コロナウイルス流行中で結婚式は中止すべき?「キャンセル料全額はキツイ
日に日に感染拡大が広がる新型コロナウイルス。その影響で、人が集まるイベントの延期や中止が相次いでいるが、そんな中で頭を抱えているのは2~3月に挙式・披露宴を控えた新郎新婦たちだ。
※画像はイメージです(以下同)
ネット上では「中止か延期か、開催か」「何を基準に決めればよいのか」「開催する場合、列席者への配慮はどうすればいいのか」と悩む声も多い。そこで今回は、3月末に結婚式を予定しており、まさに悩んでいる最中という新郎にどのようにして判断をするつもりなのかを聞いた。
無料で延期ならいいけど…キャンセル料全額はキツイ
3月末の桜の綺麗な季節に挙式・披露宴を予定しているという山本紀夫さん(31歳・仮名)。本番を目前に控えながらも、いまだに悩んでいる様子を明かす。 「キャンセル料が全額かかるのでやらないという選択肢はない、のですが……」(山本さん、以下同) 結婚式は人生の晴れ舞台。ネックとなるのは、高額のキャンセル料だ。 「無料で中止もしくは延期ができる……とかであればいいかもしれませんが、たとえコロナでも結婚式場にとっては『自己都合で中止』という扱いになり、約400万円の費用全額がキャンセル料として請求されます。
延期であればキャンセル料400万円+再度挙式・披露宴の費用400万円で倍のお金がかかることになります。そのため、なかなか『中止・延期』に踏み切ることができません。もちろん、桜の綺麗な季節にというこだわりもありますので、できれば予定通り行いたいです」
調べていくと、どうやら結婚式場によって対応が異なるようだ。山本さんの結婚式場は全額キャンセル料負担が必要だが、結婚式場によっては今回のコロナウイルスの影響により無料で延期の対応をしてくれるところもあるという。「結婚式場○○でコロナウイルスに感染!」と報じられてしまっては、今後の営業に支障をきたしかねないと判断をしたところもあるということだろう。
山本さんには列席者からの問い合わせなどは特にないと言うが、葛藤は大きいと話す。 「予定通り行った方が列席者にとってはいいのか? あるいは延期などをしたほうが安心してもらえるのか? さまざまな考え方がありますから、全員が納得する答えは僕たちだけでは出ません。遠方からいらっしゃる方は予定などを調整してくれているでしょうし、それで延期しづらいのもあります。 なので、開催することは決めたものの『(コロナが)気になる人は無理して来なくても……』的なアナウンスはする予定です。ぶっちゃけると人数が減るとご祝儀が減りそうでつらいというのはありますが、そんな状況ではないですもんね」
「開催を決めた以上、できることはゲストの皆様への配慮
近年では、思わぬ事態が起きた際に保険金が支払われる「結婚式のための保険」も存在するが、基本の保証内容は挙式間近の新郎新婦のケガや病気・自宅の火災や地震・身内の不幸など。山本さんは、昨年秋に未曾有の台風が起きた際には保証が適用されなかったという話を聞き、加入しなかったと話す。 「正直、今後どうなるかもわからないですよね。延期したからといって、その延期したタイミングにコロナが収束しているかどうかもわからない。それに、みんな普段は電車に乗って通勤しているわけで、どちらにせよ結婚式だけのせいで感染が起きる、というものでもない気もします」 ネット上では同じような悩みを抱える新郎新婦が「キャンセル料のために決行すると言われても」「大金持ちなら延期もできるけど、そんなにみんなが何百万円を捨てることができるわけではない」「私利私欲みたいな言い方をされてしまうとそんな気もするし、よけいに悩む」と真情を吐露する。
賛否両論の声があるなか、山本さんは「開催を決めた以上、できることはゲストの皆様への配慮」と語り、こう続ける。 「アルコールなどはそもそも欠品しているので手に入るのか? 的な問題はありますが、式場と相談して設置をするなど、できるだけの対策は行いたいと思います。
それでも気になる方には遠慮なく欠席をして頂きたいとは思っていますが、今回呼んでいる人はたぶんそういう状況でも来てくれる人がほとんどな気もしています。欠席を選択する方がいても2~3人じゃないかなと思うので、それはそれでその方々だけが来られないのは申し訳ない気もしますが……」
新郎新婦だけで列席者全員の納得の行く答えが出せないのが難しいところだ。列席者は一人ひとりが自分の納得のできる判断をすることしか、現状はできないのかもしれない
2/27/2020