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菅総理が青ざめる…安倍元総理の「復活と反撃のノロシ」が上がり始めた

2021年05月14日 23時30分37秒 | 政治のこと
菅総理が青ざめる…安倍元総理の「復活と反撃のノロシ」が上がり始めた

先を読めない者は、永田町で生き残ることはできない。アンタの政権を、全力で支える―などと言う言葉を真に受ける無邪気な政治家は、いずれ、敗れ去る。ガースーもそれは分かっていたはず……(『週刊現代』2020年11月28日号より)
安倍さん、そりゃないよ

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 (眠い……なんだか眠いんだ……)  このところ、最高権力者ガースーこと菅義偉総理は、疲労の極致に達している。  

(尾身め……)  冬が近づき、日本でも新型コロナの感染者数が増え始めている。

これに、政府の感染症対策分科会の尾身茂会長が、  「(再度の緊急事態宣言を)回避するためには今が非常に重要な時期」  「いま踏ん張らないと、もっと経済が抑制されることになってしまう」  などと、非常に強い懸念を示しているのだ。  

菅はげんなりした。  (なぜもっと、忖度しないのか)  

現在の菅の大目標は、コロナ対策と経済立て直しの両立である。感染爆発は困るが、かといって人の動きが止まって経済が崩壊すれば日本は立ち行かなくなる。  

この難しいオペレーションを、やり遂げねば総理総裁としての自分のクビが危うい。そのため日々の言い回しにも苦労しているのに、尾身氏は菅の意向を忖度せず、コロナの危険を訴える。  

菅はそれにイラついているのだという。  

「尾身氏を憎んでいるかのようなレベルです。総理にしてみれば、政府の管轄下にあるオブザーバー組織に過ぎないのだから、こっちの意向に沿って発言しろ、と。 

 ところが尾身さんはそれを無視して危機を訴える。総理は非常に怒っていますが、下手に圧力をかければ学術会議問題の二の舞になりかねないので、怒鳴りつけるわけにもいかず、イライラが募っているのです」(官邸スタッフ)  毎日、朝からイライラし通し。そのため一日の終わりごろには疲労困憊、睡魔に襲われ、つい居眠りもしてしまう。菅が連日、瞼が重く眠そうな目をしているのには、そんな背景もあるのだ。

  そんな折、さらに菅の神経を、ささくれ立たせる要因が増えた。

  前総理・安倍晋三のまさかの復活劇である。

  総理を辞任する直前、一時は末期がん説すら流れた体調不良の状態から、安倍は周囲が驚くような回復ぶりを見せている。


  安倍の知人である政界関係者が語る。

  「安倍さんは最近、すっかり元気を取り戻して、かつての政権奪取前夜を思わせるような活発ぶりですよ。各界の知識人に自ら声をかけて会合を繰り返し、その場に後輩議員も呼んで識者と引き合わせている。食事も脂っこい中華料理をぺろりと平らげるし、アルコールも普通に嗜む。絶好調と言ってもいいのでは」

  安倍は11月11日、自民党の「ポストコロナの経済政策を考える議員連盟」会長に就任した。安倍応援団・山本幸三元地方創生相が率いた「アベノミクスを成功させる会」を衣替えした、安倍による、安倍のための有志議員連盟である。  

「8年前に第二次安倍政権を生み出した、『チーム安倍』の再結集です。初回の会合には、大規模な金融緩和による景気対策が持論の岩田規久男元日銀副総裁が講師に呼ばれ、まさにアベノミクスの夢よ再び、という感じですね」(自民党中堅議員)  この議連には、先の総裁選で菅に大敗し、「終わった人」扱いとなっている岸田文雄前自民党政調会長も参加し、健在をアピールした。  「安倍さんをもう一度、総理にするための議連ができた!」 

 自民党内の「安倍ファン」は色めき立っているという。 

 「じょ、冗談じゃねえべ」  菅からすれば、とんでもない話である。  表向き、「菅政権を支えていく」などと言っておきながら、安倍は何をしているのか。

  安倍待望論が沸き上がることは、菅不要論が広がるのと同義だ。言っていることとやっていることがあまりに裏腹、ただの梯子外しではないか。


一日に2度も「連れメシ」

 「安倍は11月16日、長島昭久(衆院議員)のパーティで、『もし自分が総理だったら、(衆院解散について)非常に強い誘惑に駆られる』などと言って、解散総選挙を唆すような発言までした。 

 同じく、いま党内で盛んに早期解散論を唱えているのは、安倍側近の下村博文政調会長。菅からしたら、『辞めた人間が横車を押すのは止めてくれ』と言いたいだろう」(自民党ベテラン議員)  何もかもが、菅の気に障る。周りにいるのは、味方のフリをした敵ばかりではないのか。ギリギリ、イライラ……。心労が重なり、考えているうちに日は暮れる。  (眠い……)  夕方になると瞼も気分も鬱々と重くなっていく。そんな菅の唯一の拠り所となっているのは、もちろん決まり切っている。 

 「総力結集ゥ!!」  そう叫んで、いまだ勢いが衰えない、二階俊博幹事長と、その軍団だ。 

 「『総力結集』は田中角栄が遺した言葉ですが、二階さんは前以上にこの言葉を押し出していて、最近はテレビ出演した際にも言及している。二階派はまさに、この言葉を胸に刻んで自民党内の力をまとめて一つにすべく、日々邁進しているのです」(二階派中堅議員) 

 安倍が新議連会長として華々しく再起を宣言した翌日の11月12日、菅は二階と一日で2度も食事を共にした。 

 まず官邸に、二階とその最側近・林幹雄幹事長代理を迎えて昼食。夜になって虎ノ門のホテル「The Okura Tokyo」内の日本料理店「山里」に移動すると、昼と同じく二階、林に加え、「宿敵」のはずの小池百合子東京都知事も交えて2時間以上も会食をした。

  「来年の五輪や、IOCバッハ会長の来日を控え、犬猿の仲と言われる菅総理と小池都知事の間を、二階幹事長が取り持ったと見られている」(全国紙政治部記者)  互いに顔も見たくないという2人を会わせて繋ぐ、二階流「総力結集」の真骨頂というところだ。

  安倍が不穏な動きを見せる中、宿敵・小池と多少の和解を果たし、二階のおかげでようやく菅も肩の荷が降りて……。

誰でも歓迎」の二階派
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 そんなわけがない。菅はすでに身に染みて知っている。「二階劇場」の舞台に立つことは、決

二階の『総力結集』は、あくまで自分とその派閥が勝つためのスローガンだと皆が承知している。菅が政権運営に苦心しているのを横目に、せっせと派閥を拡大強化するための『落ち穂拾い』をしているのがその証拠だ」  二階は菅と会った12日、CS番組の収録で石破茂(元幹事長)に触れ、「1回や2回、挫折があっても、みんなそれを乗り越えて頂点を目指してきた。まだまだ可能性はある。頑張ってもらいたい」などと激励した。  ところが、その裏ではこんな動きがある。  

「二階派では、石破派の切り崩しが水面下で始まっている。二階や幹部が動くのではなく、派閥の若手議員が石破派の若手に電話したり、勉強会名目で声をかけたりして、いわば『搦手』から攻めている。

  石破派は会長の石破が辞任してしまい、所属議員は水面を漂う浮き草のようになっていて、不安を抱えている。そこに、『いつでも歓迎だぞ』と言われれば、先行き不安な議員たちはコロッと参ってしまうんだよ」(前出・自民党幹部)  二階は周囲にこう語り、せっせと宣伝させているという。

  「派閥は服従するものではない。党のみんなで作るものだ。だから今の派閥のことは考えないで、いつでも(二階派に)飛び込んでくればいい」  次回選挙での落選に怯えている若手議員の一人は、「優しさに包まれる」として、二階派の居心地についてこう語る。  

「私は以前、別の派閥にいたのですが、政策の相違を認めてもらえず、冷たい扱いを受けていました。なのに二階派は、『どうぞ』という感じで温かく迎えいれてくれた。議員個人の主義主張にこだわりがなく、どこか大らかなんですよ。  

確かに問題はあるし、世間では寄せ集めのガラクタ集団とか、逮捕者続出の牢屋組とか言われますが、立場を変えて見れれば、包容力や寛容さに満ちていると言える。平沢勝栄(復興相)さんが入閣した際も、派閥一丸となってそれを後押ししていました。他にはない一体的な雰囲気があるのは間違いない」

  党内の主流派に相手にされず、爪弾きにされた「はぐれ者」にとって、二階一味は悪魔的な魅力があるというのである。  誰でも歓迎、なんでもありがモットーなので、節操などという言葉とも無縁だ。二階派はいまや、自民党外にもその勢力を拡大しつつある。 

 「国民民主党の玉木(雄一郎代表)のところにも、粉をかけている。11月2日、二階は亀井静香(元金融相)を交えて、玉木と会った。  玉木はもともと、自民党や日本維新の会との連携を模索していたが、12月の党代表選で敗れる可能性があり、その場合、玉木が国民民主を離党して自民党入りし、二階派に合流する可能性が出てきた」(元民主党ベテラン議員)  二階派の勢力拡大を官邸から眺めるだけの菅が戦慄するのは、そんな二階の動きが、すでに「次」を見越したものであることを悟っているからだ。

 自民党閣僚経験者がこう話す。

  「二階の論理はシンプルで、『選挙に勝てる総理総裁なら誰でもいい』ということ。9月時点では菅なら選挙に勝てると思ったから担いだが、負けそうなら即座に次に乗り換えることが前提だ。 

 たとえば、幹事長代行に据えた野田聖子。幹事長会見の際、二階の後ろに立つ役割で、以前は稲田朋美(元防衛相)がそこにいたが、野田の役目になった。露出が多いので、次期総裁選を狙う場合にはかなり有利になる。

  野田の後ろ盾が、古賀誠(元幹事長)というのもミソ。岸田派の名誉会長は退いたが、同派ではいまだ絶大な影響力がある。岸田派の切り崩しや、野田の総裁選出馬の時に、それが効いてくる」 

 もちろん、野田はあくまでカードの一枚に過ぎない。石破が復活するならそれでもいいし、岸田が覚醒して最前線に復帰するなら、それも構わない。誰がどう動いてどんな流れになっても、自分は上手くそこに乗る。二階はそれだけを考える。

 当然、安倍が復活するなら、それもまた良し。

  「安倍が新議連の会長に就任したのに対し、二階は『けっこうなことだ』と賛辞を送っている。麻生(太郎副総理兼財務相)は相変わらず、『自民党はいつから総裁より幹事長が偉くなったんだ』などと、二階一強に不平不満をぶちまけているが、安倍の復活をもっとも喜ぶのは、キングメーカーに返り咲ける麻生だ。 

 二階は麻生との関係が微妙でも、安倍とは特に悪くはないので何も問題ない。安倍も再び総理を目指すなら、二階の党運営の手腕に頼らざるを得ない。どこにどう転がっても、二階は損しない」(前出・自民党幹部)


菅に逆転の秘策はあるか
 すっかり取り残されたのが菅だ。政権の支持率もそこそこ、学術会議問題以外は大きな失点がないような状況でも、周りは勝手に「ポスト菅」に向けて動き出している。 

 菅は二階に対し、側近の林らを通じての毎朝のモーニングコールも欠かさず、「忠誠」を示している。だが、当の二階の腹がいまいち読めない。  (おらの劇場はたった1回で終演なのか)  菅は考える。考えると疲れて眠くなるが、それでも考えねばならない。 

 そこで、ここに来て菅が秘策として放ったのが、「菅チルドレンの結成」という、どこかで見たような一手だ。  

「菅総理は、『衆院選の選挙区で敗れ、2回以上連続で比例復活した議員の重複立候補は認めない』という党の規定を、今後は厳格に適用することを決めた。該当する議員は党内に25人ほどいるが、彼らは次回衆院選では、小選挙区を勝ち上がるしか道がなくなる。

  25人の中には菅シンパや二階派の議員もいる。しかし、この25人の比例復活がなくなれば、当然、比例単独で当選する新人が代わりに増える。

  その新人らが『菅チルドレン』となり、元の菅グループと合わせれば50人近い規模の『菅派』が誕生する。党内に基盤がないという総理の弱点が、一気に解消されることになる」(前出・自民党ベテラン議員)  現在、二階派は48人。目論見通りに運べば、菅は二階の勢力を凌駕し、二階に頼らずとも党内の他派閥と伍して戦うことができるのだ。 
 果たして、安倍が復権するのか。野田聖子が躍り出て、石破や岸田が息を吹き返すのか。これを菅が迎え撃ち、返り討ちにするのか―。  配役もシナリオも上々。つまるところ、二階劇場が、いよいよ盛り上がりを見せるのであった。  (文中一部敬称略)


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遅い紅葉です

2021年05月14日 23時00分41秒 | いろいろな出来事
紅葉、まだ続きますね☺


12/17/2020
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孤独死する男性は「女性の3~4倍」現場を見てわかった切ない理由

2021年05月14日 22時30分32秒 | 日々の出来事
孤独死する男性は「女性の3~4倍」現場を見てわかった切ない理由
 
年間孤独死約3万人、孤立状態1000万人――。それがわが国が抱えている偽らざる現実だ。
 
閲覧注意…70代男性は2000本のペットボトルに囲まれて息絶えた
 
 筆者は特殊清掃現場を取材することで、孤独死という現象と向き合ってきた。その壮絶な「死」の現場から見えてきた日本社会が抱える問題点をリポートする。
画像はイメージです(Photo by iStock)        
 
 
 
妻を亡くして
 
 武蔵シンクタンクの塩田卓也氏は、特殊清掃に関わって10年以上になる。

 この日、塩田氏は関東某所の賃貸マンションに向かっていた。そこは築50年は下らない鉄骨造の四階建てのすすけたマンションだった。ベランダや廊下は塗装が剥がれていて、一見廃虚のようだ。

 マンションを囲むように作られたコンクリートの外構部分は、その上部まで大量のごみで溢れていて、足を踏み入れることとすら難しかった。一部の生ごみには野良猫たちが群がっている。このマンションは、近所でも有名な猫屋敷として知られていたようだ。

 共有部分の廊下にもビニール袋に入ったゴミが幾層にも山積している。ゴミの中はコンビニの弁当のプラスチックや、スーパーの総菜の食べかすなどで、独特の腐敗臭を放っていた。亡くなったのは、この物件の持ち主で、70代の大家の男性である。

 このマンションの居間の一室で、ゴミの中央に埋もれるようにして、男性はひっそりと孤独死していた。

  遺族の話では、男性の様子がおかしくなったのは、数年前に妻を亡くしてからだった。
遺品から伝わる妻への愛情
 
 最愛の妻が他界して、寂しさが募ったのか、男性は妻の遺品を居間に集めるようになった。そして妻の写真を部屋の壁一面に貼り、それと同時にふさぎこみ、家にゴミをため込むようになる。

 近所への食料品の買い出しなどには出るが、外出は最低限で、ひきこもりのような生活をするようになっていったという。

 塩田氏は、何とか廊下を抜けて、男性が生活していた物件の部屋にたどり着いた。

 一室のドアを開けると、大量の蠅が塩田氏の顔面にぶつかってくる。まず視界に飛び込んできたのは、天井までうずたかく積もったゴミの山だった。その隙間をゴキブリがガサガサと動き回り、天井ではネズミが凄まじい勢いで駆け抜けていく。壁にはカビがびっしりと生え、壁紙が所々はがれてヤニがこびりついていた。

 辺りは食べ物の腐敗臭と死臭が入り交じり、プロである塩田氏でさえも、呼吸が苦しくなるほどの臭いが部屋の中に充満していた。塩田氏はすぐに状況を把握したようで、天井まで達していたゴミの山によじ登り、上から要領よく徐々にゴミを外に搬出していく。

 「こんなところで、よく生活していらっしゃったな……」

 塩田氏は、そうつぶやいた。ゴミの上層は20枚ほどの女性物の肌着だった。その下には、高級百貨店の箱に入った女性物のカシミヤのセーターが20箱近く埋もれていた。

 「きっと故人様は最後まで奥さんの近くにいたかったんでしょうね」

  さらに書店の紙袋に入った未開封の雑誌があり、一番下は水のペットボトルとトマトジュース缶の層になっていた。トマトジュースの缶は重さで潰れ、中は錆びていた。塩田氏らの手によってごみが全て撤去されると、茶色くすすけた壁がようやく露になった。壁のいたるところには穴が開いていて、ネズミの住処になっていた。
 
「緩やかな自殺」へ向かう人たち
 
 近所の住民の話では、夫婦はこの賃貸マンションを経営する大家で、妻は町内でも人気者だったが、一方の男性は、寡黙で内向的な性格だったという。マンション自体、手入れが全く行き届いていなかった様子で、男性の妻が亡くなってから、入居者も募集しなくなった。

 男性にとって妻の存在は、計り知れないほどに大きいものだったに違いない。

 「孤独死の現場で長年仕事をしていますが、男性の孤独死は女性に比べて、3倍ほど多いんです」

 と塩田氏は語る。

 妻との死別後、孤独死する男性は少なくない。伴侶を失ったという精神的ショックももちろん大きいが、男性のように妻を媒介にして社会と接点を持っていた人の場合、妻という拠り所がなくなると生活が荒れたり、ゴミを出す気力すら奪われる「セルフネグレクト」(自己放任)という状態になりやすい。

 セルフネグレクトに陥ると、部屋がゴミ屋敷化したり、不摂生、医療の拒否などで健康を維持することができなくなるため、別名「緩やかな自殺」とも呼ばれている。

  親族との死別や離婚、退職などをきっかけにして、精神的にも肉体的にも一気に崩れ落ちてしまうのだ。このセルフネグレクトが、孤独死の原因の8割を占めるとも言われている。
 孤独死における「男女比率」
 
 2019年5月17日に一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会が発表した第4回孤独死現状レポートによると、孤独死する人の男女の人数比率は、およそ8対2で男性の方がはるかに多い。

 さらに早期発見と言える3日以内に遺体が発見されるケースは、男性が38.5%で、女性は47.9%。30日以上遺体が発見されない割合も、男性は15.0%と、女性の10.7%に対して高い。男性は女性と比較すると、孤独死してもなかなか見つかりづらいという結果になっている。

 これまで筆者は孤独死の現場を数多く取材してきたが、その経験から言っても、男性は離婚や死別、会社組織からの離脱といった要因から一気に孤立し、セルフネグレクト、そして孤独死というルートを辿るケースがかなり多い。

 では、どうすればセルフネグレクトから脱することができるのか。妻と死別した男性の実例を紹介したい。

 行政書士を営む雪渕雄一さん(59歳)も妻の死後、セルフネグレクトから孤独死に陥りかけた一人だ。

 雪渕さんは、10年前に妻の直美さんと死別。その後全てのことがどうでもよくなり、自分を追い込むかのように、徹夜で過労死ギリギリまで働く生活が続いた。

  そのうち動悸が止まらなくなったが、不思議と自分が追い詰められているという感覚はなかったという。しかしかろうじて、このままでは本当に死ぬかも……と身の危険を感じ、心療内科を訪れると、「自律神経失調症」と「パニック障害」だと診断されたという。
 
立ち直れるケースは稀有
 
 セルフネグレクトから脱することができたのは、趣味の繋がりがきっかけだった。

 雪渕さんは妻の死後、趣味として絵画の収集を始め、ギャラリーのスタッフや作家と会話をするようになった。その中で、自分の体験を自然に打ち明けられるようになった。ある女性の画廊オーナーは、妻を亡くした雪渕さんの体験談を聞き、涙を流したという。

 自らの体験を他者に共感してもらえたことが転機になり、セルフネグレクトから抜け出すことができた。その後雪渕さんは会社を辞めて行政書士の資格を取得、今は自らの体験を生かしたいと資格を生かし、「終活」に関わる業務に携わっている。

 雪渕さんはかろうじて、趣味を通じて知り合った「人と人との繋がり」が支えになることでセルフネグレクトを自ら脱することができたケースだ。しかし残念ながら、それは稀有で恵まれた例だというのが、孤独死現場を長年取材している立場からの実感だ。

 孤独死に追い込まれる人は、前述したような様々な要因をきっかけにして、人間関係において立ち直れないほどにダメージを受け、社会から孤立しているケースがほとんどだからだ。特に、孤独死は近年社会問題となっている、中高年のひきこもりとも関連が深いとの実感がある。

 孤独死は、遺体の発見が遅れれば遅れるほど、腐乱して痛ましい状態になるだけでなく、階下まで体液が垂れて近隣住民がホテル暮らしを余儀なくされたり、遺族が高額な修繕費を大家や管理会社から請求されたりするなど、その後も数々のトラブルを招いてしまう。

 もちろん、一概に孤独死といっても、原因は個々の事情によって様々だ。しかし、孤独死の現場と向き合っていると、これだけの多くの人々が、日々誰にも看取られず亡くなっているという現実に打ちひしがれそうになる。

  国はまず孤独死をきちんと定義づけ、実態把握をするべきできないか。そして、国家ぐるみで対策を立てるべきときにきていると、思わずにいられないのである。
     
菅野 久美子(ノンフィクションライター)
 
 
 
 
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家出少女ツイートの女子中学生に「飯でもくいますか」…自宅に泊めた会社員を逮捕 父親が通報/浦和署

2021年05月14日 22時00分31秒 | 社会のことなど
埼玉県の浦和署は1日、未成年者誘拐の疑いで、東京都板橋区高島平2丁目、会社員の男(39)を逮捕した。



 逮捕容疑は7月29日午後11時半~翌30日午後2時半ごろまでの間、ツイッターで知り合った県内の女子中学生に「飯でもくいますか」などとメッセージを送り、自宅に寝泊まりさせるなどした疑い。  

同署によると、ツイッター上で「#家出少女」などと書き込まれた女子中学生のツイートを男が発見。ダイレクトメッセージ(DM)などでやりとりしていた。 

 29日午後11時すぎ、女子中学生の父親が「11時になっても帰って来ない」と浦和署に通報。行方を追っていた同署員が30日午後2時半ごろ、JR池袋駅周辺のゲームセンターで女子中学生を発見した。  男は「間違いありません」と容疑を認めているという。


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紅葉も終わりますね>これもまた>

2021年05月14日 21時00分40秒 | いろいろな出来事
もうすぐ、散りますね❗



11・28・2020
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