石鯛師なら1匹は釣ってみたいと思うクチジロ。写真では何度か見てきたが実物にはお目にかかった事がない。
2000年5月、そのホワイトマスクの住む屋久島に釣りに行ってきました。
大阪を早朝に出発すると昼過ぎから竿を出せるという。飛行機利用の釣行は時間が大変短縮できるのでありがたい。
同じクラブのベテラン石鯛師の吉岡氏に誘われて釣行することになった。この屋久島には、30年ほど前に仕事で来たことがあった。その頃に竿を担いできていたら、クチジロを思う存分釣ることができただろうが、当時は釣りを始めたばかりで、ましてサラリーマン、仕事現場に行くのに竿を持ってはいけなかった。
以前には、オオカミと称されたシマアジの大型がわいたことで上物師にもよく知られていた島で、そびえ立った山々で形成され全体が丸い感じの島で、少々の風が吹いてもどこかで竿が出せるようである。
エサは長崎の丸正さんから送ってもらったのだが、ウニは大半が死んでいて使い物にならなかった。時間的にはそんなに掛かってないのだが、ウニを配送するというのは難しい。
民宿のさかせ川さんでの夕食時、九日間もがんばったと言う高知の大物釣り師
のK氏と話をしたが、「九日目にして初めて、クチジロらしきアタリを見たが、もう集中力が無いのであきらめて明日帰り、そしてまた出直す」という。
私たちの様に2~3日して帰るのでなく10日近く磯に連続して上がるというのは並の体力ではできないが、もう一度出直すと言うこの根性は底物師ならではであろうが、お金の問題でもある。
この屋久島の磯は予約制というか、お互いの暗黙の了解というか、一つの磯に続けてマキエをし続けるので、他の人が翌日にその磯に上がることはできない。
初日にあがった磯は港を出てすぐ目の前にある「大瀬」という、名の通りの大きな磯であった。
少し風があるが曇り空の釣り日和ともいえる上々のお天気である。大きな磯ではあるが、底物ポイントは港向きの1カ所しかないので2人並んで釣ることにした。
右前方を見上げると、有名な高さ944mのモッチョム岳が頂上に雪を被ってそびえている。そして前方に広がる大海原、釣り場の雰囲気としては最高である。これでクチジロが釣れたらもう何も言うことはないだろう。水温は17度から18度との事だが、もう1-2度上がって安定してくれたらと、欲を言えばきりがない。
昨日のK氏の話ではないが、9日目にしてアタリがあったという希望的な話が唯一の救いである。吉岡氏が赤貝を、私がウニをエサにして第1投。いつも同じ、この第1投が一番気持ちが昂ぶる時なのである。何百キロも飛行機で飛んできての第1投なのだから。
潮はイシダイ釣りとしてはアタリ潮がよいのだが、ベタ凪で全然潮が動かない。2人してとっかえひっかえ、ウニと赤貝で色々さぐっているのだが、エサトリがいるようで、食い込むところまでいかない。何投目かの時に「オヤッ?」と思うアタリがあった。
すぐにエサを新しいのに取り替えて同じところに入れた。少し遠投ではあるが上手く入った。アタリがあった直後なので竿受けは使わず手持ちで構えて待つことにした。
コツコツというエサトりのアタリがだんだんと激しくなってきた。少し送り気味に竿先を下げた途端に穂先がグイッと入った。と同時に体が反射的に反り返った。本日の初獲物であるが、手に伝わってくる感覚は重量感はあるのだが、どうやら石物でないようだ。
根が張り出してないことが、何度かの投入で分かっていたので、ゆっくりと対処することができた。
やがて海中から姿を現したのは赤黒い姿をしたハタであった。50センチを超えたぐらいのものだが手ごたえだけはあった。
結局、その後1日もめぼしいものは釣れずに終わった。
2000年5月、そのホワイトマスクの住む屋久島に釣りに行ってきました。
大阪を早朝に出発すると昼過ぎから竿を出せるという。飛行機利用の釣行は時間が大変短縮できるのでありがたい。
同じクラブのベテラン石鯛師の吉岡氏に誘われて釣行することになった。この屋久島には、30年ほど前に仕事で来たことがあった。その頃に竿を担いできていたら、クチジロを思う存分釣ることができただろうが、当時は釣りを始めたばかりで、ましてサラリーマン、仕事現場に行くのに竿を持ってはいけなかった。
以前には、オオカミと称されたシマアジの大型がわいたことで上物師にもよく知られていた島で、そびえ立った山々で形成され全体が丸い感じの島で、少々の風が吹いてもどこかで竿が出せるようである。
エサは長崎の丸正さんから送ってもらったのだが、ウニは大半が死んでいて使い物にならなかった。時間的にはそんなに掛かってないのだが、ウニを配送するというのは難しい。
民宿のさかせ川さんでの夕食時、九日間もがんばったと言う高知の大物釣り師
のK氏と話をしたが、「九日目にして初めて、クチジロらしきアタリを見たが、もう集中力が無いのであきらめて明日帰り、そしてまた出直す」という。
私たちの様に2~3日して帰るのでなく10日近く磯に連続して上がるというのは並の体力ではできないが、もう一度出直すと言うこの根性は底物師ならではであろうが、お金の問題でもある。
この屋久島の磯は予約制というか、お互いの暗黙の了解というか、一つの磯に続けてマキエをし続けるので、他の人が翌日にその磯に上がることはできない。
初日にあがった磯は港を出てすぐ目の前にある「大瀬」という、名の通りの大きな磯であった。
少し風があるが曇り空の釣り日和ともいえる上々のお天気である。大きな磯ではあるが、底物ポイントは港向きの1カ所しかないので2人並んで釣ることにした。
右前方を見上げると、有名な高さ944mのモッチョム岳が頂上に雪を被ってそびえている。そして前方に広がる大海原、釣り場の雰囲気としては最高である。これでクチジロが釣れたらもう何も言うことはないだろう。水温は17度から18度との事だが、もう1-2度上がって安定してくれたらと、欲を言えばきりがない。
昨日のK氏の話ではないが、9日目にしてアタリがあったという希望的な話が唯一の救いである。吉岡氏が赤貝を、私がウニをエサにして第1投。いつも同じ、この第1投が一番気持ちが昂ぶる時なのである。何百キロも飛行機で飛んできての第1投なのだから。
潮はイシダイ釣りとしてはアタリ潮がよいのだが、ベタ凪で全然潮が動かない。2人してとっかえひっかえ、ウニと赤貝で色々さぐっているのだが、エサトリがいるようで、食い込むところまでいかない。何投目かの時に「オヤッ?」と思うアタリがあった。
すぐにエサを新しいのに取り替えて同じところに入れた。少し遠投ではあるが上手く入った。アタリがあった直後なので竿受けは使わず手持ちで構えて待つことにした。
コツコツというエサトりのアタリがだんだんと激しくなってきた。少し送り気味に竿先を下げた途端に穂先がグイッと入った。と同時に体が反射的に反り返った。本日の初獲物であるが、手に伝わってくる感覚は重量感はあるのだが、どうやら石物でないようだ。
根が張り出してないことが、何度かの投入で分かっていたので、ゆっくりと対処することができた。
やがて海中から姿を現したのは赤黒い姿をしたハタであった。50センチを超えたぐらいのものだが手ごたえだけはあった。
結局、その後1日もめぼしいものは釣れずに終わった。