屋久島、クチジロ見聞録／２０００年５月／その２

２日目は、今回の目的の磯の１つである、この屋久島でも有名な「エボシ」という磯で、名の如く三角形をした前下がりの小さな磯。

２人で釣りをするのがやっとの所で、足元から切り立っていて水深が20メートル以上あるポイントなのですが、この足場の悪いところで78センチと言うクチジロが釣られている（民宿の壁に魚拓があった）、掛けてもよほどうまく取り込まなくては、釣り上げることは無理だろう。

２人して10時間、この足場の悪い磯で、ウニ、赤貝、ヤドカリと手を変え品を変ええがんばったが、残念ながらアタリもなかった。

引き上げる途中、「沖の大磯」と言うポイントで奈良から来た釣人が70センチ近い立派なクチジロを釣っていたので写真を１枚撮らせてもらった。検寸すると68センチあり、改めて「屋久島にはいるんだなぁ」と思った。

３日目になり、一度有名な地磯を見に行こうと歩いて行きかけたが、とても私の足では荷物を担いでは行けそうにない所なので止めた。この屋久島は、もともと地磯の釣りが有名だった。初日にその場所にポイントを決めるとあくる日もその人の場所になると言う決まりがあるという。

この日、渡船場で出合った千葉県の若者が地磯で釣ったと言う60センチほどのクチジロを、狙っている寸法に達してないということで海へ放していた。

この若者は２人で仕事で屋久島に来たのだが、仕事が終わっても帰る気がなくなり、ここのクチジロに魅せられてこの島にもう３ヶ月あまり居座っているとい言う。そして記録サイズを狙っているそうです。私たちのように３日や４日での釣りとは違う人もいるのです。

４日目になり、今日は午前中だけの釣りなので先日釣り具屋さんで聞いた「安房の波止」へ渡してもらった。

幅が20メートル位もある大きな波止で、現在もまだ南端が工事中だが、海面より６から７メートルはあり水深も10メートルはあるとの事。

この波止場一帯にイシダイがワンサといついているらしい。この日は前日からの強風が治らずに吹きまくり、体がよろけるぐらいの風である。

お昼前に私の竿にアタリがあったが、食い込みが浅くハリに乗らなかった。その30分位あとの納竿前に吉岡氏にアタリがあり、何とか１匹イシダイを取り込んだ。縞目も鮮やかな50センチほどのイシダイだった。

4日にわたる屋久島釣行であったが、何とか１匹彼が釣ってくれたので良かったと思う。クチジロでないのは残念だが仕方がない。

後日、連盟でイシダイ専門のクラブのＯ氏と話していたら、この波止の先端にピトンの穴を開けたのは自分だと語っていた。そしてこの波止は石鯛場で、釣れるときは何枚も釣れるんだと言っていた。

少しお金はかかるが、屋久島は風光明媚で良い所だ。交通は大阪から鹿児島に飛びそこからまた飛行機か船ですが、飛行機を乗り継ぐと大阪を朝１番で乗ると昼からは釣りができるという便利さもある。

ただエサが現地にないので持参しなくてはならない。