「まず、今回の総裁選は茶番としか言いようがないですね。自民党総裁選の17日、告示日に公表された各候補の所見をよくよく読みましたが、この冬に新型コロナ第6波の可能性が指摘されているなかで、よくあんな中身で自民党、そして国民に訴えられるのかとあきれ果ててしまいましたよ」
自民に誘われた立憲議員が指摘!「総裁選、全員間違ってます」
議員会館のエレベーターで総裁選候補の某先生とご一緒し、グータッチの後に、「ブレインとして我が党(自民党)に欲しい」と仰って頂きました。>(Twitterより・原文ママ)
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22日朝、突然こうツイートし世間をざわつかせたのは立憲民主党の小西洋之参院議員だ。
「総裁選」と投稿しただけで多方面から問い合わせが殺到したという。そんな小西議員に、「スカウト」の真相と、総裁候補のあげる政策について聞いたところ…。
「まず、今回の総裁選は茶番としか言いようがないですね。自民党総裁選の17日、告示日に公表された各候補の所見をよくよく読みましたが、この冬に新型コロナ第6波の可能性が指摘されているなかで、よくあんな中身で自民党、そして国民に訴えられるのかとあきれ果ててしまいましたよ」
小西は、父が一級障がい者であったことから、政治活動の中心を医療厚生行政に定め、菅政権の新型コロナ対策については極めて厳しい舌鋒を展開、「熱い男」といわれている。 総裁選の最大のテーマは、これからのコロナ対策とコロナと社会のありようなのに、各候補のコロナ対策は「穴だらけ」と言う。
◆総裁候補のコロナ対策はめちゃくちゃ
河野太郎案は「自宅療養中のコロナ患者に対して通信機能付のパルスオキシメーターを配り容態の急変に備え、十分な医療を提供する。また、抗原検査キットの配布」を行うという。
「河野さんは、自宅療養中のコロナ患者に対して通信機能付のパルスオキシメーターを配り、容態の急変の際には医師らが駆け付ける、抗原検査キットを政府が大量配布するとしか言っていない。
しかし、第5波で経験した悲劇は、パルスオキシメーターの値が命にかかわるレベルの患者さんの真横で医師や救急隊員が何十件と懸命に病院に電話しても入院できない事態です。病院も人手不足で容態急変に駆けつけることができる医師など殆どいなかったはず。 そして、なぜ検査能力に劣る抗原検査を推進し、PCR検査を積極的に行おうとしないのか。
河野さんのコロナ対策では、菅政権の二の舞。これで『日本の国のコロナの対応を河野太郎に任せていただきたい。河野太郎の実行力に任せていただきたい』と豪語するとは、おそるべき資質というほかないです。そもそも、通信機能付パルスオキシメーターなんてありません」
9月9日の「新型コロナ対策本部」発表文書には、冬場に向かい第6波感染拡大の可能性があることが明記されている。存在しない医療機器をあてにし、検査態勢の再構築をしない河野案では、再び緊急事態を宣言せざるえない事態が想定されると指摘するのだ。
さらに、コロナ対策の酷さは河野だけではないと言う。
「岸田さんの対策案はゼロに等しい。『国民の協力が必要なので自ら説明します』などと言っているだけ。
高市さんは死者数・重傷者数の極小化などお題目を唱えているだけで、どうやったらコロナ罹患者を死なせずに済むのか、重症化させないのか、何も見えてこない。 サブホスピタルと呼称する臨時病院・病床の設置を唱えている野田さんが唯一中身があるが、それも肝心の実現方策がありません」
医学部中退、東大経由で元総務省・経産省を経験した小西から見ると、これらの「政策」には理念も実効性もなく「全部茶番」と一刀両断なのである。
◆「総裁選ショー」の最中に野党は
いまや自民党総裁選は政治の一大ショーと化している。連日の報道が、自民党のコマーシャルとなったのであろうか、自民党支持率は菅政権で低落した支持率を回復しつつある。
安倍政権から菅政権への政権移行となった前回総裁選は単なる「セレモニー」だったが、今回は誰が総理総裁の椅子を射止めるのかハラハラさせ、興味がそそられるのは確かだ。しかも、次期首相にふさわしい総理候補として1位、2位の常連だった河野、石破、そして人気者の小泉進次郎が手を組んだ「ドリームチーム」が結成された。対抗するのは最大最強実力者の安倍前首相。ガチンコ対決となっているのだ。
一方、野党は、目前の衆院選に向けてつぎつぎと政策を打ち出している。
小西は、議員会館での「スカウト」に対し、こう断言する。 「有り難いお言葉ですが、自民党には絶対に行きません」
菅首相の総裁選不出馬公表から、総裁選は始まっている。十分な時間があった割に、ポスト菅に名乗りを上げた候補者たちのあまりにお粗末なコロナ対策、社会保障、経済対策、安保・外交政策。野党でなくとも、三行半を突きつけたくなる。投開票は29日だ。 取材・文:橋本隆