員一人ひとりの「起業家志向性」(IEO)という指標が注目を集めています。
社員それぞれの行動を「リスクを取ろうとするか」「革新的か」「先駆的・能動的に行動しようとするか」の3要素から測定して指数化していて、アントレプレナーシップを測定する指標となります。
IEOが高い社員が増えれば当然、事業創出の機運は高まり、企業はイノベーションを起こしやすくなります。
そして、その先には成長が現出します。
欧米の経営学では社員のIEOを捉え、メカニズムを解明する取り組みが進んでいます。
ある調査結果では、年齢とIEOの関係が30代半ばを境に大きく変わることが判明しました。
どういう事かと言えば、入社後30代半ばまでは社員のアントレプレナーシップは上がりますが、それ以降はアントレプレナーシップが下がりました。
社員は、経験を積むうち自信を深めて創造的な活動にチャレンジするようになりますが、30代半ばで変節点を迎えるといえそうです。
入社してから経験した部門数で見ると、いろいろな部門を経験した社員ほどIEOを発揮しやすく、同じ仕事を繰り返すだけでは、やはり創造性は生まれにくいようです。
経験の多様性が社内イノベーターを生んでいることは、企業のキャリア形成のあり方を考える上で示唆するところが大きいですね。
注目したいのは人事考課との関係です。
ある社員を高く評価しても、それがアントレプレナーシップ向上につながるまでには、ある程度の時間が必要なことが今回判明しました。
アントレプレナーシップの観点からは、人事では1年以上の短期的な効果を期待すべきではありません。
調査の中で、社員に自分と同じ部門で働く同僚のIEOの評価をするというのがありました。
その上で社員の自己評価のIEOから同僚のIEOを引いた値を算出し、IEOのズレが生じている事がわかりました。
伝統的な日本企業は集団主義が強く、社員は同僚との比較で自分の立ち位置を捉えがちとなり、その分、IEOのズレが大きい程社員は「他者よりアントレプレナーシップを発揮している」「わが社はぬるま湯だ」と考えやすくなってしまいます。
その結果、社員のIEOの自己評価が上がり周囲とIEOのズレが大きくなると、同僚との感情的な対立が起きるという事が分かりました。
すると、組織との一体感を失い、給与に対する満足感も下がり、アントレプレナーシップは本来企業にプラスの効果を生むはずなのに、これでは企業にとって負の効果となります。
アントレプレナーシップのジレンマともいえる状況ですが、克服のヒントも分析から見えて来ます。
実はIEOの自己評価が上がった社員の中にもIEOのズレが広がらない人がいたのです。
詳しく見ると、「自分の職務に意味付けしている」社内イノベーターは、アントレプレナーシップを発揮しても社内でトラブルが起きなかったのです。
言い換えると、「仕事が会社にとってどんな意味を持つか」を知れば、自社をぬるま湯と感じることなく、アントレプレナーシップを発揮できるのです。
ここから社内イノベーターの活かし方を具体的に考えると、周囲がいくらあなたの能力は高いと伝えても、社内イノベーターは「自分は同僚と違うのだ」と思うばかりです。
むしろ「あなたの仕事には意味がある」と伝え、社内イノベーターを前向きにすることが肝要なのです。
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
ご興味があればご一読下さい。
彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
毎月定額(基本価格30,000円(税抜)※企業規模(パート社員含む社員数)で価格は変動します)をお支払いいただく事で、何人でも何回でもご参加いただけるビジネスセミナーを開催しております。(別途カレンダー参照)
内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。
R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。
最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。
R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。
受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。
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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
アントレプレナーシップは「起業家精神」と訳されることが多く、スタートアップを立ち上げる人が対象だと思う人が多いかもしれません。
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基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。
R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。
最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。
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R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。
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ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。
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